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公開番号
2025177285
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2024083956
出願日
2024-05-23
発明の名称
積層磁石及びモーター
出願人
日本特殊陶業株式会社
,
NDFEB株式会社
,
株式会社エフ・シー・シー
代理人
弁理士法人グランダム特許事務所
主分類
H01F
7/02 20060101AFI20251128BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】配向度の低下(残留磁束密度Brの低下)を抑制しつつ、内部に発生する渦電流損失を低減する。
【解決手段】無機結晶14が含有された絶縁接合層13を介して、複数の板磁石11が、積層された積層磁石10である。隣接する2つの板磁石11,11は、絶縁接合層13によって分断されることで、相互に非接触状態とされる。
板磁石11は希土類元素を含む。絶縁接合層13の厚みTの最大値と最小値の差は、10μm以下である。
【選択図】図8
特許請求の範囲
【請求項1】
無機結晶が含有された絶縁接合層を介して、複数の板磁石が、積層された積層磁石であって、
隣接する2つの前記板磁石は、前記絶縁接合層によって分断されることで、相互に非接触状態とされ、
前記板磁石は希土類元素を含み、
前記絶縁接合層の厚みの最大値と最小値の差は、10μm以下である、積層磁石。
続きを表示(約 380 文字)
【請求項2】
前記無機結晶は、周期表第2A族フッ化物、及び軽希土類酸化物からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載の積層磁石。
【請求項3】
前記板磁石はNd
2
Fe
14
Bを主相とし、
前記板磁石の厚みは0.5mm以上4.0mm以下であり、
前記積層磁石の重心を通り積層方向に延びる仮想直線をとり、前記仮想直線を含む仮想平面で、前記積層磁石の断面積が最も大きくなるように切断した断面を観察した場合に、
前記板磁石と前記絶縁接合層との界面から前記板磁石側の深さ10μmまでの範囲には、前記主相よりもNd含有量が多いNdリッチ相が存在している、請求項1又は請求項2に記載の積層磁石。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の積層磁石を有する、モーター。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層磁石及びモーターに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、磁石素体の表面に形成された抵抗層を備える希土類磁石を開示する。そして、複数の希土類磁石が積層され、樹脂でモールドされて用いられる積層磁石が示されている。
また、渦電流損失を低減することを目的として、種々の磁石が提案されている(例えば、特許文献2-4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-174962号公報
特開2013-219911号公報
特開2007-157903号公報
特開2003-164083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、積層磁石には種々の要求がある。例えば、磁石の一般的な組成範囲において、配向度の低下(残留磁束密度Brの低下)を抑制しつつ、内部に発生する渦電流損失を低減できる新規な積層磁石が望まれている。
本開示は、上記実情を鑑みてなされたものであり、磁石の一般的な組成範囲において、配向度の低下(残留磁束密度Brの低下)を抑制しつつ、内部に発生する渦電流損失を低減することを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔1〕 無機結晶が含有された絶縁接合層を介して、複数の板磁石が、積層された積層磁石であって、
隣接する2つの前記板磁石は、前記絶縁接合層によって分断されることで、相互に非接触状態とされ、
前記板磁石は希土類元素を含み、
前記絶縁接合層の厚みの最大値と最小値の差は、10μm以下である、積層磁石。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、磁石の一般的な組成範囲において、配向度の低下(残留磁束密度Brのバラツキ)を抑制しつつ、内部に発生する渦電流損失を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
積層磁石の一例を模式的に表す斜視図である。
積層磁石の上面図である。
図2の積層磁石を仮想平面で切断した断面図である。
板磁石と絶縁接合層の界面付近を拡大して示す拡大図である。
積層磁石の他の例2を模式的に表す斜視図である。
積層磁石の他の例2の上面図である。
図6の積層磁石を仮想平面で切断した断面図である。
絶縁接合層の厚みを示す断面図である。
絶縁接合層の厚みを示す断面図である。
厚みTの測定対象たる絶縁接合層を説明する断面図である。
モーターの一部を模式的に表す断面図である。
ローターの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで、本開示の望ましい例を示す。
〔2〕
前記無機結晶は、周期表第2A族フッ化物、及び軽希土類酸化物からなる群より選ばれる1種以上である、〔1〕に記載の積層磁石。
〔3〕
前記板磁石はNd
2
Fe
14
Bを主相とし、
前記板磁石の厚みは0.5mm以上4.0mm以下であり、
前記積層磁石の重心を通り積層方向に延びる仮想直線をとり、前記仮想直線を含む仮想平面で、前記積層磁石の断面積が最も大きくなるように切断した断面を観察した場合に、
前記板磁石と前記絶縁接合層との界面から前記板磁石側の深さ10μmまでの範囲には、前記主相よりもNd含有量が多いNdリッチ相が存在している、〔1〕又は〔2〕に記載の積層磁石。
〔4〕
〔1〕-〔3〕のいずれか記載の積層磁石を有する、モーター。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。また、本明細書において、各数値範囲の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。以下、各図におけるZ軸方向は、複数の板磁石11の並び方向(積層方向)である。Z軸方向と直交する一の方向をX軸方向(横方向とも称する)とし、Z軸方向及びX軸方向と直交する方向をY軸方向(縦方向とも称する)とする。
なお、いずれの図面も開示内容を説明するための概念図であり、実際の寸法を正確に示したものではない。
【0009】
1.積層磁石10
積層磁石10は、無機結晶が含有された絶縁接合層13を介して、複数の板磁石11が、積層されている。隣接する2つの板磁石11は、絶縁接合層13によって分断されることで、相互に非接触状態とされている。
【0010】
(1)板磁石11
板磁石11は希土類元素を含み、板磁石11全体を100質量%とした場合に、
総希土類元素量は、28.50質量%以上31.75質量%以下、
Co(コバルト)の含有量は、0.80質量%以上1.00質量%以下、
Cu(銅)の含有量は、0.02質量%以上0.18質量%以下、
Al(アルミニウム)の含有量は、0.12質量%以上0.28質量%以下、
Ga(ガリウム)の合計含有量は、0.15質量%以上0.25質量%以下、
B(ホウ素)の含有量は、0.92質量%以上1.02質量%以下であり、
残部はFe(鉄)及び不可避的不純物からなることが好ましい。
絶縁接合層13の厚みTの最大値と最小値の差は、10μm以下である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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