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公開番号2024075083
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-03
出願番号2022186263
出願日2022-11-22
発明の名称構造物設計装置、構造物設計方法、プログラムおよび記録媒体
出願人国立大学法人 東京大学
代理人個人
主分類G06F 30/20 20200101AFI20240527BHJP(計算;計数)
要約【課題】構造物の最適設計を高速にまたは安定的に実現する。
【解決手段】構造物設計装置1は、構造物の設計領域を記憶する設計領域記憶部10と、構造物の目標性能値を記憶する目標性能値記憶部20と、構造物の各部分が、構造を有する物体領域であるか、空洞を形成する空洞領域であるかまたは物体領域と空洞領域との境界領域であるかを表すレベルセット関数のデータを記憶するレベルセット関数データ記憶部30と、レベルセット関数の係数を可変な拡散係数とした反応拡散方程式を解くことにより、構造物の性能を目標性能値に近づけるようにレベルセット関数を更新するレベルセット関数更新部40と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
構造物の設計領域を記憶する設計領域記憶部と、
前記構造物の目標性能値を記憶する目標性能値記憶部と、
前記構造物の各部分が、構造を有する物体領域であるか、空洞を形成する空洞領域であるかまたは前記物体領域と前記空洞領域との境界領域であるかを表すレベルセット関数のデータを記憶するレベルセット関数データ記憶部と、
前記レベルセット関数の係数を可変な拡散係数とした反応拡散方程式を解くことにより、前記構造物の性能を目標性能値に近づけるように前記レベルセット関数を更新するレベルセット関数更新部と、を含む構造物設計装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記反応拡散方程式は非線形反応拡散方程式であることを特徴とする請求項1に記載の構造物設計装置。
【請求項3】
前記レベルセット関数更新部は、前記設計領域内で前記物体領域のトポロジー変化および前記境界領域の移動を同時に行うことを特徴とする請求項1または2に記載の構造物設計装置。
【請求項4】
前記レベルセット関数の可変な拡散係数を、実数の指数pを含む物理量vに関する非線形方程式


v=△v

の拡散係数を
p|v|
p-1
で表したとき、前記レベルセット関数の可変な拡散係数はp<1であることを特徴とする請求項1または2に記載の構造物設計装置。
【請求項5】
前記レベルセット関数の可変な拡散係数を、実数の指数pを含む物理量vに関する非線形方程式


v=△v

の拡散係数を
p|v|
p-1
で表したとき、前記レベルセット関数の可変な拡散係数はp>1であることを特徴とする請求項1または2に記載の構造物設計装置。
【請求項6】
構造物の設計領域を記憶する設計領域記憶ステップと、
前記構造物の目標性能値を記憶する目標性能値記憶ステップと、
前記構造物の各部分が、構造を有する物体領域であるか、空洞を形成する空洞領域であるかまたは前記物体領域と前記空洞領域との境界領域であるかを表すレベルセット関数のデータを記憶するレベルセット関数データ記憶ステップと、
前記レベルセット関数の係数を可変な拡散係数とした非線形反応拡散方程式を解くことにより、前記構造物の性能を目標性能値に近づけるように前記レベルセット関数を更新するレベルセット関数更新ステップと、を含む構造物設計方法。
【請求項7】
構造物の設計領域を記憶する設計領域記憶ステップと、
前記構造物の目標性能値を記憶する目標性能値記憶ステップと、
前記構造物の各部分が、構造を有する物体領域であるか、空洞を形成する空洞領域であるかまたは前記物体領域と前記空洞領域との境界領域であるかを表すレベルセット関数のデータを記憶するレベルセット関数データ記憶ステップと、
前記レベルセット関数の係数を可変な拡散係数とした非線形反応拡散方程式を解くことにより、前記構造物の性能を目標性能値に近づけるように前記レベルセット関数を更新するレベルセット関数更新ステップと、を含む方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
構造物の設計領域を記憶する設計領域記憶ステップと、
前記構造物の目標性能値を記憶する目標性能値記憶ステップと、
前記構造物の各部分が、構造を有する物体領域であるか、空洞を形成する空洞領域であるかまたは前記物体領域と前記空洞領域との境界領域であるかを表すレベルセット関数のデータを記憶するレベルセット関数データ記憶ステップと、
前記レベルセット関数の係数を可変な拡散係数とした非線形反応拡散方程式を解くことにより、前記構造物の性能を目標性能値に近づけるように前記レベルセット関数を更新するレベルセット関数更新ステップと、を含む方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物設計装置、構造物設計方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
構造物の設計を最適化する手法の1つとして、トポロジー最適化がある(例えば、特許文献1参照)。トポロジー最適化は、構造設計問題を、与えられた設計領域内における材料分布問題に置き換えるものである。材料分布問題とは、材料が存在する領域(以下、「構造領域」と呼ぶ)と材料が存在しない領域(以下、「空洞領域」と呼ぶ)の最適な分布を決定する問題である。トポロジー最適化は、設計の変更過程におけるトポロジー変更を可能とすることから、設計自由度が高く、構造物の大幅な性能向上を実現できるものと期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2019/216221号
国際公開第2010/029810号
【非特許文献】
【0004】
Y. Nesterov, "A method of solving a convex programming problem with convergence rate O(1/k2)", Soviet Mathematics Doklady 27 (1983), 372.376.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トポロジー最適化には、均質化設計法、密度法およびレベルセット法に基づくものがある。このうちレベルセット法に基づくものは、レベルセット関数と呼ばれるスカラー関数の等位面により構造領域の境界面を表現し、このレベルセット関数の変更により構造領域の形状変更を表現するものである。均質化設計法や密度法に比べ、レベルセット法には、グレースケール(構造領域と空洞領域との中間領域)問題を排除できるというメリットがある。
【0006】
構造物設計の最適化問題に対して、レベルセット法に基づくトポロジー最適化を適用する技術が提案されている。特に特許文献2に開示された技術は、最初にレベルセット関数を定めておき、所定の制約条件下において、剛性等の構造物の性能を目標値に近づけるようにレベルセット関数を更新して、物体領域と空洞領域との境界を移動させるとともに、レベルセット関数の更新に伴う物体領域内のトポロジー変化を許容して物体領域内に新たな空洞領域を形成し、その新たな空洞領域と物体領域との境界を移動させるという手法を用いている。
【0007】
この特許文献2に記載の技術は、最適構造を明確に形状表現することができ、物体領域のトポロジー変化を許容するという点で、極めて自由度の高い構造最適化を可能としている。しかしながらこの技術には、最適構造への収束が遅いとか、境界付近での振動が原因で収束が安定しない、などといった課題がある。
【0008】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、構造物の最適設計を高速にまたは安定的に実現する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の構造物設計装置は、構造物の設計領域を記憶する設計領域記憶部と、構造物の目標性能値を記憶する目標性能値記憶部と、構造物の各部分が、構造を有する物体領域であるか、空洞を形成する空洞領域であるかまたは物体領域と空洞領域との境界領域であるかを表すレベルセット関数のデータを記憶するレベルセット関数データ記憶部と、レベルセット関数の係数を可変な拡散係数とした反応拡散方程式を解くことにより、構造物の性能を目標性能値に近づけるようにレベルセット関数を更新するレベルセット関数更新部と、を含む。
【0010】
ある実施の形態では、反応拡散方程式は非線形反応拡散方程式であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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