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公開番号2025154976
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024058300
出願日2024-03-29
発明の名称熱電変換モジュールの製造方法
出願人リンテック株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類H10N 10/01 20230101AFI20251002BHJP()
要約【課題】熱電変換材料のチップ間及び隣接する電極間の短絡、並びに、接続不良を抑制し、高密度実装が可能な熱電変換モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】P型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップを有する熱電変換モジュールの製造方法であって、一対の基板のうち一方の基板に設けられた電極の少なくとも中央の領域、及び電極間に絶縁層を形成する工程;P型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップのそれぞれの一方の面と、熱溶融型導電材料層Mを介し電極とを接合する工程;他方の基板に設けられた電極と、熱溶融型導電材料Nを介しP型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップのそれぞれの他方の面とを、接合する工程を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程(A)~(E)を含む、熱電変換モジュールの製造方法。
(A)一対の基板のそれぞれの対向する表面に、離間したP型熱電変換材料のチップとN型熱電変換材料のチップとを交互に直列接続する複数の電極を形成する工程
(B)前記一対の基板のうち一方の基板に設けられた前記電極の少なくとも中央の領域、及び前記電極間に絶縁層を形成する工程
(C)前記一方の基板に設けられた前記電極に前記P型熱電変換材料のチップと前記N型熱電変換材料のチップとをそれぞれ離間して載置して、前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップと前記電極とを熱溶融型導電材料層Mを介して、リフロー法により接続する工程
(D)前記一対の基板のうち他方の基板に形成された前記電極を介して、前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップを狭持するように、前記一方の基板側に対向して前記他方の基板を配置する工程
(E)前記他方の基板に形成された前記電極と前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップとを熱溶融型導電材料層Nを介して、リフロー法により接続する工程
続きを表示(約 210 文字)【請求項2】
前記熱溶融型導電材料層Mの溶融温度が、前記熱溶融型導電材料層Nの溶融温度より高い、請求項1に記載の熱電変換モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記絶縁層の厚さは、前記一方の基板に形成された前記電極のうち前記一方の基板側の面とは反対側の面から1μm以上で前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップの厚さ未満である、請求項1又は2に記載の熱電変換モジュールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電変換モジュールの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、エネルギーの有効利用手段の一つとして、ゼーベック効果やペルチェ効果などの熱電効果を有する熱電変換モジュールにより、熱エネルギーと電気エネルギーとを直接相互変換するようにした装置がある。
熱電変換モジュールとして、いわゆるπ型の熱電変換素子の構成が知られている。π型の熱電変換素子は、互いに離間する一対の電極を基板上に設け、例えば、―方の電極の上にP型熱電素子を、他方の電極の上にN型熱電素子を、同じく互いに離間して設け、両方の熱電素子の上面を対向する基板の共通電極に接続することで構成されている。
このような中、π型の熱電変換素子の製造にかかる量産性の向上及び歩留まりの向上等の要求がある。熱電変換モジュールでは、P型熱電素子及びN型熱電素子と、それらの上下面に対向した電極とを接合する工程において、例えば、接合材料としてハンダ材料を用いた場合、ハンダリフロー処理の際のハンダ溶融時のハンダ流れ等により、隣接する熱電素子間の短絡、隣接する電極間の短絡、及び、熱電素子と電極との接合不良等が発生し、熱電性能の低下、ひいては歩留まりの低下に繋がることがある。
特許文献1には、例えば、当該特許文献1の図1~6等に示されるように、共通電極である第2電極の上面及び側面、さらにはハンダ、n型熱電素子、p型熱電素子の側面までに、絶縁層を設けたπ型の熱電モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-123596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に用いる絶縁層は、n型熱電素子、p型熱電素子のそれぞれの上面をハンダを介し共通電極としての第2電極と接合した後、設けられたものであり、構成上、絶縁層が設けられた後に、隣接する第2電極間の短絡の発生を回避できるに過ぎない。そして、特許文献1は、そもそも、熱電素子の一端側と他端側との間の温度差が大きくなった場合に、大きな熱応力が生じる場合があり、それにより、熱電素子に歪みが生じ、熱電素子と熱電素子用配線パターンとの接触が悪くなることを抑制することを考慮した発明である。このように、特許文献1は、隣接する電極間のハンダリフロー処理の際のハンダ溶融時のハンダ流れによる影響を一切考慮したものではない。
【0005】
本発明は、上記を鑑み、熱電変換材料のチップ間及び隣接する電極間の短絡、並びに、接続不良を抑制し、高密度実装が可能な熱電変換モジュールの製造方法を提供する
ことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、P型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップを有する熱電変換モジュールの製造において、一対の基板のうち一方の基板に設けられた電極の少なくとも中央の領域、及び電極間に絶縁層を形成し、P型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップのそれぞれの一方の面と、熱溶融型導電材料層Mを介し電極とを接合した後、他方の基板に設けられた電極と、熱溶融型導電材料Nを介しP型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップのそれぞれの他方の面とを、接合することにより、熱溶融型導電材料溶融時の熱溶融型導電材料流延由来の熱電変換材料のチップ間及び隣接する電極間の短絡、並びに、接続不良を抑制し、高密度実装が可能なことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[3]を提供するものである。
[1]下記工程(A)~(E)を含む、熱電変換モジュールの製造方法。
(A)一対の基板のそれぞれの対向する表面に、離間したP型熱電変換材料のチップとN型熱電変換材料のチップとを交互に直列接続する複数の電極を形成する工程
(B)前記一対の基板のうち一方の基板に設けられた前記電極の少なくとも中央の領域、及び前記電極間に絶縁層を形成する工程
(C)前記一方の基板に設けられた前記電極に前記P型熱電変換材料のチップと前記N型熱電変換材料のチップとをそれぞれ離間して載置して、前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップと前記電極とを熱溶融型導電材料層Mを介して、リフロー法により接続する工程
(D)前記一対の基板のうち他方の基板に形成された前記電極を介して、前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップを狭持するように、前記一方の基板側に対向して前記他方の基板を配置する工程
(E)前記他方の基板に形成された前記電極と前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップとを熱溶融型導電材料層Nを介して、リフロー法により接続する工程
[2]前記熱溶融型導電材料層Mの溶融温度が、前記熱溶融型導電材料層Nの溶融温度より高い、上記[1]に記載の熱電変換モジュールの製造方法。
[3]前記絶縁層の厚さは、前記一方の基板に形成された前記電極のうち前記一方の基板側の面とは反対側の面から1μm以上で前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップの厚さ未満である、上記[1]又は[2]に記載の熱電変換モジュールの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱電変換材料のチップ間及び隣接する電極間の短絡、並びに、接続不良を抑制し、高密度実装が可能な熱電変換モジュールの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の熱電変換モジュールに従った工程の実施形態を説明するための断面模式図である。
本発明の熱電変換モジュールに用いた絶縁層のパターンの一例を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[熱電変換モジュールの製造方法]
本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、下記工程(A)~(E)を含むことを特徴としている。
(A)一対の基板のそれぞれの対向する表面に、離間したP型熱電変換材料のチップとN型熱電変換材料のチップとを交互に直列接続する複数の電極を形成する工程
(B)前記一対の基板のうち一方の基板に設けられた前記電極の少なくとも中央の領域、及び前記電極間に絶縁層を形成する工程
(C)前記一方の基板に設けられた前記電極に前記P型熱電変換材料のチップと前記N型熱電変換材料のチップとをそれぞれ離間して載置して、前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップと前記電極とを熱溶融型導電材料層Mを介して、リフロー法により接続する工程
(D)前記一対の基板のうち他方の基板に形成された前記電極を介して、前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップを狭持するように、前記一方の基板側に対向して前記他方の基板を配置する工程
(E)前記他方の基板に形成された前記電極と前記P型熱電変換材料のチップ及び前記N型熱電変換材料のチップとを熱溶融型導電材料層Nを介して、リフロー法により接続する工程
本発明の熱電変換モジュールの製造方法では、一対の基板のうち一方の基板に設けられた電極の少なくとも中央の領域、及び電極間に絶縁層を形成し、P型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップのそれぞれの一方の面と、熱溶融型導電材料層Mを介し電極とをリフロー法により接合した後、他方の基板に設けられた電極と、熱溶融型導電材料層Nを介しP型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップのそれぞれの他方の面とを、リフロー法により接合することにより、熱溶融型導電材料溶融時の熱溶融型導電材料流延由来の熱電変換材料のチップ間及び隣接する電極間の短絡、並びに、接続不良を抑制でき、高密度実装が可能になる。これにより、熱電変換モジュールの製造工程における歩留まりの向上につなげることができる。
【0010】
本明細書において、「熱電変換モジュールの中間体1」とは、「工程(C)におけるリフロー処理工程直前の熱電変換モジュールの上基板側の構成体」を意味する。また、「熱電変換モジュールの中間体2」とは、「工程(C)におけるリフロー処理工程直後の熱電変換モジュールの上基板側の構成体」を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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