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公開番号2024076664
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2022188342
出願日2022-11-25
発明の名称ひび割れの自己治癒性能を有する吹付けコンクリート及びトンネル構造
出願人戸田建設株式会社,学校法人日本大学
代理人個人
主分類E21D 11/10 20060101AFI20240530BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】トンネル工事における湧水処理作業を軽減するとともに、施工後におけるトンネル坑内の湧水を減少し、トンネルの耐久性を向上する。
【解決手段】山岳トンネル工事における地山2の掘削面に吹き付けられる吹付けコンクリート3である。前記吹付けコンクリート3に、バクテリアの代謝活動を利用したひび割れ補修材6が含まれている。吹付けコンクリート3にひび割れが生じても、覆工コンクリート5の打設までにひび割れが自己治癒することにより、湧水処理作業が軽減できる。また、トンネル施工後、吹付けコンクリート3にひび割れが生じても、自己治癒するため、トンネル坑内の湧水が減少でき、トンネルの耐久性が向上できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
山岳トンネル工事における地山の掘削面に吹き付けられる吹付けコンクリートであって、
前記吹付けコンクリートに、バクテリアの代謝活動を利用したひび割れ補修材が含まれていることを特徴とするひび割れの自己治癒性能を有する吹付けコンクリート。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記補修材の配合量が、2.5~7.5kg/m
2
である請求項1記載のひび割れの自己治癒性能を有する吹付けコンクリート。
【請求項3】
地山の掘削面に、上記請求項1、2いずれかに記載の吹付けコンクリートが設けられていることを特徴とするトンネル構造。
【請求項4】
前記吹付けコンクリートを一次吹付けコンクリートとして、その内面に二次吹付けコンクリートが設けられ、
前記二次吹付けコンクリートには前記補修材が添加されていない請求項3記載のトンネル構造。
【請求項5】
前記吹付けコンクリートの内面に防水シートが貼り付けられ、その内面に覆工コンクリートが設けられている請求項3記載のトンネル構造。
【請求項6】
トンネル内面が吹付けコンクリートで仕上げられたトンネル構造において、
地山の掘削面に吹き付けられる吹付けコンクリートが、前記ひび割れの自己治癒性能を有する吹付けコンクリートである請求項3記載のトンネル構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バクテリアの代謝活動によるひび割れの自己治癒能力を備えた吹付けコンクリート及びトンネル構造に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、山岳トンネルの施工では、概ね穿孔・装薬・発破の手順による発破掘削→ズリ搬出→支保工建込み→吹付けコンクリート施工→ロックボルト打設→防水シート貼り付け→覆工コンクリート施工の工程を順に段階的に踏むことにより行われている。
【0003】
このように、吹付けコンクリートと覆工コンクリートとの間に防水シートを介装させることにより、地山の掘削面に生じた湧水が覆工コンクリートより内部に浸出するのを防止する防水工が施されている。
【0004】
また、吹付けコンクリートを施工する際、吹付け面に湧水がある場所では、吹付けコンクリートが付着しにくく、剥離を起こすことがあるので、事前に湧水処理工が施される。『コンクリート委員会吹付けコンクリート研究小委員会編、吹付けコンクリート指針(案)-トンネル編、土木学会』によると、湧水箇所における吹付けコンクリートの施工方法の例として、湧水の程度に応じて次のような方法が挙げられている。
【0005】
(1)湧水が少ない場合(常に湿潤か滴水程度):急結剤を増量することや、液体急結剤を用いている場合は粉体に変更するなどの対策を施す。
【0006】
(2)部分的な湧水がある場合:局部的で一時的なものは湧水箇所を残して吹付けを行う。ある程度以上の湧水がある場合は、ビニールホース等で導水し吹き付ける。
【0007】
(3)広範囲に湧水がある場合:吹付けコンクリートの付着性を向上させるために金網を併用し、フィルター材又はシートを地山に固定して背面排水し、ホース等で水を抜きながら吹き付ける。
【0008】
また、トンネルの漏水対策としての防水工・排水工については、従来より種々の技術が開発されている。例えば、特許文献1には、吹き付け一次覆工コンクリートの内面に透水層を吹付けにより形成し、さらに防水材料による吹き付け遮水層を積層形成することが開示され、特許文献2には、導水材が直接貼り付けられたトンネルの掘削内壁面に吹付けコンクリート層を形成することが開示され、特許文献3には、防水シートの下部に排水材がトンネル方向に沿って取り付けられ、漏水個所の覆工コンクリート側の歩道に排水材に向かって斜め下向きに削孔し、この削孔の上部から車道の側溝に導水管を接続するとともに、削孔の上部を密閉して、吹付けコンクリートと防水シートとの間に流れ込んだ湧水を前記削孔と導水管を通して、車道の側溝に排水することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平9-4393号公報
特開2003-262097号公報
特開2016-173003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、吹付けコンクリートの吹付け面に対し上述のような湧水処理工を施しても、吹付けコンクリートにひび割れが生じた場合には、覆工コンクリートの打設に際し、防水シートの隙間等から湧水が生じ、コンクリート打設中に打設コンクリートに湧水が入り込み、コンクリートの品質が低下するおそれがある。また、コンクリート打設前に防水シートの隙間等から湧水が確認された場合、この処理を行う手間がある。
(【0011】以降は省略されています)

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