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公開番号2024055100
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022161733
出願日2022-10-06
発明の名称防音材の設計方法、製造方法、設計装置及び設計用プログラム
出願人学校法人日本大学,ニチアス株式会社
代理人弁理士法人はるか国際特許事務所
主分類G10K 11/162 20060101AFI20240411BHJP(楽器;音響)
要約【課題】高温で使用される防音材を効果的に設計し製造する。
【解決手段】方法は、所定の高温以上の測定温度で多孔質体の試料に音波を放射し、実測関数と、第一パラメータを得る。多孔質体モデル関数を用いて実測関数と多孔質体モデル関数との差が予め定められた範囲内に低減される第一パラメータの値を実測パラメータ値として決定し、実測パラメータ値に基づき所定の高温以上の温度である評価温度における評価用パラメータ値を決定し、第一パラメータと多孔質体の他の特性を示す第二パラメータと防音材の音響特性との関係を示す防音材モデル関数を用いて評価温度について第一パラメータの値として評価用パラメータ値が代入された防音材モデル関数により得られる防音材の音響特性が予め定められた範囲内に到達する第二パラメータの値を設計用パラメータ値として決定し、設計用パラメータ値に基づいて多孔質体の設計用物性値を決定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
多孔質体を含む防音材の設計方法であって、
所定の高温以上の測定温度で前記多孔質体の試料に音波を放射して前記多孔質体の音響特性を測定することにより得られた前記多孔質体の前記音響特性と音波特性との関係を示す実測関数と、前記多孔質体の特性を示す第一パラメータを含み前記多孔質体の前記音響特性と前記音波特性との関係を示す多孔質体モデル関数とを用いて、前記測定温度について、前記実測関数と前記多孔質体モデル関数との差が予め定められた範囲内に低減される前記第一パラメータの値を実測パラメータ値として決定する実測パラメータ値決定工程と、
前記実測パラメータ値に基づき、所定の高温以上の温度である評価温度における評価用パラメータ値を決定する評価条件決定工程と、
前記第一パラメータと、前記多孔質体の他の特性を示す第二パラメータと、前記多孔質体を含む前記防音材の音響特性との関係を示す防音材モデル関数を用いて、前記評価温度について、前記第一パラメータの値として前記評価用パラメータ値が代入された前記防音材モデル関数により得られる前記防音材の前記音響特性が予め定められた範囲内に到達する前記第二パラメータの値を設計用パラメータ値として決定する評価工程と、
前記設計用パラメータ値に基づいて、前記多孔質体の設計用物性値を決定する物性値決定工程と、
を含む、
防音材の設計方法。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記実測パラメータ値決定工程において、所定の高温以上の前記測定温度を含む複数の測定温度の各々で前記多孔質体の前記音響特性を測定することにより得られた前記実測関数を用い、前記複数の測定温度の各々について前記実測パラメータ値を決定することにより、前記実測パラメータ値と前記測定温度との関係を示す実測パラメータ値の温度依存関数を得ること、及び、
前記評価条件決定工程において、前記実測パラメータ値の温度依存関数に基づいて、前記複数の測定温度とは異なる所定の高温以上の温度である前記評価温度における前記評価用パラメータ値を決定すること、
を含む、
請求項1に記載の防音材の設計方法。
【請求項3】
多孔質体を含む防音材の製造方法であって、
所定の高温以上の測定温度で前記多孔質体の試料に音波を放射して前記多孔質体の音響特性を測定することにより得られた前記多孔質体の前記音響特性と音波特性との関係を示す実測関数と、前記多孔質体の特性を示す第一パラメータを含み前記多孔質体の前記音響特性と前記音波特性との関係を示す多孔質体モデル関数とを用いて、前記所定の高温以上の測定温度について、前記実測関数と前記多孔質体モデル関数との差が予め定められた範囲内に低減される前記第一パラメータの値を実測パラメータ値として決定する実測パラメータ値決定工程と、
前記実測パラメータ値に基づき、所定の高温以上の温度である評価温度における評価用パラメータ値を決定する評価条件決定工程と、
前記第一パラメータと、前記多孔質体の他の特性を示す第二パラメータと、前記多孔質体を含む前記防音材の音響特性との関係を示す防音材モデル関数を用いて、前記評価温度について、前記第一パラメータの値として前記評価用パラメータ値が代入された前記防音材モデル関数により得られる前記防音材の前記音響特性が予め定められた範囲内に到達する前記第二パラメータの値を設計用パラメータ値として決定する評価工程と、
前記設計用パラメータ値に基づいて、前記多孔質体の設計用物性値を決定する物性値決定工程と、
前記設計用物性値を有する前記多孔質体を含む防音材を製造する防音材製造工程と、
を含む、
防音材の製造方法。
【請求項4】
前記実測パラメータ値決定工程において、所定の高温以上の前記測定温度を含む複数の測定温度の各々で前記多孔質体の前記音響特性を測定することにより得られた前記実測関数を用い、前記複数の測定温度の各々について前記実測パラメータ値を決定することにより、前記実測パラメータ値と前記測定温度との関係を示す実測パラメータ値の温度依存関数を得ること、及び、
前記評価条件決定工程において、前記実測パラメータ値の温度依存関数に基づいて、前記複数の測定温度とは異なる所定の高温以上の温度である前記評価温度における前記評価用パラメータ値を決定すること、
を含む、
請求項3に記載の防音材の製造方法。
【請求項5】
多孔質体を含む防音材の設計装置であって、
所定の高温以上の測定温度で前記多孔質体の試料に音波を放射して前記多孔質体の音響特性を測定することにより得られた前記多孔質体の前記音響特性と音波特性との関係を示す実測関数と、前記多孔質体の特性を示す第一パラメータを含み前記多孔質体の前記音響特性と前記音波特性との関係を示す多孔質体モデル関数とを用いて、前記測定温度について、前記実測関数と前記多孔質体モデル関数との差が予め定められた範囲内に低減される前記第一パラメータの値を実測パラメータ値として決定する実測パラメータ値決定部と、
前記実測パラメータ値に基づき、所定の高温以上の温度である評価温度における評価用パラメータ値を決定する評価条件決定部と、
前記第一パラメータと、前記多孔質体の他の特性を示す第二パラメータと、前記多孔質体を含む前記防音材の音響特性との関係を示す防音材モデル関数を用いて、前記評価温度について、前記第一パラメータの値として前記評価用パラメータ値が代入された前記防音材モデル関数により得られる前記防音材の前記音響特性が予め定められた範囲内に到達する前記第二パラメータの値を設計用パラメータ値として決定する評価部と、
前記設計用パラメータ値に基づいて、前記多孔質体の設計用物性値を決定する物性値決定部と、
を含む、
防音材の設計装置。
【請求項6】
多孔質体を含む防音材の設計用プログラムであって、
所定の高温以上の測定温度で前記多孔質体の試料に音波を放射して前記多孔質体の音響特性を測定することにより得られた前記多孔質体の前記音響特性と音波特性との関係を示す実測関数と、前記多孔質体の特性を示す第一パラメータを含み前記多孔質体の前記音響特性と前記音波特性との関係を示す多孔質体モデル関数とを用いて、前記測定温度について、前記実測関数と前記多孔質体モデル関数との差が予め定められた範囲内に低減される前記第一パラメータの値を実測パラメータ値として決定する実測パラメータ値決定手段、
前記実測パラメータ値に基づき、所定の高温以上の温度である評価温度における評価用パラメータ値を決定する評価条件決定手段、
前記第一パラメータと、前記多孔質体の他の特性を示す第二パラメータと、前記多孔質体を含む前記防音材の音響特性との関係を示す防音材モデル関数を用いて、前記評価温度について、前記第一パラメータの値として前記評価用パラメータ値が代入された前記防音材モデル関数により得られる前記防音材の前記音響特性が予め定められた範囲内に到達する前記第二パラメータの値を設計用パラメータ値として決定する評価手段、及び
前記設計用パラメータ値に基づいて、前記多孔質体の設計用物性値を決定する物性値決定手段、
としてコンピュータを機能させるための防音材の設計用プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、防音材の設計方法、製造方法、設計装置及び設計用プログラムに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、音響材料を数学的に表現する数理モデルに基づいて、前記音響材料を特徴付ける複数の材料パラメータのうちの1種類につき予め指定した数値範囲にある複数の値のそれぞれに対して、前記音響材料の音響性能を算出する音響性能算出手段と、前記1種類の材料パラメータの値と周波数とを2軸として、前記音響性能算出手段により算出された音響性能を等高線で表した等高線図を、前記音響性能の値に応じて色を分けて描画するとともに、前記等高線図の周波数軸に平行な直線状のカーソルと前記カーソルが示す前記1種類の材料パラメータの値の表示とを前記等高線図上に描画する等高線図描画手段と、前記数値範囲内の1つの値における、前記周波数と前記音響性能との関係を表す性能曲線をプロット図に描画するプロット図描画手段とを備えており、前記等高線図描画手段が、ユーザの入力に応じて前記等高線図における前記カーソルの表示位置と前記1種類の材料パラメータの値の表示とを変更し、前記プロット図描画手段が、変更された前記1種類の材料パラメータの値の表示に対応する性能曲線を前記プロット図に描画するものである、音響性能計算装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、発泡樹脂製吸音材の内部構造を設計する方法であって、前記発泡樹脂製吸音材の内部構造と等価な構造であって、周期的かつ均質な構造の微視構造モデルを設定する工程と、前記発泡樹脂製吸音材の設計を行う範囲内でサンプリングした、複数の前記微視構造モデルのそれぞれについて、均質化法を用いて、音響特性を算出する工程と、前記発泡樹脂製吸音材のBiotパラメータと前記微視構造モデルとの関係式を、算出
した前記音響特性に基づいて、同定する工程と、前記発泡樹脂製吸音材の設計目標である、目標音響特性を設定する工程と、Biotモデル法を用いて、設定した前記目標音響特性を実現するBiotパラメータを同定する工程と、前記関係式を用いて、同定したBiotパラメータに対応する微視構造モデルを同定する工程と、を備えている設計方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
再表2013-080993号公報
特開2022-054842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来、多孔質体を含む防音材の設計においては、当該多孔質体の常温におけるパラメータを用いていたため、高温で使用される防音材については、試作品を実際に高温の環境下において音響特性を評価し、その評価結果に基づき再設計するという作業を繰り返す必要があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、高温で使用される防音材の効果的な設計及び製造を実現する、防音材の設計方法、製造方法、設計装置及び設計用プログラムを提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る防音材の設計方法は、多孔質体を含む防音材の設計方法であって、所定の高温以上の測定温度で前記多孔質体の試料に音波を放射して前記多孔質体の音響特性を測定することにより得られた前記多孔質体の前記音響特性と音波特性との関係を示す実測関数と、前記多孔質体の特性を示す第一パラメータを含み前記多孔質体の前記音響特性と前記音波特性との関係を示す多孔質体モデル関数とを用いて、前記測定温度について、前記実測関数と前記多孔質体モデル関数との差が予め定められた範囲内に低減される前記第一パラメータの値を実測パラメータ値として決定する実測パラメータ値決定工程と、前記実測パラメータ値に基づき、所定の高温以上の温度である評価温度における評価用パラメータ値を決定する評価条件決定工程と、前記第一パラメータと、前記多孔質体の他の特性を示す第二パラメータと、前記多孔質体を含む前記防音材の音響特性との関係を示す防音材モデル関数を用いて、前記評価温度について、前記第一パラメータの値として前記評価用パラメータ値が代入された前記防音材モデル関数により得られる前記防音材の前記音響特性が予め定められた範囲内に到達する前記第二パラメータの値を設計用パラメータ値として決定する評価工程と、前記設計用パラメータ値に基づいて、前記多孔質体の設計用物性値を決定する物性値決定工程と、を含む。本発明によれば、高温で使用される防音材の効果的な設計方法が提供される。
【0008】
前記防音材の設計方法は、前記実測パラメータ値決定工程において、所定の高温以上の前記測定温度を含む複数の測定温度の各々で前記多孔質体の前記音響特性を測定することにより得られた前記実測関数を用い、前記複数の測定温度の各々について前記実測パラメータ値を決定することにより、前記実測パラメータ値と前記測定温度との関係を示す実測パラメータ値の温度依存関数を得ること、及び、前記評価条件決定工程において、前記実測パラメータ値の温度依存関数に基づいて、前記複数の測定温度とは異なる所定の高温以上の温度である前記評価温度における前記評価用パラメータ値を決定すること、を含むこととしてもよい。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る防音材の製造方法は、多孔質体を含む防音材の製造方法であって、所定の高温以上の測定温度で前記多孔質体の試料に音波を放射して前記多孔質体の音響特性を測定することにより得られた前記多孔質体の前記音響特性と音波特性との関係を示す実測関数と、前記多孔質体の特性を示す第一パラメータを含み前記多孔質体の前記音響特性と前記音波特性との関係を示す多孔質体モデル関数とを用いて、前記所定の高温以上の測定温度について、前記実測関数と前記多孔質体モデル関数との差が予め定められた範囲内に低減される前記第一パラメータの値を実測パラメータ値として決定する実測パラメータ値決定工程と、前記実測パラメータ値に基づき、所定の高温以上の温度である評価温度における評価用パラメータ値を決定する評価条件決定工程と、前記第一パラメータと、前記多孔質体の他の特性を示す第二パラメータと、前記多孔質体を含む前記防音材の音響特性との関係を示す防音材モデル関数を用いて、前記評価温度について、前記第一パラメータの値として前記評価用パラメータ値が代入された前記防音材モデル関数により得られる前記防音材の前記音響特性が予め定められた範囲内に到達する前記第二パラメータの値を設計用パラメータ値として決定する評価工程と、前記設計用パラメータ値に基づいて、前記多孔質体の設計用物性値を決定する物性値決定工程と、前記設計用物性値を有する前記多孔質体を含む防音材を製造する防音材製造工程と、を含む。本発明によれば、高温で使用される防音材の効果的な製造方法が提供される。
【0010】
前記実測パラメータ値決定工程において、所定の高温以上の前記測定温度を含む複数の測定温度の各々で前記多孔質体の前記音響特性を測定することにより得られた前記実測関数を用い、前記複数の測定温度の各々について前記実測パラメータ値を決定することにより、前記実測パラメータ値と前記測定温度との関係を示す実測パラメータ値の温度依存関数を得ること、及び、前記評価条件決定工程において、前記実測パラメータ値の温度依存関数に基づいて、前記複数の測定温度とは異なる所定の高温以上の温度である前記評価温度における前記評価用パラメータ値を決定すること、を含むこととしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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