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公開番号2025179538
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-10
出願番号2024086366
出願日2024-05-28
発明の名称ガスバリア紙
出願人北越コーポレーション株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類D21H 21/14 20060101AFI20251203BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】本発明は、プラスチックの使用量を低減でき、カールやシワが少なく後加工適性の優れた酸素バリア性を有するガスバリア紙を提供することを課題とする。
【解決手段】紙基材、アンダー層、およびガスバリア層を含むガスバリア紙であって、紙基材とガスバリア層の間にアンダー層を含み、前記ガスバリア層がオクテニルコハク酸エステル化澱粉を含み、前記アンダー層に重質炭酸カルシウムとスチレンブタジエン系共重合ラテックスを含み、前記重質炭酸カルシウムがアンダー層中の顔料のうち20質量%以上含まれることを特徴とするガスバリア紙に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
紙基材、アンダー層、およびガスバリア層を含むガスバリア紙であって、
紙基材とガスバリア層の間にアンダー層を含み、
前記ガスバリア層がオクテニルコハク酸エステル化澱粉を含み、前記アンダー層に重質炭酸カルシウムとスチレンブタジエン系共重合ラテックスを含み、前記重質炭酸カルシウムがアンダー層中の顔料のうち20質量%以上含まれることを特徴とする、ガスバリア紙。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記ガスバリア層の90質量%以上がオクテニルコハク酸エステル化澱粉で構成される、請求項1に記載のガスバリア紙。
【請求項3】
前記ガスバリア層の塗工量が、乾燥塗工量で0.3~20g/m
2
の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載のガスバリア紙。
【請求項4】
前記紙基材および前記アンダー層に有機顔料を含まないことを特徴とする、請求項1または2に記載のガスバリア紙。
【請求項5】
少なくとも一方の面の最表面にヒートシール層を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のガスバリア紙。
【請求項6】
前記ヒートシール層にポリオレフィンまたはアイオノマーを含むことを特徴とする、請求項5に記載のガスバリア紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックの使用量を低減したガスバリア紙に関する。また、カールやシワが少なく後加工適性の優れた酸素バリア性を有するガスバリア紙に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックゴミ問題が深刻化している。世界のプラスチックの生産量は4億トン/年を超えると言われ、その中でも包装容器セクターでのプラスチック生産量が多く、プラスチックゴミの原因になっている。プラスチックは半永久的に分解せず、そのゴミは自然環境下でマイクロプラスチック化し、生態系に深刻な悪影響を与えている。特に海洋の汚染は著しく、そのプラスチックゴミは回収不可能と言われている。今後、プラスチックの使用を低減することが地球環境にとって必要である。
【0003】
包装容器において、酸素や水蒸気、水、油を遮断するバリア性能は重要な性能である。特に、食品の変色や菌の増殖、におい移りを防止するため様々な食品用途の包装容器において、酸素バリア性は不可欠なものである。酸素バリア性を達成するために、包装材料に酸素透過性の低いプラスチック、例えばナイロン(NY)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンビニルアルコール(EVOH)等が使用されてきた。包装用紙として食品用途等で使用される酸素バリアフィルムは、ほとんどが多層構造であり、少なくとも基材層、酸素バリア性のあるガスバリア層、ヒートシール層の3層構造となる。多層構造の例として、真空包装ではPET/EVOH/ポリエチレン(PE)の3層構造、レトルト食品包装ではPET/アルミ箔/NY/ポリプロピレン(PP)の4層構造、などが挙げられる。これらの酸素バリアフィルムは、多層構造ゆえに薄肉化が難しく、プラスチックの使用量は、商品コンセプトによって様々だが、概ね100g/m
2
以上、少なくとも50g/m
2
以上となることが多い(特許文献1、2参照)。酸素バリアフィルムのような多層構造フィルムにおいてもプラスチック使用量の低減が求められている。
【0004】
プラスチックの使用量を低減するための対策手段として、紙でプラスチックを代替することが提案されている。このような包装用紙として特許文献3は、紙基材上に顔料およびバインダー樹脂を含有する水蒸気バリア層、および水蒸気バリア層上にポリビニルアルコールを含有するガスバリア層を設ける、という構成にすることで、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料を提供する提案がある。このような包装材料の場合、ガスバリア層に使われるポリビニルアルコール(以降、「PVA」と略称する場合がある)は溶解液の粘度が高いため、製造工程でPVAを含む塗工液を作成する際には粘度を抑えるために、液中のPVAの含有比率を下げる、つまり液の固形分を低く設定する必要がある。しかしながら、固形分の低い塗工液でガスバリア層を形成すると乾燥工程で紙基材のパルプの収縮が大きくなることで紙基材にカールやシワが発生しやすく、ヒートシール層の付与や印刷、製袋、成型工程等のいわゆる後加工工程の中で、特に搬送性が悪化する傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-71036号公報
特許第7373682号公報
特許第6236329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、プラスチックの使用量を低減でき、カールやシワが少なく後加工適性の優れた酸素バリア性を有するガスバリア紙に関する。
【0007】
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来のガスバリア紙の後加工適性を改善するために、本発明のガスバリア紙は、紙基材、アンダー層、およびガスバリア層を含み、紙基材とガスバリア層の間にアンダー層を含み、前記ガスバリア層がオクテニルコハク酸エステル化澱粉を含むことを特徴とする。前記ガスバリア層に含まれるオクテニルコハク酸エステル化澱粉は天然多糖類であり、従来のNY、PETなどのプラスチックを主体としたガスバリア層と比べてプラスチック使用量を削減できるほか、溶解液の粘度が低いため、製造工程で用いるガスバリア層用塗工液の固形分を低くすることなく、乾燥工程で紙基材にカールやシワの発生を抑制することができる。また、ガスバリア層がオクテニルコハク酸エステル化澱粉を含むことで良好な酸素バリア性を得ることができるほか、ガスバリア紙の耐光性に優れ、紙の黄変も抑制することができる(以降、紙の黄変を抑制することを「耐光性」と表現する場合がある)。
【0009】
さらに、本発明においては、前記アンダー層に重質炭酸カルシウムとスチレンブタジエン系共重合ラテックスを含み、前記重質炭酸カルシウムがアンダー層中の顔料のうち20質量%以上含まれることを特徴とする。重質炭酸カルシウムとスチレンブタジエン系共重合ラテックスを含むことで、ガスバリア層用塗工液が紙基材に浸透することを防ぐ目止め効果が生じるので、少ない塗工量の樹脂コーティング層でも欠点の少ないバリア膜が形成できる。また、前記重質炭酸カルシウムをアンダー層中の顔料のうち20質量%以上とすることで、アンダー層表面に微細な凹凸が、アンダー層内に空隙が生まれ、この凹凸や空隙にガスバリア層用塗工液が入り込むことでアンダー層とガスバリア層間の層間強度が強くなる。
【0010】
本発明においては、前記ガスバリア層の90質量%以上がオクテニルコハク酸エステル化澱粉で構成されることが好ましい。このような構成とすることで、酸素バリア性にさらに優れたガスバリア紙を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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