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公開番号
2025141790
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-29
出願番号
2024218091
出願日
2024-12-12
発明の名称
電極
出願人
株式会社豊田中央研究所
,
株式会社デンソー
代理人
個人
,
個人
主分類
C25B
11/091 20210101AFI20250919BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】高温の水蒸気に曝されても電極構造の変化が少ない電極を提供すること。
【解決手段】電極は、電解質粒子と、Ni系粒子とを備えている。前記電解質粒子は、GdがドープされたCeO
2
(GDC)、及び/又は、Gd及びLaがドープされたCeO
2
(La-GDC)を含む。前記Ni系粒子は、Ni又はNi基合金からなるコアの表面の一部又は全部がNiO又はNiを含む複合酸化物からなるシェルで被覆されたコアシェル粒子からなる。前記GDCは、Gdの含有量が0mol%超20mol%以下であるものが好ましい。前記La-GDCは、Gdの含有量が0mol%超20mol%以下であり、Laの含有量が0mol%超20mol%以下であるものが好ましい。前記Ni系粒子の含有量は、30mass%以上70mass%以下が好ましい。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
電解質粒子と、
Ni系粒子と
を備え、
前記電解質粒子は、GdがドープされたCeO
2
(GDC)、及び/又は、Gd及びLaがドープされたCeO
2
(La-GDC)を含み、
前記Ni系粒子は、Ni又はNi基合金からなるコアの表面の一部又は全部がNiO又はNiを含む複合酸化物からなるシェルで被覆されたコアシェル粒子からなる
電極。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
シェルの面積比が0超0.98以下である請求項1に記載の電極。
但し、前記「シェルの面積比」とは、前記電極の断面における前記コアの面積(S
core
)に対する前記シェルの面積(S
shell
)の比(S
shell
/S
core
)をいう。
【請求項3】
前記シェルは、厚さが200nm以下である領域を含む請求項1に記載の電極。
【請求項4】
700℃における劣化速度が10%/h以下である請求項1に記載の電極。
但し、前記「劣化速度」とは、縦軸に耐久試験前後の前記電極の抵抗変化率:ΔR(%)、横軸に耐久試験時間:t(h)を取り、t=0hと40hの値を結んで求めた直線:ΔR=A×tの傾きAをいう。
【請求項5】
前記GDCは、Gdの含有量が0mol%超20mol%以下である請求項1に記載の電極。
但し、前記「Gdの含有量」とは、前記GDCに含まれるCeと前記Gdの総モル数に対する、前記Gdのモル数の割合をいう。
【請求項6】
前記La-GDCは、
Gdの含有量が0mol%超10mol%未満であり、
Laの含有量が0mol%超10mol%未満である
請求項1に記載の電極。
但し、
前記「Gdの含有量」とは、前記La-GDCに含まれるCeと前記Gdと前記Laの総モル数に対する、前記Gdのモル数の割合をいい、
前記「Laの含有量」とは、前記La-GDCに含まれる前記Ceと前記Gdと前記Laの総モル数に対する、前記Laのモル数の割合をいう。
【請求項7】
前記Ni系粒子の含有量が30mass%以上70mass%以下である請求項1に記載の電極。
但し、前記「Ni系粒子の含有量」とは、前記電解質粒子と前記Ni系粒子の総質量に対する、前記Ni系粒子の質量の割合をいう。
【請求項8】
前記空隙率が20%以上40%以下である請求項1に記載の電極。
但し、前記「空隙率」とは、水銀ポロシメータにより測定された値をいう。
【請求項9】
固体酸化物形電解セル(SOEC)用燃料極、又は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)用燃料極として用いられる請求項1に記載の電極。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極に関し、さらに詳しくは、固体酸化物形電解セル(SOEC)用燃料極、あるいは、固体酸化物形燃料電池(SOFC)用燃料極として好適な電極に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質として酸化物イオン伝導体を用いた燃料電池である。SOFCのアノード(燃料極)に、H
2
、CO、CH
4
などの燃料ガスを供給し、カソード(酸素極)にO
2
を供給すると、電極反応が進行し、電力を取り出すことができる。電極反応により生成したCO
2
やH
2
Oは、SOFC外に排出される。
一方、固体酸化物形電解セル(SOEC)は、SOFCと構造は同じであるが、SOFCとは逆の反応を起こさせるものである。すなわち、SOECのカソード(燃料極)にCO
2
やH
2
Oを供給し、電極間に電流を流すと、COやH
2
を生成させることができる。
【0003】
SOECは、電解質の一方の面にアノード(空気極)が接合され、他方の面にカソード(燃料極)が接合された単セルを備えている。このようなSOECを構成する部材の材料として、一般的には、以下のような材料が用いられている(非特許文献1~5参照)。
(a)電解質: イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、スカンジア・イットリア安定化ジルコニア(ScYSZ)、サマリアドープトセリア(SDC)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)など。
(b)空気極: ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)など。
(c)燃料極: Ni/YSZ、Ni/ScYSZ、Ni-Cu/YSZなど。
【0004】
特許文献1には、燃料極ではないが、セリアに対し、GdO
1.5
を10mol%超30mol%未満ドープした固体酸化物形燃料電池用の反応防止層が開示されている。
特許文献2には、燃料極材料の最適化を目的とするものではないが、拡散層から電解質層に向かってガスを拡散させるためのガス流路を備えた活性層が開示されている。
【0005】
SOECの燃料極には、一般に、Ni/YSZサーメットが用いられる。しかし、燃料極には、水素製造の原料となる水蒸気が高温下(700℃以上)で供給される。そのため、燃料極としてNi/YSZを用いたSOECを長時間使用すると、電解特性が次第に低下することが知られている。これは、燃料極が高温の水蒸気に曝されることによって、Ni粒子は酸化され、蒸気圧の低い水酸化ニッケルとなって蒸散するためと考えられる。その結果、燃料極の構造が変化すると考えられる。
【0006】
この問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献3~6には、Ni含有粒子と、A
2
O
3
(但し,A=Y、La、及び/又は、Sc)、CeO
2
及びZrO
2
の複合酸化物(ACZ)からなるACZ粒子とを含む燃料極が提案されている。
また、特許文献7には、Ni含有粒子と、Y、Sc、及びCeがドープされたZrO
2
からなるYScCZ粒子とを含むサーメットからなる活性層が提案されている。
しかしながら、燃料極に使用される電解質の最適化のみによって、SOECの耐久性を向上させるのは限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2018-142419号公報
特開2018-085200号公報
特開2020-155349号公報
特開2021-085061号公報
特開2020-167052号公報
特開2021-161467号公報
特開2022-074189号公報
【非特許文献】
【0008】
Ebbesen, S. D.; Hansen, J. B.; Morgensen, M. B. ECS Trans. 2013, 57, 3217.
Jensen, S. H.; Larsen, P. H.; Mogensen, M. Int. J. Hydrogen Energy 2007, 32, 3253.
Ullmann H.: Trofimenko N.: Tietz F.: Stoever D.: Ahmad-Khanlou A.: Solid State Ionics 2000, 138, 79.
Laguna-Bercero, M. A.; Skinner, S. J.; Kilner, J. A. J. Power Sources 2009, 192, 126.
Sune Dalgaard Ebbesen, Soeren Hoejgaard Jensen, Anne Hauch, and Morgens Bjerg Morgensen, Chem. Rev. 2014, 114, 10697
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、高温の水蒸気に曝されても電極構造の変化が少ない電極を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係る電極は、
電解質粒子と、
Ni系粒子と
を備え、
前記電解質粒子は、GdがドープされたCeO
2
(GDC)、及び/又は、Gd及びLaがドープされたCeO
2
(La-GDC)を含み、
前記Ni系粒子は、Ni又はNi基合金からなるコアの表面の一部又は全部がNiO又はNiを含む複合酸化物からなるシェルで被覆されたコアシェル粒子からなる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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