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公開番号2025165693
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-05
出願番号2024069926
出願日2024-04-23
発明の名称水電解セルスタック診断方法、水電解セルスタック診断システム
出願人東京瓦斯株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C25B 15/00 20060101AFI20251028BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】簡易に水電解セルスタックの劣化を診断する。
【解決手段】水電解セルスタック診断方法は、プロトン交換膜形水電解セルスタックに対して第1電圧印加時の劣化に応じた電流密度と電圧増加率との関係情報を有する劣化判定用データを予め用意し、診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックについて掃引電圧を供給して前記第1電圧での電流密度を判定用電流密度として検出し、検出された前記判定用電流密度に対応した前記劣化判定用データの電圧増加率に基づいて、前記診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックの劣化程度を判定する。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項１】
プロトン交換膜形水電解セルスタックに対して第１電圧印加時の劣化に応じた電流密度と電圧増加率との関係情報を有する劣化判定用データを予め用意し、
診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックについて掃引電圧を供給して前記第１電圧での電流密度を判定用電流密度として検出し、
検出された前記判定用電流密度に対応した前記劣化判定用データの電圧増加率に基づいて、前記診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックの劣化程度を判定する、
水電解セルスタック診断方法。
続きを表示（約 860 文字）【請求項２】
前記プロトン交換膜形水電解セルスタックに対して前記第１電圧と異なる第２電圧印加時の劣化に応じた電流密度と電圧増加率との関係情報を有する第２劣化判定用データを予め用意し、
前記診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックについて掃引電圧を供給して前記第２電圧での電流密度を第２判定用電流密度として検出し、
検出された前記第２判定用電流密度に対応した前記第２劣化判定用データの電圧増加率を加味して、前記診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックの劣化程度を判定する、
請求項１に記載の水電解セルスタック診断方法。
【請求項３】
前記第１電圧は、掃引電圧を供給した場合に、劣化状態に応じた電流密度の差が所定量以上となる部分の電圧で設定される、
請求項１に記載の水電解セルスタック診断方法。
【請求項４】
前記プロトン交換膜形水電解セルスタックは、電解質膜の一方面にアノード触媒層が形成され、前記電解質膜の他方面にカソード触媒層が形成された触媒層付き電解質膜を含む、
請求項１～請求項３のいずれか１項に記載の水電解セルスタック診断方法。
【請求項５】
前記アノード触媒層に含まれるアノード触媒が酸化イリジウムを含む、
請求項４に記載の水電解セルスタック診断方法。
【請求項６】
プロトン交換膜形水電解セルスタックに対して第１電圧印加時の劣化に応じた電流密度と電圧増加率との関係情報を有する劣化判定用データを予め記憶する記憶部と、
診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックについて掃引電圧を供給して前記第１電圧での電流密度を判定用電流密度として検出する検出部と、
検出された前記判定用電流密度に対応した前記劣化判定用データの電圧増加率に基づいて、前記診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックの劣化程度を判定する判定部と、
を備えた、水電解セルスタック診断システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、水を電気分解して水素と酸素を発生させる水電解セルスタックについての水電解セルスタック診断方法、及び水電解セルスタック診断システムに関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、固体高分子電解質膜を使用した水電解セルスタックで水を水素と酸素に電気分解する水分解システムが提案されている。当該水分解セルスタックの劣化状態を診断するためには、水電解セルスタックを解体して個々のセルや部材を分析する必要があり、劣化状態の診断に時間や労力を要していた。
【０００３】
特許文献１では、燃料電池のセルスタックについて、小さい部分負荷にて発電を行い、生成水によりセル電圧の上昇を監視し、所定の電圧に到達した時点で負荷を増加させ、セル電圧の変化の傾きを監視しながら湿潤状態を回復させる長期保管中の燃料電池の運転方法が提案されている。特許文献１に記載される技術は、燃料電池スタックの湿潤状態を判定するもので、水電解セルのアノード触媒の劣化度を診断できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１０－０８６６９２号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本開示は、上記事実を考慮してなされたものであり、簡易に水電解セルスタックの劣化を診断する水電解セルスタック診断方法、及び水電解セルスタック診断システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
第１の態様の水電解セルスタック診断方法は、プロトン交換膜形水電解セルスタックに対して第１電圧印加時の劣化に応じた電流密度と電圧増加率との関係情報を有する劣化判定用データを予め用意し、診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックについて掃引電圧を供給して前記第１電圧での電流密度を判定用電流密度として検出し、検出された前記判定用電流密度に対応した前記劣化判定用データの電圧増加率に基づいて、前記診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックの劣化程度を判定する。
【０００７】
プロトン交換膜形水電解セルスタックは、劣化に応じて電流密度に対する電圧増加率が高くなる。そこで、第１の態様の水電解セルスタック診断方法は、劣化状態に応じた、第１電圧印加時の電流密度と電圧増加率との関係情報を劣化判定用データとして予め用意しておく。次に、診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックについて掃引電圧を供給して、第１電圧での電流密度を判定用電流密度として検出する。そして、検出された判定用電流密度に対応した劣化判定用データの電圧増加率に基づいて、診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックの劣化程度を判定する。
【０００８】
このようにして、診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックを、解体したり個々のセルや部材を分析したりすることなく、劣化程度を簡易に診断することができる。
【０００９】
第２の態様の水電解セル診断方法は、前記プロトン交換膜形水電解セルスタックに対して前記第１電圧と異なる第２電圧印加時の劣化に応じた電流密度と電圧増加率との関係情報を有する第２劣化判定用データを予め用意し、前記診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックについて掃引電圧を供給して前記第２電圧での電流密度を第２判定用電流密度として検出し、検出された前記第２判定用電流密度に対応した前記第２劣化判定用データの電圧増加率を加味して、前記診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックの劣化程度を判定する。
【００１０】
第２の態様の水電解セルスタック診断方法は、プロトン交換膜形水電解セルスタックに対して第１電圧と異なる第２電圧印加時の劣化に応じた電流密度と電圧増加率との関係情報を有する第２劣化判定用データを予め用意しておく。次に、前記診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックについて掃引電圧を供給して第２電圧での電流密度を第２判定用電流密度として検出する。そして、検出された第２判定用電流密度に対応した第２劣化判定用データの電圧増加率を加味して、診断対象のプロトン交換膜形水電解セルスタックの劣化程度を判定する。
（【００１１】以降は省略されています）

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