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公開番号2023070604
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-19
出願番号2021182902
出願日2021-11-09
発明の名称車両の制御装置
出願人ダイハツ工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 29/02 20060101AFI20230512BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ブレーキブースタに付設した電動ポンプが作動する期間をできる限り短縮する。
【解決手段】内燃機関、内燃機関の吸気通路におけるスロットルバルブの下流に発生する吸気負圧を蓄え負圧を利用してブレーキ踏力を倍力するブレーキブースタ、ブレーキブースタに負圧を補給する電動ポンプ、及び内燃機関からエンジントルクの供与を受けて稼働する補機が搭載された車両を制御するものであり、ブレーキブースタに蓄えている負圧が閾値を下回るとき、内燃機関と補機との間に介在するクラッチを切断しかつスロットルバルブの開度をより縮小して吸気負圧をブレーキブースタに供給し、また、運転者がブレーキペダルを踏んだ後その踏み込みを緩めまたはブレーキペダルから足を離したことを条件として、内燃機関と補機との間に介在するクラッチを切断しかつスロットルバルブの開度をより縮小して吸気負圧をブレーキブースタに供給する車両の制御装置を構成した。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
内燃機関、内燃機関の吸気通路におけるスロットルバルブの下流に発生する吸気負圧を蓄え負圧を利用してブレーキ踏力を倍力するブレーキブースタ、ブレーキブースタに負圧を補給する電動ポンプ、及び内燃機関からエンジントルクの供与を受けて稼働する補機が搭載された車両を制御するものであり、
ブレーキブースタに蓄えている負圧が閾値を下回るとき、内燃機関と補機との間に介在するクラッチを切断しかつスロットルバルブの開度をより縮小して吸気負圧をブレーキブースタに供給し、
また、運転者がブレーキペダルを踏んだ後その踏み込みを緩めまたはブレーキペダルから足を離したことを条件として、内燃機関と補機との間に介在するクラッチを切断しかつスロットルバルブの開度をより縮小して吸気負圧をブレーキブースタに供給する車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、動力源として内燃機関が搭載された車両を制御する制御装置に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
従来より、車両の制動時に必要となる操作力、即ちブレーキペダルの踏力を軽減する目的で、内燃機関の吸気通路におけるスロットルバルブの下流で発生する吸気負圧を利用して踏力を倍力する真空倍力式（バキューム式）のブレーキブースタが広く採用されている。この種のブレーキブースタは、吸気負圧を蓄える定圧室と、大気圧を導き入れる変圧室とを有している。運転者がブレーキペダルを踏んでいないときには、定圧室と変圧室とが連通し、かつ変圧室への大気圧の導入が遮断されている。運転者によりブレーキペダルが踏まれると、定圧室と変圧室とが遮断され、かつ変圧室に大気圧が導入されて、定圧室と変圧室との圧力差による倍力作用が営まれる。
【０００３】
車両に実装されている車室内空調用のエアコンディショナのコンプレッサは、内燃機関からエンジントルクの供給を受けて稼働し、冷媒を圧縮する。コンプレッサは、内燃機関にとっての補機であり、内燃機関から見れば機械的な負荷となる。コンプレッサを稼働させる際には、スロットルバルブの開度を拡大操作し、気筒に吸入される空気量及び燃料噴射量を増量する（以上、例えば下記特許文献を参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２０－０３３９５９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ブレーキブースタの定圧室に蓄えた負圧は、車両の運転者がブレーキペダルを踏みフットブレーキ装置を作動させると消費される。よって、ブレーキブースタの定圧室に適時に負圧を補充することが求められる。基本的には、内燃機関の吸気通路におけるスロットルバルブの下流で発生する吸気負圧を、ブレーキブースタに供給している（要するに、ブレーキブースタの定圧室から吸気通路に空気を吸い出す）。
【０００６】
だが、内燃機関を高負荷運転するべくスロットルバルブの開度を大きく開くと、吸気負圧を十分にブレーキブースタに供給できない。そこで、ブレーキブースタに電動のバキュームポンプを付設し、この電動ポンプを作動させてブレーキブースタに負圧を供給する（電動ポンプがブレーキブースタの定圧室から空気を吸い出す）ことが考えられる。
【０００７】
また、内燃機関に付随する補機、例えばエアコンディショナの冷媒圧縮用コンプレッサの稼働中は、エンジントルクをより増大させる必要から、スロットルバルブが拡開する。一方で、ブレーキブースタに蓄えた負圧が低減していると、車両の安定的な制動に支障を及ぼす可能性があるので、一時的に内燃機関と補機との間に介在するクラッチを切断し、スロットルバルブの開度を縮小して吸気負圧を確保することもある。
【０００８】
図７ないし図９に、従前のシステムによる制御の例を示している。ブレーキブースタに蓄えている負圧の大きさが閾値Ｎ
1
を下回ると（換言すれば、定圧室の圧力が当該閾値Ｎ
1
よりも高くなると）、電動ポンプを起動してこれによりブレーキブースタに負圧を供給する。その後、ブレーキブースタに蓄えている負圧の大きさが閾値Ｎ
2
に回復すると（定圧室の圧力が当該閾値Ｎ
2
よりも低くなると）、電動ポンプを停止する。
【０００９】
並びに、ブレーキブースタに蓄えている負圧の大きさが閾値Ｎ
3
を下回ると（定圧室の圧力が当該閾値Ｎ
3
よりも高まると）、内燃機関と補機との間のクラッチを切断して補機の稼働を一時的に停止し、スロットルバルブの開度を縮小する。その後、ブレーキブースタに蓄えている負圧の大きさが閾値Ｎ
4
に回復する（定圧室の圧力が当該閾値Ｎ
4
よりも低くなる）か、クラッチを切断してから所定時間が経過すると、クラッチを再接続して補機の稼働を再開し、スロットルバルブの開度を拡大する。
【００１０】
図７は、車両の運転者が強くブレーキペダルを踏み込み、フットブレーキ装置により速やかに車両を制動しようとするケースである。ブレーキブースタに蓄えている負圧が急速に消費されることから、電動ポンプが作動するとともに、内燃機関と補機との間に介在するクラッチが一時切断され、これらによりブレーキブースタに対し負圧が補給される。
（【００１１】以降は省略されています）

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