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公開番号2025171509
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2024076935
出願日2024-05-10
発明の名称転がり軸受
出願人FYH株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類F16C 33/78 20060101AFI20251113BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】防塵・防水・密封性能が高く、しかも内輪との摩擦による回転性能の低下が少ない転がり軸受、特に、インサート軸受に適した転がり軸受を提供する。
【解決手段】内輪2および外輪3と、これら内輪2および外輪3の間に介在する複数の転動体4とを有し、内輪2および外輪3の間に形成される環状空間S1を密封するシール構造5を備えている。シール構造5は、環状空間S1の軸方向端部を密封する第1シール部材7と、第1シール部材7の軸方向外側に配置されるスリンガ9を有する第2シール部材8とから構成される。第1シール部材7は、外輪3の内周面に装着され、内輪2の外周面に接触する第1および第2リップ部11b,11cと、スリンガ9の内側面に接触する第3リップ部11dとを有し、第2シール部材8は、スリンガ9の外周端部に備えられ、外輪3の軸方向端部に接触する第4リップ部12aを有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
内輪および外輪と、これら内輪および外輪の間に介在する複数の転動体とを有し、前記内輪および外輪の間に形成される環状空間を密封するシール構造を備えた転がり軸受であって、
前記シール構造は、前記環状空間の軸方向端部を密封する第１シール部材と、前記第１シール部材の軸方向外側に配置されるスリンガを有する第２シール部材とからなり、
前記第１シール部材は、前記外輪の内周面に装着され、前記内輪の外周面に接触する第１および第２リップ部と、前記スリンガの内側面に接触する第３リップ部とを有し、
前記第２シール部材は、前記スリンガの外周端部に備えられ、前記外輪の軸方向端部に接触する第４リップ部を有する
ことを特徴とする転がり軸受。
続きを表示（約 440 文字）【請求項２】
前記第１シール部材は、環状の金属製芯材を有し、この金属製芯材に弾性体からなる前記第１、第２および第３リップ部が形成されている
ことを特徴とする請求項１に記載の転がり軸受。
【請求項３】
前記第１リップ部は、前記金属製芯材の内周端部から軸方向内側に向かって延設されて前記内輪の外周面と接触し、
前記第２リップ部は、前記金属製芯材の内周端部から軸方向外側に向かって延設されて前記内輪の外周面に接触する
ことを特徴とする請求項２に記載の転がり軸受。
【請求項４】
前記第１シール部材によって密封された前記環状空間内に潤滑剤が充填封入されている
ことを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の転がり軸受。
【請求項５】
前記第１シール部材と前記第２シール部材との間に形成された密閉空間内に潤滑剤が充填封入されている
ことを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
この発明は転がり軸受に関し、より詳細には、インサート軸受に適用される転がり軸受のシール構造に関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、転がり軸受において、軸受内部への塵埃・水などの侵入を防止するシール構造を備えたものが知られている。この種の転がり軸受のシール構造は、軸受外輪に取り付けられたシール材と、軸受内輪の外周に取付けられたスリンガとで構成されるのが一般的であるが、塵埃・水などの影響を強く受ける場所に使用される転がり軸受（例えば、インサート軸受に適用される転がり軸受など）においては、一般的な転がり軸受に比べて、防塵、防水、密封性能の高いシール構造が望まれる。
【０００３】
図４は、インサート軸受用として、防塵、防水および密封性能の向上が図られたタイプの転がり軸受の一例を示している（例えば、特許文献１参照）。図示の転がり軸受ａは、内輪ｂと外輪ｃとの間に複数の転動体ｄ，ｄ，…を備えるとともに、内外輪間の環状空間ｅを密封するシール構造として、径方向の端部が外輪ｃに装着された環状のシールドｆと、先端が内輪ｂの外周面に接触する３枚のシールリップｈを備えたシール材ｇとを有しており、これらシールドｆおよび３枚のシールリップｈによって環状空間ｅを密封するように構成している。
【０００４】
なお、図４において、符号ｉは環状空間ｅへの潤滑剤供給路を、符号ｊはインサート軸受の軸受箱をそれぞれ示している。また、符号ｋは回転体ｌに内輪ｂを固定するための固定用ねじを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０２２－１６９２１６号公報の図９参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、このような従来のシール構造には以下のような問題がありその改善が望まれていた。
【０００７】
図４に示すシール構造は、シールリップｈの数を増やすことにより環状空間ｅの防塵、防水、密封性能の向上を図るものであるが、単純にシールリップｈの数を増やすだけでは、軸受内部への塵埃・水などの侵入を完全に防ぐことができない。
【０００８】
また、シールリップｈは内輪ｂの外周面と物理的に接触するため、シールリップｈの数を増加させると内輪ｂとの摩擦抵抗が大きくなり、一般的なシール構造に比べ摩擦抵抗および摩擦による発熱が大きくなって回転性能に悪影響を及ぼすといった問題があった。
【０００９】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、防塵・防水・密封性能が高く、しかも内輪との摩擦による回転性能の低下が少ない転がり軸受、特に、インサート軸受に適した転がり軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記目的を達成するため、本発明に係る転がり軸受は、内輪および外輪と、これら内輪および外輪の間に介在する複数の転動体とを有し、上記内輪および外輪の間に形成される環状空間を密封するシール構造を備えた転がり軸受であって、上記シール構造は、上記環状空間の軸方向端部をシールする第１シール部材と、上記第１シール部材の軸方向外側に配置されるスリンガを有する第２シール部材とからなり、上記第１シール部材は、上記外輪の内周面に装着され、上記内輪の外周面に接触する第１および第２リップ部と、上記スリンガの内側面に接触する第３リップ部とを有し、上記第２シール部材は、上記スリンガの外周端部に備えられ、上記外輪の軸方向端部に接触する第４リップ部を有することを特徴とする。
（【００１１】以降は省略されています）

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