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公開番号2023181033
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-21
出願番号2022104073
出願日2022-06-10
発明の名称放射能汚染水の処理方法
出願人個人
代理人
主分類G21F 9/06 20060101AFI20231214BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】汚染水の処理について問題を解消するために、汚染水からトリチウムを除去するトリチウム分離槽を提案する。
【解決手段】トリチウム分離槽は、胴板の外面にステンレス製パイプの半割をラセン状に巻き付けて溶接で取付け、冷却チラー水用の循環ラインを作っている。その冷却チラー水によって分離槽内の温度を2℃に保てる様に温度調節する。水の凍結温度(0℃)とトリチウム水の凍結温度(3.82℃)の温度差を利用してトリチウム水だけを凍らせる様にして、汚染水の中で凍結して浮遊しているトリチウム水だけを槽内残して水だけを抜き出すことで分離する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
本発明は放射能汚染水の処理に於いて、多核種除去処理設備(ALPU)で処理できなっかたトリチウム水(三重水素)を分離除去させる処理方法を考案した。
トリチウム水を汚染水から分離させて除去する方法は水の凍結温度(0℃)とトリチウム水の凍結温度(3.82℃)との温度差を利用して水温を2℃に温度調節して、汚染水の中からトリチウム水だけを凍結させ、水だけ抜き出すことによる分離方法である。
大容量の汚染水を一つのタンクに貯めてその水の温度を2℃にする温度調節は大変であり、それはタンクの製作技術と冷却設備を装備して、温度管理ができる技術が必要である。
この発明を実現させるために重要なことは、タンクの外面に冷却循環ラインを装備して、その上、保温対策が十分に出来ていることである。また、冷却チラー水に使用する冷却水(不凍液)の選定も重要な項目の一つである。
それは四季の気候の温度変化に対応するために、大容量のタンク内の水を常に2℃に保つにはマイナス温度の冷却チラー水で運転することもあり得る。よって、0℃以下で使用しても凍らない冷却水を必要とする。
また、マイナス温度の冷却チラー水を使用した時にタンク内の壁面に水が凍る恐れもあり、側面に沿って水流を起さすために先端を絞った水平エルボ形の短管を数ケ所取り付けて、大きな槽内を定期的にゆっくりと水流させて壁面凍結を防ぐ方法である。
これにより、槽内の水が混合し水温の冷却を早める効果もあり、そして槽内の水温を早く2℃に均一化できる効果もある。
図示したトリチウム分離槽の保温対策では、冷却設備を取付けた胴板部分だけを保温して、上部、下部の鏡板の部分を保温しないで置いたのは、トリチウム分離槽の冷却運転を止めて分離が出来た水を抜き出したあと、凍結したトリチウム水の自然解凍を少しでも早める役割を果たすことを期待したからである。
これらの冷却設備を装備して、しっかりと温度調節ができるトリチウム分離槽によって、汚染水からトリチウム水を分離除去させる技術を放射能汚染水の処理方法とする。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は東日本大震災で原子炉の事故により溶け落ちた核燃料(デブリ)などに地下水が触れて、放射能汚染水が発生した。その汚染水を多核種除去設備(ALPS)によって62種類の放射性物質を除去することができる様になったが、トリチウムだけが処理できず汚染水に残っている現状である。そのトリチウムを除去するための処理方法を考案した。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
国内のビールタンクの製作技術と美味しいビールを作るために重要な貯蔵温度(2℃)を冷却チラー水によって温度コントロールをされている。ビールの温度を2℃に保てる様に、温度管理を行っている貯蔵技術(発酵・熟成)を背景技術とした。
【0003】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
実際には汚染水処理ではトリチウム水(三重水素)の処理が国内外では実績がなく希釈水で薄めて海に放流する方法が一般的な考えのため特許文献の調査はできませんでした。
よって、汚染水タンク保管容量(500KL)と同容量のビールタンクの低温貯蔵方法(2℃)や私の特許第6579469号の原子炉の廃炉方法を参考技術とした。
【非特許文献】
【】
日本原子力研究開発機構のトリチウム分離に係る工業技術の資料を参考文献としました。
【発明の概要】
【0005】
放射能汚染水から放射能物質を除去する多核種除去処理設備(ALPS)によって処理された汚染水に於いて、どうしても除去できなかったトリチウム水をトリチウム分離槽に送水して、水の凍結温度(0℃)とトリチウム水(3.82℃)の温度差を利用して、その中間温度になる様に、トリチウム分離槽の温度を2℃に温度調節することによって、汚染水の中に存在するトリチウム水の凍結を促して氷塊として浮遊させて、凍結していない水のみを槽内から排出させる分離方法を考案した。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は放射能汚染水於いて、すでに放射能物質を除去するための技術は確立されており、それはALPS(アルプス)と呼称される多核種除去設備で62種類の放射性物質を除去することができる様になっている。しかしながら放射性物質の中でただ一つ水と成分が類似しているトリチウム(三重水素)だけが除去できな現状で困っている。
そしてトリチウムを処理出来ていない現状のまま、敷地内で満杯なった理由から汚染水を処分するために海洋放出が計画がされている。
その計画内容は、処理水中の放射性物質トリチウムの濃度が国の基準の40分の1未満となるよう大量の海水で薄め、新設する海底トンネルを通して沖合約1キロで放出する計画予定と令和4年5月19日に新聞に報じられた。
しかし全国漁業協同組合連合会は海洋放出に反対を続けており、汚染水からトリチウム水を除去することによって漁業者から消費者、近隣国に至るまで安全性と民心が安心、納得できる処理水を作る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
大容量の汚染水からトリチウム(三重水素)を除去する技術が国内ではいまだに確立せれていない現状であり、水の凍結温度(0℃)とトリチウム水の凍結温度(3.82℃)を利用してトリチウム水だけ凍結させて分離する方法等はペットボトル等を使って冷蔵庫によってすでに実験はされている。
しかしながら、事故を起こした原子力発電所で発生した汚染水の量は膨大であり、簡単な処理方法では到底解決できない現状であり、新しい工法で処理する技術が必要である。
よって、国内で37基の製作実績(500KLx35基と200KLx2基)の私が携わった経験があるビールタンクの製作技術と四季を通じて変化する外気温度に対応した冷却設備を備えたビールの貯蔵方法(発酵・熟成)で槽内温度を2℃に保つ温度コントロール技術を参のにして、トリチウム分離槽の製作が可能であることを立証したい。
そして、ビール(凍結温度ー2.2℃)は2℃でゆっくりと貯蔵(発酵・熟成)すればよいがトリチウム分離槽はトリチウムが凍結すれば直ちに水を排出させる必要があり、取り扱う方法は自ずから異なっている。
多量の水を2℃に冷却する為にはどうしてもマイナス0℃以下の温度の冷却チラー水を使用する必要があり、そのことによりトリチウム分離槽の壁面が凍結しない工夫が必要であり、それを解消するために水平エルボ形で先端を絞った水流用配管を設け、壁面に流動性を持たせる様に考えた。これらの対策を施したトリチウム分離槽を製作することにより、低温運転が可能となり、問題を解決出来る方法として考案した。
【0008】
この度、処理設備として採用した反応機の役割は、報道によれば浄化除去装置で処理しても放射性物質の全量は処理出来ずに極少量で残存している報じられた。よって反応機を使用すれば高温加熱ができる雄一の方法であり、その温度を150℃程度で運転すれば、ほとんどの放射性物質は水の蒸発に伴って蒸発させることが出来ると考えた。そして人体に一番害すると言われるセシウム等は沸点28.44℃であり、一般的に放射能は30℃前後から蒸発し始めることも知られている。よって加熱温度を高めて加熱・攪拌すれば2時間程度の運転で残存している放射性物質を除去できると考えている。その2時間運転での蒸発量は、例えば、反応機の容量(10m

)では2時間運転で容量の約1割りの蒸発量であり、残り9割の水量が処理水として放流できることになる。
その他の設置効果として、汚染水は長期間保管のため、雑菌(藻類含む)が繁殖していると考え、それらの雑菌を高温加熱で死滅させる目的もある。
【0009】
次にトリチウム分離槽の容量の大きさの決定も重要であり、例えば福島第1原子力発電所では屋外タンクが1000基以上も敷地内に林立していると報じられている。そして1日の汚染水の発生量が、現状170トンとも言われており、既存の汚染水と1日の発生量を考えれば相当悩ましい問題とも言える。そこで参考迄にトリチウム分離槽の容量について保有量500トン/基(直径6.2mx高さ20mH)であれば現地組み立てとなり、
保有量200トン/基(直径3.8mx高さ20mH)であれば工場製作が可能であり、海上輸送と陸上輸送(真夜中運行許可が必要)を併用すれば現地への輸送に問題がない。
また工場製作であれば短期間で完成出来るし、検査関係も容易にできる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
建屋側面機器配置図
トリチウム分離槽断面図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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