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公開番号
2025159631
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-21
出願番号
2024062354
出願日
2024-04-08
発明の名称
金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定装置及び方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
G01N
17/00 20060101AFI20251014BHJP(測定;試験)
要約
【課題】腐食量測定と水素侵入量測定とで試験片の温度差を小さくでき、腐食速度と水素侵入速度との相関を捉える精度を向上できる金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定装置を提供する。
【解決手段】本発明による金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定装置は、一方の面1aが腐食環境に曝露される試験片1と、試験片1の他方の面1bを内壁の一部とし、内部に電解質溶液2aが充填される試験槽2と、試験槽2の内部に配置された対極3及び基準電極4と、試験片1と対極3との間に流れるアノード電流を計測する電位・電流制御装置5と、試験片1の電気抵抗を計測する抵抗計測器6と、電解質溶液2a及び/又は試験片1の温度を計測する温度計測器7とを備え、抵抗計測器6及び温度計測器7の出力に基づき試験片1の腐食量を求めるとともに、電位・電流制御装置5の出力に基づき試験片1内部への侵入水素量を求めるように構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
一方の面が腐食環境に曝露され腐食を受ける板状の金属材料からなる試験片と、
前記試験片の他方の面を内壁の一部とし、内部に電解質溶液が充填される試験槽と、
前記試験槽の内部に配置されて、前記一方の面から前記試験片に侵入し前記他方の面に拡散してくる水素の流束をアノード電流として検出するための対極及び基準電極と、
前記試験片と前記対極との間に流れる前記アノード電流を計測する電位・電流制御装置と、
前記試験片の電気抵抗を計測する抵抗計測器と、
前記電解質溶液及び/又は前記試験片の温度を計測する温度計測器と
を備え、
前記抵抗計測器及び前記温度計測器の出力に基づき前記試験片の腐食量を求めるとともに、前記電位・電流制御装置の出力に基づき前記試験片内部への侵入水素量を求めるように構成されている、
金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記抵抗計測器は、前記試験片に接続される一対の抵抗測定用端子を有しており、
前記試験片は、前記一対の抵抗測定用端子の間に位置する腐食監視領域を有しており、
前記腐食監視領域の前記他方の面の大部分が前記電解質溶液に接している、
請求項1に記載の金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定装置。
【請求項3】
前記試験槽は、開口が設けられた前面を有する試験槽本体を含んでおり、
前記試験片は、前記開口を塞ぐように前記試験槽本体の前記前面に隣接して配置されており、
前記一対の抵抗測定用端子は、前記試験槽本体の前記前面と前記試験片の前記他方の面との間に挟まれている、
請求項2に記載の金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定装置。
【請求項4】
前記抵抗計測器による前記電気抵抗の計測と、前記電位・電流制御装置による前記アノード電流の計測とが異なるタイミングで行われる、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定装置。
【請求項5】
前記温度計測器及び前記抵抗計測器によって計測された電気抵抗及び温度と、前記電位・電流制御装置によって計測された前記アノード電流とを時系列に沿って記録する記録装置をさらに備えている、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定装置。
【請求項6】
一方の面が腐食環境に曝露されるとともに他方の面が内部に電解質溶液が充填される試験槽の内壁の一部となるように配置された試験片の電気抵抗と、前記電解質溶液及び/又は前記試験片の温度とから、前記試験片の腐食量を求めることと、並びに
前記一方の面から前記試験片に侵入し前記他方の面に拡散してくる水素の流束によるアノード電流から前記試験片内部への侵入水素量を求めること
を含む、
金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定方法。
【請求項7】
前記試験片は前記電気抵抗を計測するための一対の抵抗測定用端子の間に位置する腐食監視領域を有しており、前記腐食監視領域の前記他方の面の大部分が前記電解質溶液に接している、
請求項6に記載の金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定方法。
【請求項8】
前記試験槽は、開口が設けられた前面を有する試験槽本体を含んでおり、
前記試験片は、前記開口を塞ぐように前記試験槽本体の前記前面に隣接して配置されており、
前記一対の抵抗測定用端子は、前記試験槽本体の前記前面と前記試験片の前記他方の面との間に挟まれている、
請求項7に記載の金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定方法。
【請求項9】
前記電気抵抗の計測と前記アノード電流の計測とが異なるタイミングで行われる、
請求項6から8までのいずれか1項に記載の金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材料の腐食量及び侵入水素量を求める金属材料の腐食量及び侵入水素量の測定装置及び方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、自動車や各種産業機械等に使用される金属材料は、軽量化を目的とした高強度化が進められている。しかし、鋼等の金属材料は、高強度であるほど遅れ破壊を引き起こす可能性が高いという問題がある。遅れ破壊とは、金属材料が静的な負荷応力を受けた状態で、ある時間が経過したとき、外見的にはほとんど塑性変形を伴うことなしに、突然脆性的に破壊する現象である。遅れ破壊は、主に大気環境下で金属材料が腐食を受けた際に生成した水素の一部が、金属材料中へ侵入することによって引き起こされる。
【0003】
水素侵入は大気腐食の進行と密接にかかわることから、耐遅れ破壊特性に優れた材料を選択するためには、大気環境下で水素が材料中へ侵入する速度と腐食進展速度との両方を定量的に評価する方法が必要である。
【0004】
下記の特許文献1では、大気環境における鋼材の腐食量又腐食速度を計測する手法として、電気抵抗の変化から腐食量を求める腐食センサが提供されており、大気環境での腐食進展のモニタリングを可能としている。
【0005】
下記の非特許文献1では、大気腐食環境において金属中へ侵入する水素量を検出する手法として、Devanathanらが考案した装置の水素侵入側を大気に暴露し、大気腐食によって生じる侵入水素を検出する水素透過セルを提供している。また、下記の特許文献2では、非特許文献1の装置を発展させた水素侵入量の測定方法が提供されており、1つの試験片に接するように複数の水素透過セルを配置して、そのうち一つのセルを腐食を受けない基準セルとすることで、温度によって変化する残余電流を補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-20735号公報
特開2011-179893号公報
【非特許文献】
【0007】
池田欣成ら、「大気腐食環境下における炭素鋼の水素吸蔵」、腐食防食討論会講演集、vol.42、p.565~568(1994).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1,2及び非特許文献1に示されるように、金属材料の腐食量及び侵入水素量を個々に測定することが検討されてきた。しかしながら、大気腐食環境における水素侵入挙動を解析するためには、同じ環境下で腐食量及び水素侵入量の両方を測定する必要がある。
【0009】
図7に示すように、特許文献2及び非特許文献1で提供されているような従来の水素透過セルと、特許文献1で提案されているような従来の腐食センサとを並べて配置して、腐食量と水素侵入量との両方を同時に測定することが考えられる。しかしながら、このような構成では以下のような課題が生じるとの新たな知見を得た。
【0010】
本発明者らは、図7の腐食試験片及び水素透過試験片として厚み0.2mmの鋼片を使用し、それら腐食試験片及び水素透過試験片の加熱及び冷却を行った。その際に、腐食試験片、水素透過試験片及び電解質溶液の温度を測定したところ、電解質溶液に接して配置された水素透過試験片と、電解質溶液に接していない腐食試験片とでは、環境の温度変化に対する温度追従性が大きく異なり、それらの間で温度履歴に差異が生じていた。これは、電解質溶液が試験片よりも大きな熱容量を有していることに起因すると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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