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公開番号2025168654
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-11
出願番号2025068759
出願日2025-04-18
発明の名称触媒活性材料による陰イオン交換膜の直接コーティング
出願人エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー,Evonik Operations GmbH
代理人弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類C25B 11/075 20210101AFI20251104BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】本発明は、触媒活性物質による陰イオン交換膜(AEM)のコーティングに関する。このようにして得られたCCMは、電気化学セル、特にアルカリ水電解に使用される。本発明の目的は、AEMの必要な平坦性を維持し、理想的には、除去型フィルムの使用を回避し、CMR物質を回避する、直接コーティングによってCCMを作成する方法を提供することであった。膨潤も最小限に抑えなければならない。このプロセスは、フッ素を含まないイオノマーでも実施可能でなければならない。
【解決手段】本発明は、特定の有機物質の添加が、AEMが膨潤するとしても、わずかな程度にしか膨潤しないという結果をもたらすという知見に基づく(抗膨潤剤)。驚くべきことに、抗膨潤剤として適した物質は、それらの溶解性挙動、より具体的にはそれらのハンセンパラメータによって識別可能であることが見出された。
図4は、要約に付随する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
以下の非時系列工程を含む、コーティングされた陰イオン交換膜を製造する方法であって、
a)少なくとも以下の成分:
i)電極触媒と、
ii)溶媒と、
iii)陰イオン伝導性ポリマーと
を含む、粘性組成物を提供する工程と、
b)少なくとも1つの膜材料を含む陰イオン交換膜を提供する工程と、
c)前記陰イオン交換膜に前記粘性組成物を塗布する工程と、
d)前記陰イオン交換膜に塗布された前記粘性組成物を乾燥させる工程と、
e)少なくとも片側に前記電極触媒および前記陰イオン伝導性ポリマーを含む層を含む、コーティングされた陰イオン交換膜を得る工程であって、前記電極触媒が前記陰イオン伝導ポリマーを介して前記膜材料に接合されている、工程と、を含み、
前記陰イオン伝導ポリマー、前記膜材料および前記溶媒は、前記陰イオン伝導ポリマーおよび前記膜材料がそれぞれ前記溶媒に可溶性であるように互いに適合するように選択され、
前記粘性組成物が、以下の成分:
iv)前記溶媒とは異なる有機物質であって、
ハンセン溶解度パラメータδD、δPおよびδHが以下の範囲:
15MPa
0.5
<δD<35MPa
0.5
6MPa
0.5
<δP<15MPa
0.5
2.5MPa
0.5
<δH<7.1MPa
0.5
である前記有機物質を追加的に含むことを特徴とする、方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記有機物質が、以下の物質:(1S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-オン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、ベンゾニトリル、アセトン、ブタノン、アセトフェノンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒が、以下の物質:ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、アセトニトリルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒が、列挙された群から選択される2つ以上の物質を含有する溶媒混合物であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記陰イオン伝導ポリマーが、前記溶媒または前記溶媒混合物に完全に溶解されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記電極触媒が粒子形態であり、以下の元素:イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、マンガン(Mn)、タングステン(W)、白金(Pt)、硫黄(S)、スズ(Sn)、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、セリウム(Ce)からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有し、前記元素がその純粋な形態で、または酸化物として、または水酸化物として、または酸化水酸化物として、またはリン化物として存在することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記電極触媒が、炭素(Pt/C)に担持された白金もしくは白金合金またはニッケル-鉄(酸化物)水酸化物(NiFe





)またはニッケル-鉄リン化物(NiFe



)であり、前記指数a、bおよびcがそれぞれ、0~8の範囲の実数であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記粘性組成物が、以下の成分:
v)分散媒体であって、
前記溶媒または前記溶媒混合物とも前記有機物質とも同一ではない前記分散媒体をさらに含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記分散媒体が水であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記成分の重量分率が、いずれの場合も前記粘性組成物の総重量に基づいて、以下の範囲であり、但し、ここに列挙された全ての成分の重量分率の合計が100重量%を超えないことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
TIFF
2025168654000008.tif
39
127
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒活性材料による陰イオン交換膜のコーティングに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
触媒的に活性にコーティングされた陰イオン交換膜は、電気化学セル、特に水電解に使用される。
【0003】
陰イオン交換膜(AEM)は、電気化学セルに設置される。これらは、一般に、陽極および陰極から反応生成物を分離し、負に帯電したイオン(陰イオン)を陽極に向けて伝導するために使用される。これにより、セル内で実施される電気化学反応がより効率的になり、より安全になり、またはそもそも可能になる。
【0004】
陰イオン交換膜を用いて行われる電気化学プロセスの例は、アルカリ水電解による水素および酸素の生成である。これは、セルの電極間のセパレータとして陰イオン交換膜を使用することによって行われる。このため、このプロセスはAEM水電解(AEMWE)とも呼ばれる。反応はアルカリ媒体中で起こるため、AEM水電解はしばしばアルカリ膜水電解とも呼ばれる。
【0005】
AEM系水電気分解の場合、電気化学セルを水または塩基性水系電解質で満たし、陽極と陰極との間に電圧を印加する。陰極側では、水(H

O)は水素(H

)と水酸化物イオン(OH

)とに分解される(式K)。陰イオン交換膜は水酸化物イオンを陽極側に輸送し、そこでそれらは酸素(O

)に酸化される(式A)。これにより、陽極側に酸素が形成され、陰極側に水素が形成される。したがって、陽極側は酸素側とも呼ばれ、陰極側は水素側とも呼ばれる。
【0006】
2H

O+2e-→H

+2OH

(K)還元/陰極反応
2OH-→1/2O

+H

O+2e

(A)酸化/陽極反応
記載された効果を可能にするために、陰イオン交換膜は、陽極と陰極との間で水酸化物イオンを伝導しなければならない。イオン伝導度とは別に、陽極と陰極との間に電気的短絡がないように、同時に可能な限り電気絶縁性でなければならない。最後に、陰イオン交換膜は、形成されるガスの逆混合を回避するために、可能な限りガス透過性が低くなければならない。さらに、陰イオン交換膜は、AEM水電気分解に存在するアルカリ性条件に耐性でなければならない。これらの特性は、特定の陰イオン伝導ポリマー(陰イオン伝導イオノマーとしても知られる)によって満たされる。陰イオン交換膜は、そのような陰イオン伝導性モノマーで完全にまたは少なくとも部分的に作製される。AEMは、典型的には、平膜の形態で存在する。
【0007】
電気化学セル内の反応を促進するために、触媒活性または活性化可能な材料(電極触媒としても知られる)が陰極側および陽極側の両方に組み込まれる。これは、触媒活性層をセルに導入することによって、またはセル構成要素の触媒活性コーティングによって達成される。これらが、目的のためにセルに特別に導入された基材上もしくは多孔質輸送層上に存在してもよく(触媒コーティング基材、CCS)、または膜が触媒活性材料で直接コーティングされてもよい(触媒コーティング膜、CCM)。
【0008】
AEM水電解で現在使用されている電気化学セルの構造および材料の優れた概要は、以下によって与えられる。
【0009】
Miller,Hamish Andrew et al:Green hydrogen from anion exchange membrane water electrolysis:a review of recent developments in critical materials and operating conditions.Sustainable Energy Fuels,2020,4,2114 DOI:10.1039/c9se01240k
材料の選択および動作条件に関する基本的な問題に対処した後、電気化学プロセスを動作させるためのシステムの開発において生じる問題は、電気化学セルの個々の構成要素を工業規模でどのように製造することができるかである。
【0010】
したがって、電気化学セルの内部抵抗を可能な限り低く保つことが、エネルギー効率にとって重要である。これは、電極を特にセパレータの近くに配置し、また電極触媒をそれぞれの電極の可能な限り近くに配置することによって、コンパクトな構造で可能にすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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