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公開番号2024002333
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-11
出願番号2022101453
出願日2022-06-23
発明の名称ポリマー化合物
出願人国立大学法人九州大学
代理人個人
主分類C08F 20/18 20060101AFI20231228BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】(メタ)アクリル骨格、(メタ)アクリルアミド骨格を有するポリマーにおいて、当該ポリマーが有する主たる構造とは異なる構造を複合化することにより、新たな特性を有する共重合ポリマー化合物を提供すること。
【解決手段】(メタ)アクリル骨格、(メタ)アクリルアミド骨格を有するポリマー化合物において、当該ポリマー化合物の側鎖の一部としてホスホン酸基を有する側鎖が導入されたポリマー化合物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記式1に示す構造を有し、その先端部分(●)に、下記式2~4に示す構造の少なくともいずれかを含むと共に、下記式5に示す構造を含むことを特徴とするポリマー化合物。
但し、式1において、R

は水素又はメチル基、XはO又はNHのいずれか、nはモノマーユニットの繰り返し数をそれぞれ示し、
式2において、R

は水素又はメチル基、mは2~6の自然数、pは1~3の自然数をそれぞれ示し、
式3において、R

はCH

,またはC



のいずれか、R



は3員環から6員環のうちのいずれかの環状エーテル(環状エーテルに含まれる酸素原子の数(k)は、k≧1)であり、R

およびR

に含まれる任意の水素がOH,CH

,C



の少なくともいずれか一つで置換されていても良い。)をそれぞれ示し、
式4において、上記XがOである場合にはqは1~14の整数、又は上記XがNHである場合にはqは0~14の整数を示し、
式5において、R5’は、その水素原子の少なくとも一つが式6に示す構造で置換されている炭素数が6以下のアルキル基を示すものとする。
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続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記ポリマー化合物を構成するモノマーユニットの総数(n)に対して、前記式5に示す構造を含むモノマーユニットの割合が1~50mol%であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー化合物。
【請求項3】
前記ポリマー化合物を構成するモノマーユニットの総数(n)に対して、式2~5に示す構造を含むモノマーユニットの割合が90mol%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー化合物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のポリマー化合物を含むことを特徴とするポリマー組成物。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載のポリマー化合物を溶媒に溶解してなることを特徴とするコーティング組成物。
【請求項6】
金属表面にコーティング皮膜を設けるために使用されることを特徴とする請求項5に記載のコーティング組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリマー化合物、及び当該ポリマー化合物を含む表面処理組成物等に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、各種材料表面に血液等の生体成分が接触すると、当該材料表面が異物として認識されて生体組織中のタンパク質の非特異的吸着、変性、多層吸着等が生じ、その結果、凝固系、補体系、血小板系等の活性化が生じることが知られている。このため、生体と接触して使用される医療用機器の表面においては、当該機器が異物として認識され、生体成分と異物反応を起こすことを防止するために、当該機器の表面に生体親和性を付与することが望まれる。
【0003】
各種医療用機器の表面に生体親和性を付与する手段として、従来から生体親和性を有する材料を人工的に合成し、これを医療用機器の表面に塗布して使用する試みがなされている。このような生体親和性材料としては、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)(PMEA)等が代表的に知られている。これら生体親和性材料により、医療用機器表面などの血液等の生体成分が接触する部位を構成することで、医療用機器表面が異物として認識されることが防止され、その結果、凝固系、補体系、血小板系等の活性化が抑制される等の生体親和性が発現される。
【0004】
MPCポリマーは生体環境下で電気的な中性を保つベタインの一種であり、生体の細胞膜を覆っているリン脂質極性基をメタクリル骨格に対する側鎖として結合した構造を有している。つまり、MPCポリマーは、生体を構成する生体関連物質を模した構造を合成ポリマーの骨格に対して結合することにより、当該生体関連物質が発揮する生体親和性を活用し、全体として生体親和性を発揮する合成ポリマーと考えることができる。一方、純粋なMPCポリマーは水溶性を示すために、疎水性ユニットを共重合することにより非水溶性化したポリマーの状態で医療用機器表面に塗布することにより、血小板の粘着性が抑制されるなどの優れた生体親和性を発現することができる(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
一方、PEGは、鎖状エーテル構造の一種である-(C



-O)-を繰返し単位とするポリマーであって、生体を構成する物質とは類似しない構造を有するにも関わらず、非常に優れた生体親和性を有することが知られている。また、当該PEG自体は水溶性を示すために、他の構造単位との間で各種の複合化を行うことによって非水溶性化することによって、医療用機器の表面等に生体親和性を付与するためのコーティング剤等として使用されている。
【0006】
また、上記PMEAはアクリル骨格に対して、上記PEGの構成単位である-(C



-O)-を主たる構造とする側鎖を結合した構造を有しており、生体親和性を有することが知られている。また、特許文献2には、当該PMEAと同様の-(C



-O)-を主たる構成とする側鎖構造がアクリルアミド骨格に導入された構造を有するポリメトキシエチルアクリルアミド(PMEAAm)が良好な生体親和性を示すことが記載されている。当該PMEA、PMEAAm等はホモポリマーとして非水溶性を示すことから、当該ポリマーは生体環境と接触して使用される医療用機器の表面等に生体親和性を付与するためのコーティング剤等として広く使用されている。
【0007】
その他にも、鎖状エーテル構造や環状エーテル構造を側鎖部に含むことで生体親和性を示すポリマーとして、ビニルエーテル骨格を主鎖とするポリマー(特許文献3)、主にポリエチレン構造を主鎖とするポリマー(特許文献4)等が知られている。また、特許文献5には、複数単位の鎖状エーテル構造を側鎖部に有するポリマーが生体親和性を示す一方で、所定の条件で水溶性を示すことが記載されている。
【0008】
上記のような生体親和性を示すポリマーは、当該ポリマーに含水させ水和した際に、当該水和構造内に共通に「中間水」(freezing-bound water、intermediate water)と呼ばれる形態で水分子を含有することが明らかになっている。中間水は、氷点下の温度域において水分子の規則化/不規則化に伴う潜熱の移動を生じることによって特徴付けられ、物質表面に強く拘束される不凍水と、物質表面によって殆ど拘束を受けていない自由水に対して、その中間的な特性を示す状態の水分子として理解されている。上記水和構造内に中間水を生成するポリマーにおいては、その構造に応じた割合で中間水を生成し、生体親和性の発現に重要な役割を担っていると考えられている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0009】
また、特許文献6には、細胞の培養の際等に細胞が接触する基材等が中間水を含有することにより、一般の細胞培養基材と比較した際に細胞と基材間の接着の様式が変化し、良好な細胞培養が進展すると共に、幹細胞等の分化を促進する作用を示すことが記載されており、中間水の存在が細胞の生命活動等に関係することが示唆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平3-39309号公報
特開2004-357826号公報
特開2014-47347号公報
特開2014-82174号公報
国際公開第2004/087228号
特開2016-63801号公報
特開2009-46397号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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