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公開番号2025171596
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2024077105
出願日2024-05-10
発明の名称生理活性物質顆粒の製造方法およびポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法
出願人フロイント産業株式会社
代理人個人,個人
主分類A61K 9/16 20060101AFI20251113BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】被覆対象が、粒径が小さい粒子の場合であっても、被覆に要する時間を短縮できる、生理活性物質顆粒の製造方法およびポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法を提供すること。
【解決手段】核粒子の表面に、生理活性物質を含むレイヤリング層を有する生理活性物質顆粒の製造方法であって、平均粒子径が200μm以下の核粒子に結合液を噴霧し、前記核粒子を湿潤させる湿潤工程と、湿潤させた前記核粒子と、生理活性物質粉末とを含む原料に結合液を噴霧し、造粒する造粒工程とを含み、前記湿潤工程における加水量が、前記核粒子の塑性限界(PL)値に対して、5~55%となる量である生理活性物質顆粒の製造方法である。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
核粒子の表面に、生理活性物質を含むレイヤリング層を有する生理活性物質顆粒の製造方法であって、
平均粒子径が200μm以下の核粒子に結合液を噴霧し、前記核粒子を湿潤させる湿潤工程と、
湿潤させた前記核粒子と、生理活性物質粉末とを含む原料に結合液を噴霧し、造粒する造粒工程とを含み、
前記湿潤工程における加水量が、前記核粒子の塑性限界(PL)値に対して、5~55%となる量であることを特徴とする生理活性物質顆粒の製造方法。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
高速攪拌造粒装置又は遠心転動造粒コーティング装置を用いて製造される請求項1に記載の生理活性物質顆粒の製造方法。
【請求項3】
前記造粒工程が、湿潤させた前記核粒子と、前記生理活性物質粉末とを含む原料を混合する混合処理と、
前記混合処理の後に、前記原料に前記結合液を噴霧し、造粒する造粒処理とを含む請求項1又は2に記載の生理活性物質顆粒の製造方法。
【請求項4】
前記混合処理と前記造粒処理とを繰り返し行う請求項3に記載の生理活性物質顆粒の製造方法。
【請求項5】
生理活性物質顆粒の表面がポリマーで被覆されたポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法であって、
請求項1又は2に記載の生理活性物質顆粒の製造方法で得られた生理活性物質顆粒に可塑剤含有液を噴霧し、前記生理活性物質顆粒を湿潤させる湿潤工程と、
湿潤させた前記生理活性物質顆粒と、ポリマー粉末とを含む原料に可塑剤含有液を噴霧し、造粒する造粒工程と、
前記造粒工程の後に、造粒物をキュアリングするキュアリング工程とを含み、
前記湿潤工程における加水量が、前記生理活性物質顆粒の塑性限界(PL)値に対して、5~55%となる量であることを特徴とするポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法。
【請求項6】
高速攪拌造粒装置又は遠心転動造粒コーティング装置を用いて製造される請求項5に記載のポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法。
【請求項7】
前記造粒工程が、湿潤させた前記生理活性物質顆粒と、前記ポリマー粉末とを含む原料を混合する混合処理と、
前記混合処理の後に、前記原料に前記可塑剤含有液を噴霧し、造粒する造粒処理とを含む請求項5に記載のポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法。
【請求項8】
前記混合処理と前記造粒処理とを繰り返し行う請求項7に記載のポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生理活性物質顆粒の製造方法およびポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
医薬品製剤では、高齢者や小さな子供、嚥下が困難な患者のために、口の中で速やかに溶けて服用できる口腔内崩壊錠の利用が増えてきている。口腔内崩壊錠は、生理活性物質の苦みを押さえながら崩壊速度をコントロールするために、核粒子の表面に、薬物等の生理活性物質を含む層を有する生理活性物質顆粒を賦形剤や添加剤と共に打錠して製造されている。生理活性物質顆粒には、口腔内崩壊錠が口腔内で崩壊した際に、口腔内で壊れないような硬度や、口腔内でざらつかないような粒径の小ささも求められている。また、この様な生理活性物質顆粒は、口腔内崩壊錠以外にも、顆粒剤や懸濁剤としても利用可能である。そのような生理活性物質顆粒の製造方法は、一般に、核粒子に生理活性物質を含む溶液又は懸濁液をスプレーするスプレーコーティングにより製造される。スプレーコーティングによるコーティングでは、核粒子の粒径が小さいと製造時間が長くなってしまうという問題がある。そのため、製造コスト等の観点から、製造時間を短縮することが望まれている。
【0003】
核粒子へ生理活性物質を被覆する技術としては、例えば、溶媒や結合剤を用いることなく、薬物結晶と添加剤球形粒の単純混合操作によって薬物球形粒子を製造したことが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、溶媒または水を使用せず、液状の可塑剤を噴霧しながら、同時に約5μmに微粉砕された腸溶性コーティング基剤を直接塗布することにより、コーティングを施す方法が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Keita Kondo, Mizuki Kato, Toshiyuki Niwa、Solventless-mixing layering using a high shear mixer for preparing drug pellets: A feasibility study using acetaminophen、Advanced Powder Technology、Volume 32、 Issue 10、 October 2021、 Pages 3624-3634
Naosuke MARUYAMA, Yuuichi NISHIYAMA, Hiroyasu KOKUBO, Enteric Dry Coating with Micronized Polymeric Powder、J. Soc. Powder Technol., Japan, 35, 443-446(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1には、完全な乾式によるレイヤリング法が記載されているものの、製造時間を十分に短縮できるとはいえないという課題がある。また、放出制御を目的としたポリマーのレイヤリングは行っていない。
非特許文献2の技術は、600~850μmの大きさの素顆粒を用いたものであり、粒径が小さい粒子に対する被覆ではない。
したがって、被覆対象が、粒径が小さい粒子の場合であっても、被覆に要する時間を短縮できる技術の開発が強く求められている。
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、被覆対象が、粒径が小さい粒子の場合であっても、被覆に要する時間を短縮できる、生理活性物質顆粒の製造方法およびポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、平均粒子径が200μm以下の核粒子に結合液を噴霧し、前記核粒子を湿潤させる湿潤工程と、湿潤させた前記核粒子と、生理活性物質粉末とを含む原料に結合液を噴霧し、造粒する造粒工程とを含み、前記湿潤工程における加水量を、前記核粒子の塑性限界(PL)値に対して、5~55%となる量とすることで、核粒子の表面に、生理活性物質を含むレイヤリング層を被覆する時間を短時間とすることができること;前記生理活性物質顆粒に可塑剤含有液を噴霧し、前記生理活性物質顆粒を湿潤させる湿潤工程と、湿潤させた前記生理活性物質顆粒と、ポリマー粉末とを含む原料に可塑剤含有液を噴霧し、造粒する造粒工程と、前記造粒工程の後に、造粒物をキュアリングするキュアリング工程とを含み、前記湿潤工程における加水量を、前記生理活性物質顆粒の塑性限界(PL)値に対して、5~55%となる量とすることで、生理活性物質顆粒の表面に、ポリマーを被覆する時間を短時間とすることができることを知見した。
【0009】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 核粒子の表面に、生理活性物質を含むレイヤリング層を有する生理活性物質顆粒の製造方法であって、
平均粒子径が200μm以下の核粒子に結合液を噴霧し、前記核粒子を湿潤させる湿潤工程と、
湿潤させた前記核粒子と、生理活性物質粉末とを含む原料に結合液を噴霧し、造粒する造粒工程とを含み、
前記湿潤工程における加水量が、前記核粒子の塑性限界(PL)値に対して、5~55%となる量であることを特徴とする生理活性物質顆粒の製造方法である。
<2> 高速攪拌造粒装置又は遠心転動造粒コーティング装置を用いて製造される前記<1>に記載の生理活性物質顆粒の製造方法である。
<3> 前記造粒工程が、湿潤させた前記核粒子と、前記生理活性物質粉末とを含む原料を混合する混合処理と、
前記混合処理の後に、前記原料に前記結合液を噴霧し、造粒する造粒処理とを含む前記<1>又は<2>に記載の生理活性物質顆粒の製造方法である。
<4> 前記混合処理と前記造粒処理とを繰り返し行う前記<3>に記載の生理活性物質顆粒の製造方法である。
<5> 生理活性物質顆粒の表面がポリマーで被覆されたポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法であって、
前記<1>から<4>のいずれかに記載の生理活性物質顆粒の製造方法で得られた生理活性物質顆粒に可塑剤含有液を噴霧し、前記生理活性物質顆粒を湿潤させる湿潤工程と、
湿潤させた前記生理活性物質顆粒と、ポリマー粉末とを含む原料に可塑剤含有液を噴霧し、造粒する造粒工程と、
前記造粒工程の後に、造粒物をキュアリングするキュアリング工程とを含み、
前記湿潤工程における加水量が、前記生理活性物質顆粒の塑性限界(PL)値に対して、5~55%となる量であることを特徴とするポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法である。
<6> 高速攪拌造粒装置又は遠心転動造粒コーティング装置を用いて製造される前記<5>に記載のポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法である。
<7> 前記造粒工程が、湿潤させた前記生理活性物質顆粒と、前記ポリマー粉末とを含む原料を混合する混合処理と、
前記混合処理の後に、前記原料に前記可塑剤含有液を噴霧し、造粒する造粒処理とを含む前記<5>又は<6>に記載のポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法である。
<8> 前記混合処理と前記造粒処理とを繰り返し行う前記<7>に記載のポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、被覆対象が、粒径が小さい粒子の場合であっても、被覆に要する時間を短縮できる、生理活性物質顆粒の製造方法およびポリマー被覆生理活性物質顆粒の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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