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公開番号
2025160317
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-22
出願番号
2025123921,2023544762
出願日
2025-07-24,2022-01-27
発明の名称
カンプトテシン化合物、その調製方法、及びその適用
出願人
シチュアン ケルン-バイオテック バイオファーマシューティカル カンパニー リミテッド
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07D
491/22 20060101AFI20251015BHJP(有機化学)
要約
【課題】新規な構造、改善された効能及び改善された安全性を有するカンプトテシン化合物及びそれらのコンジュゲートを提供する。
【解決手段】下記に示す構造を有する、化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグが提供される。
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R
1
及びR
2
は、水素、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシル等又は隣接する炭素原子と結合して5~6員含酸素複素環式環を形成;R
3
は水素、又はR
1
のオルト炭素原子と結合して6員炭素環式環を形成;Aは、下記のうちの1つから選択される。
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【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記に示される構造:
JPEG
2025160317000247.jpg
33
149
(式中、
R
1
及びR
2
は各々、水素、ハロゲン、C
1~6
アルキル、C
1~6
アルコキシル、C
1~6
ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ及びC
3~6
シクロアルキルからなる群から独立的に選択されるか;又はR
1
及びR
2
は、隣接する炭素原子と結合して5~6員含酸素複素環式環を形成し;
R
3
は水素であるか、又はR
1
のオルト炭素原子と結合して6員炭素環式環を形成し;
Aは、
JPEG
2025160317000248.jpg
15
149
のうちの1つから選択され、
R
4
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
R
5
及びR
6
は各々、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~6
シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立的に選択されるか;又はR
5
及びR
6
は、隣接する炭素原子に結合して3~6員炭素環式若しくは複素環式環を形成し;
m=1又は2である)
を有する、化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグ。
続きを表示(約 8,300 文字)
【請求項2】
式(I)の構造:
JPEG
2025160317000249.jpg
50
149
(上記式(I)中、R
x
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
R
y
及びR
z
は、同時に水素であることはなく、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、3~6員ヘテロシクリルアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から独立的に選択され;
好ましくは、R
x
は、水素及びC
1~6
アルキルからなる群から選択され、好ましくは、R
x
は水素であり;
好ましくは、R
y
及びR
z
は、同時に水素であることはなく、水素、
JPEG
2025160317000250.jpg
13
149
、ジメチルアミノメチレン、モルホリノメチレン及びメトキシメチレンからなる群から独立的に選択され;
好ましくは、R
y
は水素であり、R
z
は、
JPEG
2025160317000251.jpg
13
149
、ジメチルアミノメチレン、モルホリノメチレン及びメトキシメチレンからなる群から選択される)
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグ。
【請求項3】
式(II)の構造
JPEG
2025160317000252.jpg
34
149
(上記式(II)中、A’は、
JPEG
2025160317000253.jpg
16
149
のうちの1つから選択され、
R
x’
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
R
y’
及びR
z’
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、3~6員ヘテロシクリルアルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立的に選択されるか、又はR
y’
及びR
z’
は、隣接する炭素原子に結合して3~6員環を形成し、
好ましくは、R
x’
は、水素及びC
1~6
アルキルからなる群から選択され;
好ましくは、R
y’
及びR
z’
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
3~6
シクロアルキル及びC
2~6
アルケニルからなる群から独立的に選択されるか、又はR
y’
及びR
z’
は、隣接する炭素原子と結合して3~6員シクロアルキルを形成し;
好ましくは、R
y’
は、水素及びC
1~6
アルキルからなる群から選択され、R
z’
は、水素、C
1~6
アルキル及びC
3~6
シクロアルキルからなる群から選択されるか、又はR
y’
及びR
z’
は、隣接する炭素原子と結合して3~6員シクロアルキルを形成する)
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグ。
【請求項4】
式(III)の構造:
JPEG
2025160317000254.jpg
37
149
(上記式(III)中、A’’は、
JPEG
2025160317000255.jpg
15
149
のうちの1つから選択され、
R
x’’
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
R
y’’
及びR
z’’
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、3~6員ヘテロシクリルアルキル、4~6員ヘテロシクリル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立的に選択されるか、又はR
y’’
及びR
z’’
は、隣接する炭素原子と結合して3~6員環を形成し;
好ましくは、R
x’’
は水素であり;
好ましくは、R
y’’
及びR
z’’
は各々、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
3~6
シクロアルキル及びビニルからなる群から独立的に選択されるか、又はR
y’’
及びR
z’’
は、隣接する炭素原子と結合して3~6員環を形成し;
好ましくは、R
y’’
は水素であり、R
z’’
は、水素、C
1~6
アルキル、C
3~6
シクロアルキル及びビニルからなる群から選択されるか、又はR
y’’
及びR
z’’
は、隣接する炭素原子と結合して3~6員炭素環式環を形成する)
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグ。
【請求項5】
式(IV)の構造:
JPEG
2025160317000256.jpg
52
149
(上記式(IV)中、
R
a
及びR
b
は、水素、ハロゲン、C
1~6
アルキル、C
1~6
ヒドロキシアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
1~6
アルコキシ、C
1~6
ハロアルキル、ヒドロキシル及びシアノからなる群から独立的に選択されるか;又はR
a
及びR
b
は、隣接する炭素原子と結合して5~6員含酸素複素環式環を形成し;
R
c
及びR
d
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
3~6
シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、3~6員ヘテロシクリルアルキル、C
2~6
アルケニル及びC
2~6
アルキニルからなる群から独立的に選択されるか、又はR
c
及びR
d
は、隣接する炭素原子と結合して3~6員炭素環式若しくは複素環式環を形成し;
R
e
は、水素、C
1~6
アルキル、C
3~6
シクロアルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル及びC
2
~C
5
ヘテロシクリルからなる群から選択され;
q=0又は1であり;
q=0の場合、R
c
及びR
d
は、同時に水素であることはなく;
好ましくは、R
a
及びR
b
は、水素、ハロゲン及びC
1~6
アルキルからなる群から独立的に選択されるか、又はR
a
及びR
b
は、隣接する炭素原子と結合して5~6員含酸素複素環式環を形成し;
好ましくは、R
a
及びR
b
は、水素、フッ素、塩素及びメチルからなる群から独立的に選択されるか、又はR
a
及びR
b
はそれらに結合したベンゼン環と一緒に、
JPEG
2025160317000257.jpg
15
149
(式中、Zは、-CH
2
【請求項6】
式(V)の構造:
JPEG
2025160317000261.jpg
37
149
(上記式(V)中、Rは、C
3~6
シクロアルキル及びC
1~6
アルコキシからなる群から選択され;
A’’’は、
JPEG
2025160317000262.jpg
14
149
のうちの1つから選択され、
R
x’’’
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル及び3~6員ヘテロシクリル(例えば、3~6員カルボシクリル又は3~6員ヘテロシクリル)からなる群から選択され;
R
y’’’
及びR
z’’’
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
3~6
シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、3~6員ヘテロシクリルアルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立的に選択されるか、又はR
y’’’
及びR
z’’’
は、隣接する炭素原子と結合して3~6員環を形成し、
好ましくは、Rは、メチル、メトキシ及びシクロプロピルからなる群から選択され;好ましくは、R
y’’’
及びR
z’’’
は各々、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
3~6
シクロアルキル及びビニルからなる群から独立的に選択されるか、又はR
y’’’
及びR
z’’’
は、隣接する炭素原子と結合して3~6員炭素環式環を形成し;
好ましくは、R
y’’’
及びR
z’’’
は水素であるか、又はR
y’’’
及びR
z’’’
は、隣接する炭素原子と結合して3~6員炭素環式環を形成し;
好ましくは、R
x’’’
は、水素及びC
1~6
アルキルからなる群から選択され;
好ましくは、R
x’’’
は水素である)
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグ。
【請求項7】
以下の構造:
JPEG
2025160317000263.jpg
210
149
JPEG
2025160317000264.jpg
209
149
JPEG
2025160317000265.jpg
214
149
JPEG
2025160317000266.jpg
204
149
JPEG
2025160317000267.jpg
190
149
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグ。
【請求項8】
以下の構造:
M-L-E-D
式(VI)
(式中、
Mは抗体又はその抗原結合性断片のリンカー部分であり;
Lは、リンカー部分M及びEを連結するリンカーであり;
Eは、L及びDを連結する構造断片であり;
Dは、細胞傷害性薬物の構造断片であり;
好ましくは、Mは、以下の構造:
JPEG
2025160317000268.jpg
44
149
からなる群から選択され;
好ましくは、Mは、以下の構造:
JPEG
2025160317000269.jpg
17
149
からなる群から選択され;
好ましくは、Lは、C
1~6
アルキレン、-N(R’)-、カルボニル、-O-、Val、Cit、Phe、Lys、D-Val、Leu、Gly、Ala、Asn、Val-Cit、Val-Ala、Val-Lys、Val-Lys(Ac)、Phe-Lys、Phe-Lys(Ac)、D-Val-Leu-Lys、Gly-Gly-Arg、Ala-Ala-Asn、Ala-Ala-Ala、Val-Lys-Ala、Gly-Gly-Gly、Gly-Gly-Phe-Gly、Gly-Gly-Gly-Gly-Gly、
JPEG
2025160317000270.jpg
69
149
(式中、R’は、水素、C
1~6
アルキル又は-(CH
2
CH
2
O)
r
-含有アルキルを表し;rは、1~10から選択される整数であり;sは、1~10から選択される整数である)
からなる群から選択される1つ又は複数で構成される二価構造であり;
好ましくは、Lは、以下の構造:
JPEG
2025160317000271.jpg
68
149
からなる群から選択され;
好ましくは、Lは、以下の構造:
JPEG
2025160317000272.jpg
15
149
から選択され;
好ましくは、Eは、単結合、-NH-CH
2
-、
JPEG
2025160317000273.jpg
17
149
からなる群から選択され;
好ましくは、Eは-NH-CH
2
-であり;
好ましくは、前記細胞傷害性薬物は、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物から選択され;
好ましくは、前記細胞傷害性薬物は、請求項7に記載の化合物1-1~1-15;2-1~2-27;3-1~3-26;4-1~4-15;又は5-1~5-36からなる群から選択され;
好ましくは、Dは、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物から水素原子を除去することによって形成される構造から選択され;
好ましくは、Dは、請求項7に記載の化合物1-1~1-15;2-1~2-27;3-1~3-26;4-1~4-15;又は5-1~5-36から水素原子を除去することによって形成される構造から選択され;
好ましくは、Dは、以下の構造:
JPEG
2025160317000274.jpg
91
149
からなる群から選択され;
好ましくは、Dは、好ましくは、以下の構造:
TIFF
2025160317000275.tif
32
149
からなる群から選択される)
を有する、式(VI)によって表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグ。
【請求項9】
下記に示される構造:
TIFF
2025160317000276.tif
226
149
TIFF
2025160317000277.tif
218
149
TIFF
2025160317000278.tif
221
149
TIFF
2025160317000279.tif
199
149
TIFF
2025160317000280.tif
90
149
を有し;
好ましくは、
JPEG
2025160317000281.jpg
33
149
から選択される、請求項8に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝産物若しくはプロドラッグと、1種又は複数の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本出願は、中国特許出願番号202110159956.6及び出願日付2021年2月5日の出願、中国特許出願番号202110533304.4及び出願日付2021年5月17日の出願、中国特許出願番号202110718245.8及び出願日付2021年6月28日の出願、中国特許出願番号202110936768.X及び出願日付2021年8月16日の出願、並びに中国特許出願番号202111355330.9及び出願日付2021年11月16日の出願に基づき、それらの優先権を主張し、前述の中国特許出願の開示内容は、それらの全体が本出願において本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,100 文字)
【0002】
本発明は、抗腫瘍活性を有するカンプトテシン化合物及びそのコンジュゲート、並びにそれらの調製方法及び医療分野への適用に関する。
【背景技術】
【0003】
カンプトテシン(CPT、式1)は、ヌマミズキ科のカンレンボク(Camptotheca acuminata)から単離され、キノリン環AB、ピロール環C、ピリドン環D及びα-ヒドロキシラクトン環Eからなる5員環式キノリン化合物であり、その20位はS配置にある(下記の構造式を参照されたい)。1970年代初め、カンプトテシンはその優れた抗がん活性のために臨床現場で使用されたが、後に、下痢及び出血性膀胱炎などの深刻な副作用に起因して臨床試験は終了した。
【0004】
JPEG
2025160317000001.jpg
27
149
【0005】
研究データは、カンプトテシンが、細胞DNAトポイソメラーゼIと三元複合体を形成することができ、それによって、DNAの巻き戻しを阻害し、DNA複製の遮断及び細胞死につながることを示している(Cancer Res.1989、49、6365)。カンプトテシン及びその誘導体は、肺がん、乳がん、結腸直腸がん、卵巣がんなどを有する動物モデルにおいて強力な抗腫瘍活性を有する(Nature Review Cancer.2006、6、789)。
【0006】
現在、いくつかのカンプトテシン薬物が、腫瘍の治療のために市販することを認可されている(Med.Res.Rev.2015、35、753)。イリノテカンは結腸直腸がんの治療に使用され;トポテカンは卵巣がんの治療に使用され;ベロテカンは卵巣がん及び小細胞肺がんの治療に使用される。カンプトテシン誘導体としては、エキサテカン、ルビテカン、カレニテカン、ジフロモテカン、ルルトテカン、ギマテカン、ナミテカン、シミテカン、シラテカン、キミテカン、エロモテカンなどがさらに挙げられる。
【0007】
カンプトテシン薬物又はその誘導体は、多くの場合、骨髄抑制により誘発された血液毒性、例えば、好中球減少、白血球減少、血小板減少、貧血など、並びに胃腸副作用、例えば、吐き気、嘔吐及び下痢を有する。臨床研究により、カンプトテシン化合物の安全性及び有効性を改善するための手段は、それらの薬物動態学的特性を改善すること、活性を調節すること、投薬量を低減すること、又はそれらのコンジュゲート及び抗体を使用して抗体コンジュゲート薬物を形成することなどを含むことが見出された。したがって、新規な構造、改善された効能及び改善された安全性を有するカンプトテシン化合物及びそれらのコンジュゲートを開発することへの高い臨床需要及び適用価値がなお存在している。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、新規のカンプトテシン化合物及びそのコンジュゲートを提供する。カンプトテシン化合物は、良好な抗腫瘍活性を有し、腫瘍疾患の治療に使用されることが予想され;そのコンジュゲートは、ADC薬物における幅広い適用見込みを有する。
本発明の第1の態様は、化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、多形、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識生成物、代謝物若しくはプロドラッグを提供し、化合物は、下記に示される構造:
JPEG
2025160317000002.jpg
34
149
(式中、
R
1
及びR
2
は各々、水素、ハロゲン、C
1~6
アルキル、C
1~6
アルコキシル、C
1~6
ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ及びC
3~6
シクロアルキルからなる群から独立的に選択されるか;又はR
1
及びR
2
は、隣接する炭素原子に結合して5~6員含酸素複素環式環を形成し;
R
3
は水素であるか、又はR
1
のオルト炭素原子と結合して6員炭素環式環を形成し;
Aは、
TIFF
2025160317000003.tif
15
149
のうちの1つから選択され、
R
4
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
R
5
及びR
6
は各々、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~6
シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、3~6員ヘテロシクリルアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立的に選択されるか;又はR
5
及びR
6
は、隣接する炭素原子に結合して3~6員炭素環式若しくは複素環式環を形成し;
m=1又は2である)
を有する。
【0009】
一部の実施形態では、化合物は、式(I)の構造:
JPEG
2025160317000004.jpg
52
149
(式(I)中、R
x
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
R
y
及びR
z
は、同時に水素であることはなく、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、3~6員ヘテロシクリルアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から独立的に選択される)
を有する。
【0010】
一部の実施形態では、R
x
は、水素、C
1~6
アルキル、C
1~6
ハロアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、C
3~6
シクロアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
R
y
及びR
z
は、同時に水素であることはなく、水素、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
1~6
アルキルアミノアルキル、C
1~6
アルコキシアルキル、3~6員ヘテロシクリルアルキル及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から独立的に選択される。
(【0011】以降は省略されています)
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