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公開番号2025177251
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024083899
出願日2024-05-23
発明の名称溶融金属めっき鋼帯の製造方法及びガスワイピング装置
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C23C 2/20 20060101AFI20251128BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】ワイピングノズル先端までの圧損が変化したとしてもワイピングガスの吹付け圧力を容易に制御できる溶融金属めっき鋼帯の製造方法を提供する。
【解決手段】溶融金属めっき浴に浸漬させた鋼帯の表面に、鋼帯を挟んでその両面に対向して配置された一対のワイピングノズルからワイピングガスを吹付けて溶融金属めっきの付着量を制御する溶融金属めっき鋼帯の製造方法であって、一対のワイピングノズルの間であって、鋼帯の幅方向の端部の外側に設置された圧力計を用いて、一対のワイピングノズルから吹付けられるワイピングガスの吹付け圧力を測定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
溶融金属めっき浴に浸漬させた鋼帯の表面及び裏面に、前記鋼帯を挟んで前記鋼帯の表面及び裏面に対向して配置された一対のワイピングノズルからワイピングガスを吹付けて溶融金属めっきの付着量を制御する溶融金属めっき鋼帯の製造方法であって、
前記一対のワイピングノズルの間であって、前記鋼帯の幅方向の端部の外側に設置された圧力計を用いて、前記一対のワイピングノズルから吹付けられるワイピングガスの吹付け圧力を測定する、溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
続きを表示（約 880 文字）【請求項２】
前記鋼帯の通板中に前記ワイピングガスの吹付け圧力を測定する、請求項１に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
【請求項３】
前記ワイピングガスの吹付け圧力が予め定められた範囲内になるように、前記ワイピングノズルへのワイピングガスの供給圧力を調整する、請求項１又は請求項２に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
【請求項４】
前記圧力計は、板状であって、下方の表面及び裏面が下方に向かって板厚が薄くなるように傾斜している、請求項１又は請求項２に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
【請求項５】
前記圧力計は、板状であって、下方の表面及び裏面が下方に向かって板厚が薄くなるように傾斜している、請求項３に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
【請求項６】
溶融金属めっき浴に浸漬させた鋼帯にワイピングガスを吹付けて溶融金属めっきの付着量を制御するガスワイピング装置であって、
前記鋼帯を挟んで前記鋼帯の表面及び裏面に対向して配置され、前記表面及び裏面にワイピングガスを吹付ける一対のワイピングノズルと、
前記一対のワイピングノズルの間であって、前記鋼帯の幅方向の端部の外側に設置され、前記ワイピングガスの吹付け圧力を測定する圧力計と、
を有する、ガスワイピング装置。
【請求項７】
前記ワイピングガスの吹付け圧力を制御する制御装置をさらに有し、
前記制御装置は、前記圧力計で測定される前記吹付け圧力が予め定められた範囲内になるように前記ワイピングノズルへの供給圧力を調整する、請求項６に記載のガスワイピング装置。
【請求項８】
前記圧力計は、板状部と、表面及び裏面が下方に向かって板厚が薄くなるように傾斜した傾斜部と、ワイピングガスの圧力を測定するセンサー部とを有し、
前記傾斜部は前記板状部の下方に設けられ、前記センサー部は板状部の表面及び裏面に設けられる、請求項６又は請求項７に記載のガスワイピング装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、溶融金属めっき鋼帯の製造において、ワイピングノズルからの吹付け圧力を測定し、当該鋼帯の表面及び裏面に付着する溶融金属めっきの付着量を制御する溶融金属めっき鋼帯の製造方法及びガスワイピング装置に関する。
続きを表示（約 2,500 文字）【背景技術】
【０００２】
融金属めっき鋼帯の製造ラインでは、溶融金属が収容されためっき浴に鋼帯を浸漬させ、当該鋼帯に溶融金属を付着させる。その後、鋼帯は、シンクロールで方向転換した後、鉛直上方に引き上げられる。溶融金属が付着した鋼帯は、当該鋼帯を挟んで対向して配置された一対のワイピングノズルから、ガスを鋼帯表面に吹付けて余剰な溶融金属を払拭させ、鋼帯の溶融金属めっきの付着量が制御される。
【０００３】
溶融金属めっきの付着量は、ワイピングノズル先端と鋼帯表面との距離Ｌとワイピングノズルから吹付けるガスの圧力Ｐで決まる。ワイピングノズル先端と鋼帯表面との距離Ｌを制御する技術として、特許文献１には、非接触位置センサーと電磁石とを用いて距離Ｌを聖書する金属帯の非接触制御装置が開示されている。特許文献１によれば、電磁石の磁力を調整することで、距離Ｌが目標とする距離になるように制御できるとしている。
【０００４】
ワイピングノズルから吹付けるガスの圧力Ｐを制御する技術として、特許文献２には、ワイピングノズルに接続される配管の（一次）圧力を検出して制御する技術が開示されている。特許文献３には、ワイピングノズル内に圧力計を設置して、ワイピングノズル内の圧力の変動を検知して、当該変動を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１５－１６０９５９号公報
特開２０１８－２０４０５５号公報
特開平０５－１７１３９４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
溶融金属めっきの付着量を鋼帯の長手方向に制御するには、鋼帯の搬送速度及び連続して通板される鋼帯の幅や板厚に対応して、ワイピングノズル先端と鋼帯表面との距離Ｌと、鋼帯表面に吹付けるガスの圧力Ｐとを適切に制御する必要がある。ワイピングノズル先端と鋼帯表面との距離Ｌは、特許文献１に開示されているように、鋼帯通板中に鋼帯の搬送速度、鋼帯の幅や板厚に対応して電磁石の磁力を調整することで制御できる。
【０００７】
一方、鋼帯表面に吹付けるガスの圧力Ｐは、特許文献２又は特許文献３に開示された技術のように、ワイピングノズルにワイピングガスを供給する配管の圧力やワイピングノズル内部の圧力を測定し、これら圧力に基づいて制御されている。しかしながら、実際にワイピングガスの吹付け圧力を測定していないので、錆びや塵によって配管途中やワイピングノズル内部の一部が詰まってワイピングノズル先端までの圧損が変化するとワイピングガスの吹付け圧力の制御が困難になる、という課題があった。
【０００８】
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされた発明であり、その目的は、ワイピングノズル先端までの圧損が変化したとしてもワイピングガスの吹付け圧力を容易に制御できる溶融金属めっき鋼帯の製造方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、当該溶融金属めっき鋼帯の製造方法に用いられるガスワイピング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
［１］溶融金属めっき浴に浸漬させた鋼帯の表面及び裏面に、前記鋼帯を挟んで前記鋼帯の表面及び裏面に対向して配置された一対のワイピングノズルからワイピングガスを吹付けて溶融金属めっきの付着量を制御する溶融金属めっき鋼帯の製造方法であって、前記一対のワイピングノズルの間であって、前記鋼帯の幅方向の端部の外側に設置された圧力計を用いて、前記一対のワイピングノズルから吹付けられるワイピングガスの吹付け圧力を測定する、溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
［２］前記鋼帯の通板中に前記ワイピングガスの吹付け圧力を測定する、［１］に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
［３］前記ワイピングガスの吹付け圧力が予め定められた範囲内になるように、前記ワイピングノズルへのワイピングガスの供給圧力を調整する、［１］又は［２］に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
［４］前記圧力計は、板状であって、下方の表面及び裏面が下方に向かって板厚が薄くなるように傾斜している、［１］から［３］のいずれかに記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
［５］溶融金属めっき浴に浸漬させた鋼帯にワイピングガスを吹付けて溶融金属めっきの付着量を制御するガスワイピング装置であって、前記鋼帯を挟んで前記鋼帯の表面及び裏面に対向して配置され、前記表面及び裏面にワイピングガスを吹付ける一対のワイピングノズルと、前記一対のワイピングノズルの間であって、前記鋼帯の幅方向の端部の外側に設置され、前記ワイピングガスの吹付け圧力を測定する圧力計と、を有する、ガスワイピング装置。
［６］前記ワイピングガスの吹付け圧力を制御する制御装置をさらに有し、前記制御装置は、前記圧力計で測定される前記吹付け圧力が予め定められた範囲内になるように前記ワイピングノズルへの供給圧力を調整する、［５］に記載のガスワイピング装置。
［７］前記圧力計は、板状部と、表面及び裏面が下方に向かって板厚が薄くなるように傾斜した傾斜部と、ワイピングガスの圧力を測定するセンサー部とを有し、前記傾斜部は前記板状部の下方に設けられ、前記センサー部は板状部の表面及び裏面に設けられる、［５］又は［６］に記載のガスワイピング装置。
【発明の効果】
【００１０】
本発明に係る溶融金属めっき鋼帯の製造方法では、鋼帯の位置でワイピングガスの吹付け圧力を測定するので、ワイピングノズル先端までの圧損が変化したとしても、当該ワイピングガスの吹付け圧力を容易に制御できるようになる。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

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