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公開番号2024049666
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156025
出願日2022-09-29
発明の名称酸化カルシウムの製造方法及び添加剤
出願人学校法人日本大学
代理人個人,個人,個人
主分類C04B 2/02 20060101AFI20240403BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】炭酸カルシウムを含有する材料の加熱処理により、酸化カルシウムを製造する製造方法であって、前記加熱処理の時間が従来よりも短時間である製造方法の提供。
【解決手段】酸化カルシウムの製造方法であって、前記製造方法は、炭酸カルシウムを含有する材料を、添加剤の共存下かつ減圧下で加熱処理することにより、前記炭酸カルシウムを分解し、酸化カルシウムを生成させる工程を有し、前記添加剤が、鉄、酸化鉄(II)、酸化二鉄(III)鉄(II)、酸化鉄(III)、アルミニウム及び酸化アルミニウムからなる群より選択される1種又は2種以上である、酸化カルシウムの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸化カルシウムの製造方法であって、
前記製造方法は、炭酸カルシウムを含有する材料を、添加剤の共存下かつ減圧下で加熱処理することにより、前記炭酸カルシウムを分解し、酸化カルシウムを生成させる工程を有し、
前記添加剤が、鉄、酸化鉄(II)、酸化二鉄(III)鉄(II)、酸化鉄(III)、アルミニウム及び酸化アルミニウムからなる群より選択される1種又は2種以上である、酸化カルシウムの製造方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記炭酸カルシウムを含有する材料が塊状物であり、前記塊状物の1個当たりの質量が1~100gである、請求項1に記載の酸化カルシウムの製造方法。
【請求項3】
前記炭酸カルシウムを含有する材料の使用量に対する、前記添加剤の使用量の割合が、7質量%以下である、請求項1又は2に記載の酸化カルシウムの製造方法。
【請求項4】
前記減圧下での圧力が5Pa以下である、請求項1又は2に記載の酸化カルシウムの製造方法。
【請求項5】
前記炭酸カルシウムを含有する材料を加熱処理するときの加熱温度が、850℃以下である、請求項1又は2に記載の酸化カルシウムの製造方法。
【請求項6】
前記炭酸カルシウムを含有する材料が石灰石である、請求項1又は2に記載の酸化カルシウムの製造方法。
【請求項7】
酸化カルシウムの製造方法で用いるための添加剤であって、
前記製造方法は、炭酸カルシウムを含有する材料を、前記添加剤の共存下かつ減圧下で加熱処理することにより、前記炭酸カルシウムを分解し、前記酸化カルシウムを生成させる工程を有し、
前記添加剤が、鉄、酸化鉄(II)、酸化二鉄(III)鉄(II)、酸化鉄(III)、アルミニウム及び酸化アルミニウムからなる群より選択される1種又は2種以上である、添加剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化カルシウムの製造方法及び添加剤に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
石灰石は、炭酸カルシウム(CaCO

)を主成分とする岩石であり、セメントの原料として使用されている。石灰石は脱炭酸によって、酸化カルシウム(CaO、別名:生石灰)を生成する。
【0003】
一方、酸化カルシウムは、製鉄業界では、鉄中のケイ素(Si)、硫黄(S)、リン(P)等の不純物と反応させてスラグを生成させるのに利用されている。例えば、鉄鉱石、コークス及び石灰石を高炉中で溶解させることで、銑鉄を製造し、転炉中でこの銑鉄に酸化カルシウム(生石灰)を添加剤として加えることにより、前記不純物と酸化カルシウムを反応させて、スラグを生成させている。そして、このスラグを鉄から除くことによって、鉄中の不純物を低減している。
【0004】
酸化カルシウムは、鉄中の不純物の低減以外にも、例えば、化学薬品、肥料、建材等の製造原料として利用される。
このように、酸化カルシウムは産業上重要な材料であるため、これまでに、石灰石から酸化カルシウムを得る酸化カルシウムの製造方法が種々検討されてきた。
例えば、石灰石が脱炭酸する温度は900℃程度であり、製鉄業界では、連続的に大量の酸化カルシウムを得るために、石灰石を1200℃程度の高温で約1日かけて加熱処理することもある。
【0005】
しかし、このような従来の酸化カルシウムの製造方法では、石灰石を極めて高温で長時間加熱処理するために、エネルギー消費量が多く、高コストであり、しかも二酸化炭素の排出量も多いという問題点があった。
これに対して、石灰石の加熱処理による脱炭酸を、減圧条件下で行うことによって、脱炭酸の工程時間を短縮する方法が開示されている(非特許文献1~2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
減圧下でのカルシウム化合物の分解およびその生成物の吸湿性.小嶋芳行,林皓人,梅垣哲士.J.Soc.Inorg.Mater.,Japan,21,112-116(2014).
減圧下での石灰石の脱炭酸および生石灰のキャラクター.三橋佑基,梅垣哲士,小嶋芳行.J.Soc.Inorg.Mater.,Japan,26,296-301(2019).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、非特許文献1~2で開示されている酸化カルシウムの製造方法では、脱炭酸の工程時間の短縮に、依然改善の余地があった。そこで、石灰石のような炭酸カルシウムを含有する材料を、従来よりも短時間で加熱処理することにより酸化カルシウムを製造する、新規の製造方法の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、炭酸カルシウムを含有する材料の加熱処理により、酸化カルシウムを製造する製造方法であって、前記加熱処理の時間が従来よりも短時間である製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1] 酸化カルシウムの製造方法であって、前記製造方法は、炭酸カルシウムを含有する材料を、添加剤の共存下かつ減圧下で加熱処理することにより、前記炭酸カルシウムを分解し、酸化カルシウムを生成させる工程を有し、前記添加剤が、鉄、酸化鉄(II)、酸化二鉄(III)鉄(II)、酸化鉄(III)、アルミニウム及び酸化アルミニウムからなる群より選択される1種又は2種以上である、酸化カルシウムの製造方法。
[2] 前記炭酸カルシウムを含有する材料が塊状物であり、前記塊状物の1個当たりの質量が1~100gである、[1]に記載の酸化カルシウムの製造方法。
[3] 前記炭酸カルシウムを含有する材料の使用量に対する、前記添加剤の使用量の割合が、7質量%以下である、[1]又は[2]に記載の酸化カルシウムの製造方法。
[4] 前記減圧下での圧力が5Pa以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の酸化カルシウムの製造方法。
【0010】
[5] 前記炭酸カルシウムを含有する材料を加熱処理するときの加熱温度が、850℃以下である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の酸化カルシウムの製造方法。
[6] 前記炭酸カルシウムを含有する材料が石灰石である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の酸化カルシウムの製造方法。
[7] 酸化カルシウムの製造方法で用いるための添加剤であって、前記製造方法は、炭酸カルシウムを含有する材料を、前記添加剤の共存下かつ減圧下で加熱処理することにより、前記炭酸カルシウムを分解し、前記酸化カルシウムを生成させる工程を有し、前記添加剤が、鉄、酸化鉄(II)、酸化二鉄(III)鉄(II)、酸化鉄(III)、アルミニウム及び酸化アルミニウムからなる群より選択される1種又は2種以上である、添加剤。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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