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公開番号2024025634
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2023025389
出願日2023-02-21
発明の名称試料の検査方法、婦人科癌及びその前癌病変の検査キット及び医薬
出願人学校法人日本大学,個人
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 33/50 20060101AFI20240216BHJP(測定;試験)
要約【課題】婦人科癌及びその前癌病変からなる群より選択される一種以上の有無の評価、婦人科癌患者の予後の評価、又は、婦人科癌の悪性度の評価に適用可能な、簡便かつ精度が高い試料の検査方法、前記検査方法に使用可能な検査キット、及び前記検査方法により検出された対象に投与される婦人科癌を治療又は予防するための医薬を提供する。
【解決手段】対象由来の試料中の遊離脂肪酸の濃度を測定する工程(A)と、工程(A)で得られた遊離脂肪酸の濃度に基づいて、前記対象が婦人科癌を有する可能性を評価する工程(B)と、を含む、試料の検査方法を採用する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
対象由来の試料における、パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、ドコサペンタエン酸及びアラキドン酸からなる群より選択される1種以上の遊離脂肪酸の濃度を測定する工程(A1)と、
前記工程(A1)で得られた、前記遊離脂肪酸の前記試料中の濃度に基づいて、前記対象が婦人科癌及びその前癌病変からなる群より選択される一種以上を有する可能性を評価する工程(B1)と、を含み、
前記工程(B1)において、下記(i1)、(ii1)及び(iii1)からなる群より選択される少なくとも1つに該当する場合に、前記対象が婦人科癌及びその前癌病変からなる群より選択される一種以上を有する可能性が高いと評価する、試料の検査方法;
(i1)パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸及びアラキドン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、高い;
(ii1)バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸及びドコサペンタエン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、低い;
(iii1)オレイン酸に対するドコサペンタエン酸の濃度比が、所定の閾値と比較して、低い。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
婦人科癌を有する対象由来の試料における、パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸及びドコサペンタエン酸からなる群より選択される1種以上の遊離脂肪酸の濃度を測定する工程(A2)と、
前記工程(A2)で得られた、前記遊離脂肪酸の前記試料中の濃度に基づいて、前記対象が予後不良となる可能性を評価する工程(B2)と、を含み、
前記工程(B2)において、下記(i2)及び(ii2)からなる群より選択される少なくとも1つに該当する場合に、前記対象が予後不良となる可能性が高いと評価する、試料の検査方法;
(i2)パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸及びパルミチン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、高い;
(ii2)バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸及びドコサペンタエン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、低い。
【請求項3】
婦人科癌を有する対象由来の試料における、パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸及びドコサペンタエン酸からなる群より選択される1種以上の遊離脂肪酸の濃度を測定する工程(A3)と、
前記工程(A3)で得られた、前記遊離脂肪酸の前記試料中の濃度に基づいて、前記対象が有する婦人科癌が、悪性腫瘍であるか、あるいは、境界悪性腫瘍であるかを評価する工程(B3)と、を含み、
前記工程(B3)において、下記(i3)及び(ii3)からなる群より選択される少なくとも1つに該当する場合に、前記婦人科癌は悪性腫瘍である可能性が高いと評価する、試料の検査方法;
(i3)パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸及びパルミチン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、高い;
(ii3)バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸及びドコサペンタエン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、低い。
【請求項4】
前記工程(B1)により婦人科癌及びその前癌病変からなる群より選択される一種以上を有する可能性が高いと判定された前記対象が、婦人科癌及び婦人科癌前癌病変のいずれを有するかについて、前記工程(A1)で得られた、前記遊離脂肪酸の前記試料中の濃度に基づいて評価する工程(C1)を更に含み、
前記工程(C1)において、下記(Ci)に該当する場合に、前記対象が婦人科癌を有する可能性が高いと評価する、請求項1に記載の試料の検査方法;
(Ci)ジホモ-γ-リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸及びドコサペンタエン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、低い。
【請求項5】
前記婦人科癌が、卵巣癌、子宮体癌、及び子宮頸癌からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の試料の検査方法。
【請求項6】
前記婦人科癌が、Stage I又はStage IIの婦人科悪性腫瘍である、請求項1に記載の試料の検査方法。
【請求項7】
前記工程(A1)がパルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、バクセン酸、アラキジン酸及びステアリン酸からなる群より選択される1種以上の遊離脂肪酸の濃度を測定する工程であり、
前記工程(B1)の(i1)における遊離脂肪酸がパルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸及びパルミチン酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、(ii1)における遊離脂肪酸がバクセン酸、アラキジン酸及びステアリン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の試料の検査方法。
【請求項8】
前記試料が血液試料である、請求項1~4のいずれか一項に記載の試料の検査方法。
【請求項9】
パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、ドコサペンタエン酸及びアラキドン酸からなる群より選択される1種以上の遊離脂肪酸を測定するための試薬を含み、
下記(a)~(d)からなる群より選択される少なくとも1つの目的に使用される、婦人科癌及びその前癌病変の検査キット;
(a)対象が婦人科癌及びその前癌病変からなる群より選択される一種以上を有する可能性の評価;
(b)婦人科癌を有する対象が予後不良となる可能性の評価;
(c)対象が有する婦人科癌が悪性腫瘍であるか、あるいは、境界悪性腫瘍であるかの評価;
(d)婦人科癌及び婦人科癌前癌病変からなる群より選択される一種以上を有する可能性が高い対象が、婦人科癌及び婦人科癌前癌病変のいずれを有するかの評価。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか一項に記載の試料の検査方法に用いられる、請求項9に記載の婦人科癌の検査キット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の検査方法、婦人科癌及びその前癌病変の検査キット及び医薬に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
卵巣癌は、腹腔内で発生する腫瘍であるため症状を呈しにくく、また、生体検査により病理学的に診断することができないため、早期発見が極めて困難である。また、子宮体癌および子宮頸癌等のその他の婦人科癌も、早期診断が可能な血清腫瘍マーカーは確立されておらず、現在では、不正出血等により偶然に発見される例が少なくない。
【0003】
卵巣癌腫瘍マーカーとして、例えば、CA125が知られている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、CA125の血中濃度は、早期卵巣癌、粘液性卵巣癌、卵巣明細胞癌では必ずしも高くないため、これらの癌は陽性判定されない場合がある。また、CA125の血中濃度は、良性疾患及び炎症性疾患においても高くなることがあるため、CA125の血中濃度による判定は偽陽性率が高い。そのため、CA125は、卵巣癌の腫瘍マーカーとしては不十分である。
【0004】
近年では、癌の診断手法として、末梢血液中の特定のエクソソーム又はマイクロRNAを検出する方法が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。しかしながら、生体試料からエクソソーム及びマイクロRNAを分析する際には、超遠心及びアフィニティー分離等の操作が必要である。そのため、これらを腫瘍マーカーとして用いる検査は煩雑であり、時間を要する。また、一定数の偽陽性が存在するという課題もあり、実用化には至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6538887号公報
【非特許文献】
【0006】
Yu Zhang et al., Emerging Functions and Clinical Applications of Exosomal ncRNAs in Ovarian Cancer. Front. Oncol., 05 November 2021, https://doi.org/10.3389/fonc.2021.765458
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、従来の癌のスクリーニング方法は、簡便さ、及び精度の点で課題がある。そのため、簡便な方法で、精度よく婦人科癌を早期に検出可能な方法が求められている。
【0008】
そこで、本発明は、婦人科癌及びその前癌病変からなる群より選択される一種以上の有無の評価、婦人科癌患者の予後の評価、又は、婦人科癌の悪性度の評価に適用可能な、簡便かつ精度が高い試料の検査方法、前記検査方法に使用可能な検査キット、及び前記検査方法により検出された対象に投与される婦人科癌を治療又は予防するための医薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]対象由来の試料における、パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、ドコサペンタエン酸及びアラキドン酸からなる群より選択される1種以上の遊離脂肪酸の濃度を測定する工程(A1)と、
前記工程(A1)で得られた、前記遊離脂肪酸の前記試料中の濃度に基づいて、前記対象が婦人科癌及びその前癌病変からなる群より選択される一種以上を有する可能性を評価する工程(B1)と、を含み、
前記工程(B1)において、下記(i1)、(ii1)及び(iii1)からなる群より選択される少なくとも1つに該当する場合に、前記対象が婦人科癌及びその前癌病変からなる群より選択される一種以上を有する可能性が高いと評価する、試料の検査方法;
(i1)パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸及びアラキドン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、高い;
(ii1)バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸及びドコサペンタエン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、低い;
(iii1)オレイン酸に対するドコサペンタエン酸の濃度比が、所定の閾値と比較して、低い。
【0010】
[2]婦人科癌を有する対象由来の試料における、パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸及びドコサペンタエン酸からなる群より選択される1種以上の遊離脂肪酸の濃度を測定する工程(A2)と、
前記工程(A2)で得られた、前記遊離脂肪酸の前記試料中の濃度に基づいて、前記対象が予後不良となる可能性を評価する工程(B2)と、を含み、
前記工程(B2)において、下記(i2)及び(ii2)からなる群より選択される少なくとも1つに該当する場合に、前記対象が予後不良となる可能性が高いと評価する、試料の検査方法;
(i2)パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸及びパルミチン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、高い;
(ii2)バクセン酸、アラキジン酸、ドコサヘキサエン酸、アドレン酸、ネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸及びドコサペンタエン酸からなる群より選択される少なくとも1種の遊離脂肪酸の前記試料中の濃度が、所定の閾値と比較して、低い。
(【0011】以降は省略されています)

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