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公開番号2025163997
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-30
出願番号2024067695
出願日2024-04-18
発明の名称数モードマルチコア光ファイバ及び光伝送システム
出願人NTT株式会社,国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人
主分類G02B 6/02 20060101AFI20251023BHJP(光学)
要約【課題】コア間クロストーク(XT)の抑制とモード間の群遅延時間差(DMD)の抑制を両立させた数モードマルチコア光ファイバ及び光伝送システムを提供する。
【解決手段】数モードマルチコア光ファイバは、複数のLPモードを伝搬する、少なくとも2つ以上のコアと、コアの屈折率未満の屈折率を有し、全てのコアを囲む低屈折率領域と、低屈折率領域の屈折率以上の屈折率を有し、低屈折率領域を囲むクラッド領域と、を備える。それぞれのコアは、コアの中心に対して同心円状に配置され、相異なる屈折率を有する少なくとも2つ以上の相異なるコア領域を有する。そして、LPモード間の群遅延時間差が0.1ns/km以下、かつ、LPモードのコア間クロストークが1km伝搬後に-24dB以下である。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
複数のLPモードを伝搬する、少なくとも2つ以上のコアと、
前記コアの屈折率未満の屈折率を有し、全ての前記コアを囲む低屈折率領域と、
前記低屈折率領域の屈折率以上の屈折率を有し、前記低屈折率領域を囲むクラッド領域と、
を備える数モードマルチコア光ファイバであって、
それぞれの前記コアは、前記コアの中心に対して同心円状に配置され、相異なる屈折率を有する少なくとも2つ以上の相異なるコア領域を有し、
前記LPモード間の群遅延時間差が0.1ns/km以下、かつ、
前記LPモードのコア間クロストークが1km伝搬後に-24dB以下
である、数モードマルチコア光ファイバ。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記コアは、前記コア領域として、内側コア領域及び外側コア領域を有し、
前記内側コア領域の半径a

、屈折率n


前記外側コア領域の半径a

、屈折率n


前記低屈折率領域の屈折率n


比屈折率差Δ

=(n


-n


)/2n


比屈折率差Δ

=(n


-n


)/2n





=a

/a

、及び、R
Δ
=Δ

/Δ

とするとき、
0.3≦R

≦0.7、かつ、
0.1≦R
Δ
≦0.9、かつ、


≦0.5においてR
Δ
≧0.75、かつ、


>0.5においてR
Δ
≧-6.5R

+4.0
を満たし、
前記コア間の距離Λが34.7μm以上
である、請求項1に記載の数モードマルチコア光ファイバ。
【請求項3】
前記クラッド領域の直径が124μm以上かつ126μm以下であり、
前記LPモードのうち、LP
02
モード及びLP
21
モードのカットオフ波長が1530nmであり、


及びΛの単位をμmとして、


≦7.2、かつ、
Λ≦-5.0a


+73.5a

-227.6
である、請求項2に記載の数モードマルチコア光ファイバ。
【請求項4】
前記コアは、グレーデッドインデックス型の屈折率分布を有し、
前記コアの半径a、前記屈折率分布の屈折率形状係数α、前記コア間の距離Λとするとき、
前記LPモードのうち、LP
01
モードのモードフィールド径が10μmとなる設計条件において、aの単位をμmとして、
2.0α

-11.8α+25.1≦a≦3.5α

-19.5α+34.9
であり、
前記クラッド領域の直径が125μm、波長1.625μmの条件において、Λの単位をμmとして、
-20.0α

+103.0α-94.5≦Λ≦
-30.0α

+151.0α-149.1
である、請求項1に記載の数モードマルチコア光ファイバ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の数モードマルチコア光ファイバと、
信号光を生成する送信機と、
前記信号光を、前記数モードマルチコア光ファイバを伝搬する前記LPモードに変換するモード合波器と、
前記数モードマルチコア光ファイバの一端側に配置され、前記LPモードを含む入力光を前記コアに入力する光結合部と、
前記数モードマルチコア光ファイバの他端側に配置され、前記コアからの出力光を抽出する光抽出部と、
前記出力光から前記LPモードを分離して前記信号光を取り出すモード分離器と、
前記モード分離器からの前記信号光を受信する受信機と、
を備える光伝送システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、数モードマルチコア光ファイバ及び光伝送システムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
光通信システムの普及拡大に伴い、通信容量の拡大が望まれている。非特許文献1には、空間多重チャネルを利用して伝送容量を増加させる技術が開示されている。非特許文献2には、標準クラッド径を有する単一モードマルチコアファイバが開示されている。
【0003】
光ファイバの空間多重度を最大化するために、数モードマルチコア光ファイバの利用が検討されているところ、数モードマルチコア光ファイバでは、コア間クロストーク(XT)と各コアにおけるモード間の群遅延時間差(DMD)が発生し、伝送距離の長延化に伴い伝送品質を劣化させる。非特許文献3および非特許文献4には、標準クラッド径を有するステップインデックス(SI)型3モード4コアファイバ(3M-4CF)においてXTを抑制する構造条件が開示されている。非特許文献5および非特許文献6には、コア構造をSI型からグレーデッドインデックス(GI)型又は階段型に変更することで、各コアにおけるDMDを抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
D. J. Richardson, J. M. Fini, and L. E. Nelson, “Space-division multiplexing in optical fibres,” Nat. Photonics, vol. 7, no. 5, pp. 354-362, 2013.
インターネット<URL:https://sumitomoelectric.com/jp/press/2023/09/prs115>
Nozoe, Saki, et al. "Ultra-Low Crosstalk 125-μm-Cladding Four-Hole Four-Core Fibers Fabricated by the Over-Cladding Bundled Rods Method." JLT., vol. 37, no. 21, pp. 5600-5608, 2019.
Sagae, Yuto, et al. "Weakly Coupled Homogeneous 3-Mode 4-Core Fiber With Standard Cladding Diameter." JLT., vol. 41, no. 12, pp. 3950-3956, 2023.
Sato, Kiminori, et al. "Optimized graded index two-mode optical fiber with low DMD, large A eff and low bending loss." Opt. express, vol. 21, no. 14, pp. 16231-16238, 2013.
Sakamoto, Taiji, et al. "Differential mode delay managed transmission line for WDM-MIMO system using multi-step index fiber." JLT., vol. 30, no. 17, pp. 2783-2787, 2012.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献5および非特許文献6に開示されたGI型及び階段型は、光の閉じ込め効果がSI型と異なる。そのため、GI型及び階段型に対して、非特許文献3および非特許文献4に開示される構造条件を適用することはできない。そのため、コア間クロストーク(XT)の抑制とモード間の群遅延時間差(DMD)の抑制を両立させた数モードマルチコア光ファイバ及び光伝送システムを実現することができないという課題がある。
【0006】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものである。その目的とするところは、コア間クロストーク(XT)の抑制とモード間の群遅延時間差(DMD)の抑制を両立させた数モードマルチコア光ファイバ及び光伝送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本開示の一態様に係る数モードマルチコア光ファイバは、複数のLPモードを伝搬する、少なくとも2つ以上のコアと、コアの屈折率未満の屈折率を有し、全てのコアを囲む低屈折率領域と、低屈折率領域の屈折率以上の屈折率を有し、低屈折率領域を囲むクラッド領域と、を備える。それぞれのコアは、コアの中心に対して同心円状に配置され、相異なる屈折率を有する少なくとも2つ以上の相異なるコア領域を有する。そして、LPモード間の群遅延時間差が0.1ns/km以下、かつ、LPモードのコア間クロストークが1km伝搬後に-24dB以下である。
【0008】
また、本開示の一態様に係る光伝送システムは、本開示の数モードマルチコア光ファイバと、信号光を生成する送信機と、信号光を、数モードマルチコア光ファイバを伝搬するLPモードに変換するモード合波器と、数モードマルチコア光ファイバの一端側に配置され、LPモードを含む入力光をコアに入力する光結合部と、数モードマルチコア光ファイバの他端側に配置され、コアからの出力光を抽出する光抽出部と、出力光からLPモードを分離して信号光を取り出すモード分離器と、モード分離器からの信号光を受信する受信機と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コア間クロストーク(XT)の抑制とモード間の群遅延時間差(DMD)の抑制を両立させた数モードマルチコア光ファイバ及び光伝送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態に係る数モードマルチコア光ファイバの構造を示す断面図である。
第1実施形態に係る数モードマルチコア光ファイバにおける屈折率分布を示す図である。
半径比および比屈折率差比に対するモード間の群遅延時間差の特性図である。
コア間距離に対するコア間クロストークの特性図である。
コア半径及びコア間距離に対する、カットオフ波長、漏洩損失、及び、モード間の群遅延時間差の特性図である。
第2実施形態に係る数モードマルチコア光ファイバの構造を示す断面図である。
第2実施形態に係る数モードマルチコア光ファイバにおける屈折率分布を示す図である。
屈折率形状を定めるパラメータに対するモード間の群遅延時間差の特性図である。
屈折率形状を定めるパラメータ及びコア間距離に対する、漏洩損失、及び、コア間クロストークの特性図である。
本開示の実施形態に係る数モードマルチコア光ファイバを用いた光伝送システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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