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公開番号2024000654
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-09
出願番号2022099468
出願日2022-06-21
発明の名称スクロール型流体機械
出願人サンデン株式会社
代理人個人
主分類F04C 18/02 20060101AFI20231226BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】本件出願に係る発明は、アルミニウム材からなる固定スクロール及び可動スクロールを内部に備えるスクロール型流体機械を稼動させた際に、両スクロール体が高速且つ高負荷の環境に長時間晒されたとしても、スクロール体に焼き付き、摩耗、破損等の不具合が生じるおそれがないスクロール型流体機械を提供することを課題とする。
【解決手段】この課題を解決するために、本件出願に係る発明は、相対的に回転可能な一対のスクロール体の間に形成される空間で流体を圧縮又は膨張可能なスクロール型流体機械であって、当該スクロール体は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、スクロール体の表面には、厚さが0.3μm~10.0μmの陽極酸化被膜を施しており、当該陽極酸化被膜の表面には、樹脂被膜が備わることを特徴とするスクロール型流体機械を採用する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
相対的に回転可能な一対のスクロール体の間に形成される空間で流体を圧縮又は膨張可能なスクロール型流体機械であって、
当該スクロール体は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、スクロール体の表面には、厚さが0.3μm~10.0μmの陽極酸化被膜を施しており、当該陽極酸化被膜の表面には、樹脂被膜が備わることを特徴とするスクロール型流体機械。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記陽極酸化被膜は、表面の粗さRzが1.5μm~9.0μmである請求項1に記載のスクロール型流体機械。
【請求項3】
前記樹脂被膜の厚さは、5μm以上である請求項1又は請求項2に記載のスクロール型流体機械。
【請求項4】
前記スクロール体は、底板と当該底板の表面から突出する渦巻き状のラップとを有し、一方のスクロール体のラップ高さは、他方のスクロール体のラップ高さよりも低くなるように設計されている請求項1に記載のスクロール型流体機械。
【請求項5】
前記陽極酸化被膜及び前記樹脂被膜は、前記ラップ高さが低い方のスクロール体の表面に順に備わる請求項4に記載のスクロール型流体機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本件出願は、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、アルミニウム材ともいう)からなる一対のスクロール体の表面に陽極酸化被膜と樹脂被膜とを設けたスクロール型流体機械に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
流体機械の一種として、スクロール型流体機械が知られている。このスクロール型流体機械は、固定スクロール及び可動スクロールからなる一対のスクロール体をその内部に備え、固定スクロールに対して可動スクロールが旋回運動をすることにより、当該流体機械内に吸入した気体又は液体である流体の容積を圧縮又は膨張して、当該流体機械の外部へと吐出するものである。
【0003】
この一対のスクロール体は、流体機械を稼働すると互いに摺動して摺動面に摩擦熱が生じ、スクロール体同士が融着、凝着する等して、焼き付き等の不具合が生じる場合がある。そのため、摺動面の摩擦係数を下げる目的で、スクロール体の表面に潤滑油や樹脂被膜等を設けることが行われている。
【0004】
ところが、顧客が要求する品質が厳しいものであると、流体機械を稼動した際にスクロール体が高速且つ高負荷の環境に長時間晒される結果、樹脂被膜がスクロール体の表面から剥離する場合がある。このとき、スクロール体がアルミニウム材で構成されていると、鉄や銅と比較して、より低い温度で溶解、凝着が起こり得る。そして、樹脂被膜が剥離した部分においてスクロール体同士が凝着すると、流体機械が破損するおそれがある。
【0005】
特許文献1には、「一組のスクロール部材のうちの少なくとも一方の部材における渦巻き壁の表面を粗面化処理してフッ素系樹脂被膜を20~1000μmの厚さで形成した後、スクロール部材の渦巻き壁同士が噛み合う状態で圧接して偏心公転運動を行い、フッ素系樹脂被膜を所定の膜厚まで摺動摩耗させる容積形圧縮機用スクロール部材の製造方法」が開示されている。ここで、特許文献1に係るスクロール部材を構成する材料は、鋼材やアルミニウム材等の金属である。
【0006】
特許文献2には、「固定スクロール及び揺動スクロールの表面に二硫化モリブデン等の固形潤滑材を充填したアルマイト皮膜を形成すると共に、この皮膜を形成した何れか一方のスクロールの少なくとも一部に四フッ化樹脂系の合成樹脂材料を塗布したスクロール型無給油式流体機械」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平9-88851
特開平7-217562
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の発明で採用している粗面化処理の方法は、具体的にはブラスト法である。このブラスト法は、部材の表面を制御良く微細に粗面化する方法としては、不向きである。ブラスト法で粗面化したスクロール部材は、粗面化処理を行っていない構成金属の表面と比較して、表面粗さが大幅に増大する。そのため、粗面化した金属表面が露出せず、且つ概ね平坦な形状で当該表面上にフッ素系樹脂被膜を形成するには、フッ素系樹脂被膜の膜厚を過剰に大きくする必要があり、製品の製造コストが増加する。また、特許文献2では、固定スクロール及び揺動スクロールの両方の表面に固形潤滑材を充填したアルマイト皮膜を形成する必要があり、製品の製造に手間とコストがかかる。
【0009】
本件出願に係る発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる固定スクロール及び可動スクロールを内部に備えるスクロール型流体機械を、厳しい市場要求に基づき稼動させる場合に、両スクロール体が高速且つ高負荷の環境に長時間晒されたとしても、樹脂被膜が異常摩耗したり、スクロール体の表面から剥離する等してスクロール体に焼き付き、摩耗、破損等の不具合が生じるおそれがなく、また、製品の製造コストを抑制したスクロール型流体機械を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本件発明者は、鋭意研究の結果、以下の手段を採用することにより、上述の課題を解決するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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