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公開番号2025154296
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057213
出願日2024-03-29
発明の名称水素製造システム及び水素製造方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C25B 9/67 20210101AFI20251002BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】水素製造システム全体のエネルギ効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】水素製造システム1は、水素を製造する。水素製造システム1は、酸化性ガス及び水蒸気が供給され、供給された水蒸気を電気分解することで水素を生成するSOEC10と、給水を加熱することでSOEC10へ供給する水蒸気を生成する水蒸気生成部20と、SOEC10が熱中立点を超える運転点で運転するように、SOEC10に対して電力を供給する電源装置40と、を備えている。水蒸気生成部20は、SOEC10における発熱を利用して給水を加熱し、水素製造システム1の外部から供給される熱を用いずに水蒸気を生成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
水素を製造する水素製造システムであって、
酸化性ガス及び水蒸気が供給され、供給された水蒸気を電気分解することで水素を生成する固体酸化物形電解セルと、
給水を加熱することで前記固体酸化物形電解セルへ供給する水蒸気を生成する水蒸気生成部と、
前記固体酸化物形電解セルが熱中立点を超える運転点で運転するように、前記固体酸化物形電解セルに対して電力を供給する電源装置と、を備え、
前記水蒸気生成部は、前記固体酸化物形電解セルにおける発熱を利用して給水を加熱し、前記水素製造システムの外部から供給される熱を用いずに水蒸気を生成する水素製造システム。
続きを表示（約 830 文字）【請求項２】
前記水蒸気生成部は、前記固体酸化物形電解セルから排出された酸化性ガスと給水とを熱交換する第１熱交換部と、前記固体酸化物形電解セルで生成された水素と給水とを熱交換する第２熱交換部と、を有する請求項１に記載の水素製造システム。
【請求項３】
前記水蒸気生成部は、前記固体酸化物形電解セルにおける発熱のみで給水を加熱することで水蒸気を生成する請求項１または請求項２に記載の水素製造システム。
【請求項４】
前記固体酸化物形電解セルへ供給する酸化性ガスを圧縮する圧縮装置を備え、
前記水蒸気生成部は、前記圧縮装置で圧縮した酸化性ガスと給水とを熱交換する第３熱交換部を有する請求項１または請求項２に記載の水素製造システム。
【請求項５】
水素製造システムで水素を製造する方法であって、
前記水素製造システムは、
酸化性ガス及び水蒸気が供給され、供給された水蒸気を電気分解することで水素を生成する固体酸化物形電解セルと、
給水を加熱することで前記固体酸化物形電解セルへ供給する水蒸気を生成する水蒸気生成部と、
前記固体酸化物形電解セルが熱中立点を超える運転点で運転するように、前記固体酸化物形電解セルに対して電力を供給する電源装置と、を備え、
前記固体酸化物形電解セルにおいて、供給された水蒸気を電気分解することで水素を生成する水素生成工程と、
給水を加熱することで前記固体酸化物形電解セルへ供給する水蒸気を生成する蒸気生成工程と、
前記固体酸化物形電解セルが熱中立点を超える運転点で運転するように、前記固体酸化物形電解セルに対して電力を供給する電力供給工程と、を備え、
前記蒸気生成工程は、前記固体酸化物形電解セルにおける発熱を利用して給水を加熱し、前記水素製造システムの外部から供給される熱を用いずに水蒸気を生成する水素製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、水素製造システム及び水素製造方法に関するものである。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
水を電気化学的に分解して水素および酸素を製造する電解セルは、二酸化炭素の排出を伴わない水素製造法であり優れた環境特性を有している。このうち、固体酸化物形電解セル（ＳｏｌｉｄＯｘｉｄｅＥｌｅｃｔｒｏｌｙｓｉｓＣｅｌｌ：ＳＯＥＣ）は、電解質としてイットリア安定化ジルコニアなどのセラミックスが用いられ、高温の水蒸気を原料とするため他の電解セルに比べ高い効率で水素の製造が可能である。また、脱炭素化を目的として二酸化炭素（ＣＯ２）を原料とし電解水素を還元剤として利用し、直接一酸化炭素（ＣＯ）を製造する共電解も可能である。
【０００３】
ＳＯＥＣを備えた電解システムとして、例えば特許文献１に記載の電解システムが知られている。特許文献１には、電解セル（ＳＯＥＣ）スタックと、スタックへ供給する蒸気を発生させる蒸気発生器と、を備えるシステムが記載されている。蒸気発生器は、ＡＣ又はＤＣ抵抗加熱要素、又は誘導加熱要素を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２２－１８０３１６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ＳＯＥＣにおいて水素を製造するためには、水蒸気を要する。このため、システム外部（例：工場の蒸気送気ライン等）からの水蒸気をＳＯＥＣへ供給する場合を除き、水蒸気を給水から生成してＳＯＥＣへ供給する必要がある。
水蒸気を生成する方法として、例えば、特許文献１のように、ＡＣ又はＤＣ抵抗加熱要素等といった電力を用いる装置を利用する方法も考えられる。しかしながら、このような方法では、電力を使用することでシステム全体として消費電力が増大し、システム全体のエネルギ効率が低減する可能性があった。
【０００６】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、水素製造システム全体のエネルギ効率を向上させることができる水素製造システム及び水素製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために、本開示の水素製造システム及び水素製造方法は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る水素製造システムは、水素を製造する水素製造システムであって、酸化性ガス及び水蒸気が供給され、供給された水蒸気を電気分解することで水素を生成する固体酸化物形電解セルと、給水を加熱することで前記固体酸化物形電解セルへ供給する水蒸気を生成する水蒸気生成部と、前記固体酸化物形電解セルが熱中立点を超える運転点で運転するように、前記固体酸化物形電解セルに対して電力を供給する電源装置と、を備え、前記水蒸気生成部は、前記固体酸化物形電解セルにおける発熱を利用して給水を加熱すし、前記水素製造システムの外部から供給される熱を用いずに水蒸気を生成する。
【０００８】
本開示の一態様に係る水素製造方法は、水素製造システムで水素を製造する方法であって、前記水素製造システムは、酸化性ガス及び水蒸気が供給され、供給された水蒸気を電気分解することで水素を生成する固体酸化物形電解セルと、給水を加熱することで前記固体酸化物形電解セルへ供給する水蒸気を生成する水蒸気生成部と、前記固体酸化物形電解セルが熱中立点を超える運転点で運転するように、前記固体酸化物形電解セルに対して電力を供給する電源装置と、を備え、前記固体酸化物形電解セルにおいて、供給された水蒸気を電気分解することで水素を生成する水素生成工程と、給水を加熱することで前記固体酸化物形電解セルへ供給する水蒸気を生成する蒸気生成工程と、前記固体酸化物形電解セルが熱中立点を超える運転点で運転するように、前記固体酸化物形電解セルに対して電力を供給する電力供給工程と、を備え、前記蒸気生成工程は、前記固体酸化物形電解セルにおける発熱を利用して給水を加熱し、前記水素製造システムの外部から供給される熱を用いずに水蒸気を生成する。
【発明の効果】
【０００９】
本開示によれば、水素製造システム全体のエネルギ効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
本開示の実施形態に係る水素製造システムを示す概略構成図である。
本開示の実施形態に係るセルスタックの一態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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