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公開番号2024076665
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2022188343
出願日2022-11-25
発明の名称ひび割れの自己治癒性能を有するパネルを備えたコンクリート構造物
出願人戸田建設株式会社,学校法人日本大学
代理人個人
主分類E02D 29/05 20060101AFI20240530BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】施工後のメンテナンスにかかる労力及び費用を軽減するとともに、鉄筋の腐食を確実に防止し、かつ簡単な構造でひび割れが補修できるようにする。
【解決手段】他の部位よりひび割れが発生しやすい弱部においてひび割れが形成されると想定されるコンクリート内部に、バクテリアの代謝活動を利用したひび割れ補修材を含むコンクリート製の自己治癒パネル3が埋設されている。一実施形態例では、前記弱部が、コンクリート構造物の隅角部2であり、前記自己治癒パネル3が、前記隅角部の背面側に前記隅角部2に沿って配置されている。他の実施形態例では、前記弱部が、コンクリート構造物の表面に形成されたひび割れ誘発目地5であり、前記自己治癒パネル3が、前記ひび割れ誘発目地の背面側に前記ひび割れ誘発目地に沿って配置されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
他の部位よりひび割れが発生しやすい弱部においてひび割れが形成されると想定されるコンクリート内部に、バクテリアの代謝活動を利用したひび割れ補修材を含むコンクリート製の自己治癒パネルが埋設されていることを特徴とするひび割れの自己治癒性能を有するパネルを備えたコンクリート構造物。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記弱部が、コンクリート構造物の隅角部であり、
前記自己治癒パネルが、前記隅角部の背面側に前記隅角部に沿って配置されている請求項1記載のひび割れの自己治癒性能を有するパネルを備えたコンクリート構造物。
【請求項3】
前記弱部が、コンクリート構造物の表面に形成されたひび割れ誘発目地であり、
前記自己治癒パネルが、前記ひび割れ誘発目地の背面側に前記ひび割れ誘発目地に沿って配置されている請求項1記載のひび割れの自己治癒性能を有するパネルを備えたコンクリート構造物。
【請求項4】
前記自己治癒パネルが、コンクリート構造物の表面と配力筋との間に配置されている請求項1記載のひび割れの自己治癒性能を有するパネルを備えたコンクリート構造物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バクテリアの代謝活動によるひび割れの自己治癒性能を有するパネルが所定位置に埋設されたコンクリート構造物に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物にひび割れが生じると、美観を損なうだけでなく、このひび割れを通じて雨水がコンクリート内部に浸入し、鉄筋の腐食の原因となる。
【0003】
一方、コンクリート構造物では、断面急変部の応力集中によるひび割れや、セメントの水和熱や外気温等による温度変化、乾燥収縮等、外力以外の要因による変形に伴うひび割れが発生することがある。このようなひび割れは、コンクリート配合や打設方法あるいは打設後の養生に十分な配慮をしたとしても、ひび割れ発生の抑制には限度があり、完全に防止することは難しい。
【0004】
ひび割れの補修方法として、従来より、次の方法が知られていた。第1の補修方法は、定期的な目視調査を実施し、ひび割れの発生を確認した部分に樹脂注入などの補修を行う。第2の補修方法は、施工するコンクリートに、ひび割れの自己治癒性能を有するバクテリアを含有させ、このバクテリアの代謝活動によってひび割れを自己治癒させる(下記特許文献1~3)。第3の補修方法は、構造物に発生するひび割れの位置を制御するため、断面欠損部(ひび割れ誘発目地)をあらかじめ設けておき、この部分にひび割れを誘発させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2013-523590号公報
特開2016-34898号公報
特表2017-522256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の第1の補修方法では、定期的な目視調査が必要であり、コンクリート構造物のライフサイクルコストが高くなる場合がある。また、ひび割れの発生から発見や補修実施までにタイムラグがあり、内部の鉄筋の腐食が開始する場合がある。
【0007】
前記第2の補修方法では、ひび割れは部分的であるのに対し、コンクリートに自己治癒性能を付加するには施工する全てのコンクリートにバクテリアを含有させなければならないため、費用が嵩む。
【0008】
前記第3の補修方法では、発生したひび割れを調査し、補修の検討を行う必要がある。また、ひび割れ誘発目地にゴムなどの異種材料を埋め込む必要があり、仕組みが複雑なものが多い。
【0009】
そこで本発明の主たる課題は、施工後のメンテナンスにかかる労力及び費用を軽減するとともに、鉄筋の腐食を確実に防止し、かつ簡単な構造でひび割れが修復できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、他の部位よりひび割れが発生しやすい弱部においてひび割れが形成されると想定されるコンクリート内部に、バクテリアの代謝活動を利用したひび割れ補修材を含むコンクリート製の自己治癒パネルが埋設されていることを特徴とするひび割れの自己治癒性能を有するパネルを備えたコンクリート構造物が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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