特許ウォッチ

公開番号2025153628
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056193
出願日2024-03-29
発明の名称電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
主分類G03G 5/147 20060101AFI20251002BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】高温高湿環境下での印刷時において画像の階調性が良好となり、低濃度で印刷した箇所が設定通りに印刷される電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に感光層と保護層を順次備えた電子写真感光体であって、保護層が硬化性化合物の硬化物及び下記式(a)で表される化合物で表面処理された金属酸化物粒子を含有する電子写真感光体。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025153628000022.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">43</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式(a)中、R¹は炭素数1以上3以下のアルコキシ基を表す。R²はい炭素数1以上3以下のアルキル基、フェニル基を表す。R³はフェニル基、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数3以上10以下のシクロアルキル基を表す。mは2又は3である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層を順次備えた電子写真感光体であって、
前記保護層が、硬化性化合物の硬化物、及び、下記式（ａ）で表される化合物で表面処理された金属酸化物粒子を含有する電子写真感光体。
TIFF
2025153628000021.tif
43
170
（式（ａ）中、Ｒ
１
は炭素数１以上３以下のアルコキシ基を表す。Ｒ
２
は置換基を有していてもよい炭素数１以上３以下のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。Ｒ
３
は置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい炭素数１以上１０以下のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数３以上１０以下のシクロアルキル基を表す。ｍは２又は３である。）
続きを表示（約 350 文字）【請求項２】
前記式（ａ）中、前記Ｒ
１
がメトキシ基又はエトキシ基である、請求項１に記載の電子写真感光体。
【請求項３】
前記式（ａ）中、前記ｍが３である、請求項１又は２に記載の電子写真感光体。
【請求項４】
前記硬化性化合物が多官能アクリレート又は多官能メタクリレートである、請求項１又は２に記載の電子写真感光体。
【請求項５】
前記金属酸化物粒子のバンドギャップが２ｅＶ以上４ｅＶ以下である、請求項１又は２に記載の電子写真感光体。
【請求項６】
請求項１又は２に記載の電子写真感光体を備えた電子写真感光体カートリッジ。
【請求項７】
請求項１又は２に記載の電子写真感光体を備えた画像形成装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体、これを用いたカートリッジ及び画像形成装置に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
プリンター及び複写機などでは、帯電した有機系感光体（ＯＰＣ）ドラムに光を照射すると、その部分が除電されて静電潜像が生じ、静電潜像にトナーが付着することにより画像を得ることができる。このように電子写真技術を利用した機器において、感光体は基幹部材である。
【０００３】
この種の有機系感光体は、材料選択の余地が大きく、感光体の特性を制御し易いことから、負電荷の発生と移動の機能を別々の化合物に分担させる“機能分離型の感光体”が主流となってきている。例えば、電荷発生材料（ＣＧＭ）と電荷輸送材料（ＣＴＭ）を同一層中に有する単層型の電子写真感光体（以下、単層型感光体という）と、電荷発生材料（ＣＧＭ）を含有する電荷発生層と電荷輸送材料（ＣＴＭ）を含有する電荷輸送層を積層してなる積層型の電子写真感光体（以下、積層型感光体という）とが知られている。また、感光体の帯電方式としては、感光体表面を負電荷に帯電させる負帯電方式と、感光体表面を正電荷に帯電させる正帯電方式を挙げることができる。
現在実用化されている感光体の層構成と帯電方式の組み合わせとしては、“負帯電積層型感光体”と、“正帯電単層型感光体”とを挙げることができる。
【０００４】
“負帯電積層型感光体”は、アルミニウム管等の導電性支持体上に、樹脂等からなる下引き層（ＵＣＬ）を設け、その上に電荷発生材料（ＣＧＭ）と樹脂などからなる電荷発生層（ＣＧＬ）を設け、さらにその上に、正孔輸送材料（ＨＴＭ）と樹脂などからなる電荷輸送層（ＣＴＬ）を設けてなる構成を有するものが一般的である。
【０００５】
一方で、“正帯電単層型感光体”は、アルミニウム管等の導電性支持体上に、樹脂等からなる下引き層（ＵＣＬ）を設け、その上に電荷発生材料（ＣＧＭ）、正孔輸送材料（ＨＴＭ）及び電子輸送材料（ＥＴＭ）と樹脂などからなる単層の感光層を設けてなる構成を有するものが一般的である（例えば特許文献１参照）。
【０００６】
いずれの感光体においても、コロナ放電方式や接触方式で感光体表面を帯電させた後、感光体を露光して表面電荷を中和することで、周囲表面との電位差による静電潜像を形成する。その後、トナーを感光体表面に接触させて、静電潜像に対応するトナー像を形成し、これを紙などに転写・加熱溶融定着させることでプリントが完成する。
【０００７】
上述のように、電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を形成したものが基本構成であるが、耐摩耗性等を改良する目的で、感光層上に保護層を設けることが行われている。
【０００８】
感光体表面の機械的強度ないし耐摩耗性を改良する技術としては、感光体の最表層にバインダー樹脂として、連鎖重合性官能基を有する化合物すなわち硬化性樹脂化合物を含有する層を形成し、これに熱や光、放射線などのエネルギーを与えることで重合させて硬化樹脂層（保護層）を形成した感光体が開示されている（例えば特許文献１、２を参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
米国特許第９４１７５３８号明細書
国際公開第２０１０／０３５６８３号
特開２０１１－１７０１２９号公報
特開２０１０－１０７６９６号公報
特開２０１４－１４５８９１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
感光層上に設けられる保護層に、保護層の電気特性を高めるために、金属酸化物粒子を含有させることが知られている。しかし、酸化チタン等の金属酸化物粒子を含有して保護層を形成すると、高温高湿環境下で画像形成を行うと、画像の階調性が低下し、低濃度の印刷箇所が設定よりも薄く印刷される傾向があることが分かってきた。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許