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公開番号
2025155001
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-14
出願番号
2024058312
出願日
2024-03-29
発明の名称
熱電変換材料層
出願人
リンテック株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
H10N
10/857 20230101AFI20251002BHJP()
要約
【課題】電気伝導率が向上された高い熱電性能を有する熱電変換材料層を提供する。
【解決手段】熱電半導体粒子及び単金属粒子を含む熱電変換材料層であって、前記熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記熱電半導体粒子及び単金属粒子が占める領域の面積に対する、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が1~50%である、熱電変換材料層。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
熱電半導体粒子及び単金属粒子を含む熱電変換材料層であって、
前記熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記熱電半導体粒子及び単金属粒子が占める領域の面積に対する、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が1~50%である、熱電変換材料層。
続きを表示(約 390 文字)
【請求項2】
熱電半導体粒子及び単金属粒子を含む熱電変換材料層であって、
熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記縦断面の面積に対する、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が1~48%であり、かつ充填率が70~99%である、熱電変換材料層。
【請求項3】
前記単金属粒子の溶融温度が130~550℃である、請求項1又は2に記載の熱電変換材料層。
【請求項4】
前記熱電変換材料層は、熱電半導体組成物の塗布膜の焼成体からなる、請求項1又は2に記載の熱電変換材料層。
【請求項5】
一般式CoSb
(3-x-y)
Te
x
Bi
y
で表される組成を有する、熱電変換材料層。
(一般式中、0.02≦x≦1.00、0.02≦x+y≦1.00、0≦yである。)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電変換材料層に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、エネルギーの有効利用手段の一つとして、ゼーベック効果やペルチェ効果などの熱電効果を有する熱電変換モジュールにより、熱エネルギーと電気エネルギーとを直接相互変換するようにした装置がある。
熱電変換モジュールとして、いわゆるπ型の熱電変換素子の構成が知られている。π型の熱電変換素子は、互いに離間する一対の電極を基板上に設け、例えば、―方の電極の上にP型熱電素子を、他方の電極の上にN型熱電素子を、同じく互いに離間して設け、両方の熱電素子の上面を対向する基板の共通電極に接続することで構成されている。また、いわゆるIP(インプレーン)型の熱電変換素子の構成が知られている。IP型熱電変換素子は、熱電性能の観点から、通常、P型熱電素子とN型熱電素子とが基板の面内方向に交互に設けられ、例えば、隣接又は当接するP型熱電素子とN型熱電素子との上部又は下部等を、電極を介し直列に接続することで構成されている。
このような中、熱電変換モジュールの熱電性能の向上にかかる要求が依然としてある。
特許文献1では、熱電半導体粒子、バインダー樹脂、イオン液体、及び金属ナノ粒子を含む熱電半導体組成物の焼成体からなる熱電変換材料層であって、前記金属ナノ粒子は、450℃以下で焼結する粒子である、熱電変換材料層が開示されている。
特許文献2では、CoSb
3-x-y
Si
x
Te
y
(ここで、0.003<x<0.25、0.025<y<0.40)の組成を有するスクッテルダイト熱電半導体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/071043号
特開2016-066795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の熱電変換材料層には、熱電半導体粒子間にイオン液体が存在することで電気伝導率の低下を抑制し、かつ金属ナノ粒子の存在することで熱電変換材料層内の内部欠陥(空隙部の存在)を低減させ電気伝導率を増加させることができ、その結果として熱電性能の向上につなげることができるが、さらなる熱電性能の向上が必要である。
また、特許文献2のスクッテルダイト熱電半導体は、中高温域できわめて高い熱電性能を示す系として知られている。こちらは、スクッテルダイトの籠状構造に対してSiとTeとを共にドープした構造であり、特許文献1とは異なり、導電率を比較的損なわず効果的に籠状構造内に熱伝導率を低減する乱れを導入することができ、その結果として熱電性能を向上させたものであるが、こちらについても、さらなる熱電性能の向上が必要である。
【0005】
本発明は、上記を鑑み、電気伝導率が向上された高い熱電性能を有する熱電変換材料層を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱電半導体粒子と単金属粒子とを含む熱電変換材料層において、前記熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記熱電半導体粒子及び単金属粒子が占める領域の面積に対する、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が特定の範囲にある熱電変換材料層が、電気伝導率が向上された高い熱電性能を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]を提供するものである。
[1]熱電半導体粒子及び単金属粒子を含む熱電変換材料層であって、前記熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記熱電半導体粒子及び単金属粒子が占める領域の面積に対する、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が1~50%である、熱電変換材料層。
[2]熱電半導体粒子及び単金属粒子を含む熱電変換材料層であって、熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記縦断面の面積に対する、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が1~48%であり、かつ充填率が70~99%である、熱電変換材料層。
[3]前記単金属粒子の溶融温度が130~550℃である、上記[1]又は[2]に記載の熱電変換材料層。
[4]前記熱電変換材料層は、熱電半導体組成物の塗布膜の焼成体からなる、上記[1]~[3]のいずれかに記載の熱電変換材料層。
[5]一般式CoSb
(3-x-y)
Te
x
Bi
y
で表される組成を有する、熱電変換材料層。
(一般式中、0.02≦x≦1.00、0.02≦x+y≦1.00、0≦yである。)
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電気伝導率が向上された高い熱電性能を有する熱電変換材料層を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
比較例1の試験片(熱電変換材料層)の縦断面のSEM画像である。
実施例2の試験片(熱電変換材料層)の縦断面のSEM画像である。
実施例2の試験片(熱電変換材料層)の縦断面の単金属粒子の元素分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[熱電変換材料層]
本発明の第1実施形態に係る熱電変換材料層は、熱電半導体粒子及び単金属粒子を含む熱電変換材料層であって、前記熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記熱電半導体粒子及び単金属粒子が占める領域の面積に対する、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が1~50%である、ことを特徴としている。
本発明の第1実施形態に係る熱電変換材料層は、熱電半導体粒子と単金属粒子とを含むものであって、前記熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記熱電半導体粒子及び単金属粒子が占める領域の面積に対して、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が、上記の範囲にあることで、当該熱電変換材料層が高い電気伝導率を有し、結果として高い熱電性能が得られる。
本発明の第2実施形態に係る熱電変換材料層は、熱電半導体粒子及び単金属粒子を含む熱電変換材料層であって、
熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記縦断面の面積に対する、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が1~48%であり、かつ充填率が70~99%である、ことを特徴としている。
本発明の第2実施形態に係る熱電変換材料層は、熱電半導体粒子と単金属粒子とを含むものであって、前記熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、前記縦断面の面積に対する、前記単金属粒子が占める領域の面積の割合が、上記の範囲にあることで、当該熱電変換材料層が高い電気伝導率を有し、結果として高い熱電性能が得られる。
【0010】
本明細書において、熱電半導体組成物を塗布により形成した後に得られる膜を「組成物膜」、また、「組成物膜」を乾燥した後の膜を「塗布膜」、さらに「塗布膜」を焼成した後に得られる膜を「熱電変換材料層」ということがある。
本明細書において、「熱電変換材料層の中央部を含む縦断面において、熱電半導体粒子及び単金属粒子が占める領域の面積に対する、単金属粒子が占める領域の面積の割合」(%)を、単に、「単金属粒子が占める領域の面積の割合A1」(%)ということがある。
本明細書において、「熱電変換材料層の中央部を含む縦断面の面積に対する、単金属粒子が占める領域の面積の割合」(%)を、単に、「単金属粒子が占める領域の面積の割合A2」(%)ということがある。
本明細書において、「熱電変換材料層の中央部を含む縦断面の面積に対する、熱電半導体粒子及び単金属粒子が占める領域の面積の割合」(%)を、単に、「充填率」(%)ということがある。
本明細書において、「熱電変換材料層の中央部を含む縦断面の面積に対する、空隙の割合」(%)を、単に、「空隙率」(%)ということがある。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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