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公開番号2025154074
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056874
出願日2024-03-29
発明の名称樹脂組成物、ペレット、および、成形品
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C08L 67/02 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエチレンテレフタレート樹脂と、シリコーンと、ガラス繊維を含む樹脂組成物であって、摺動性と外観に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物、ならびに、ペレットおよび成形品の提供。
【解決手段】 ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエチレンテレフタレート樹脂と、シリコーンと、ガラス繊維を含む樹脂組成物であって、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量部中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合が50質量部超99質量部以下であり、樹脂組成物中のシリコーンの割合が、0.3~1質量%である、樹脂組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエチレンテレフタレート樹脂と、シリコーンと、ガラス繊維を含む樹脂組成物であって、
前記ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量部中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合が50質量部超99質量部以下であり、
前記樹脂組成物中のシリコーンの割合が、0.3~1質量%である、樹脂組成物。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量部中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合が70質量部以上90質量部以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂組成物中のガラス繊維の割合が40~70質量%である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記シリコーンがシリコーンオイルを含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量部中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合が70質量部以上90質量部以下であり、
前記樹脂組成物中のガラス繊維の割合が40~70質量%であり、
前記シリコーンが、シリコーンオイルを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1、2または5の樹脂組成物のペレット。
【請求項7】
請求項1、2または5の樹脂組成物から形成された成形品。
【請求項8】
請求項6に記載のペレットから形成された成形品。
【請求項9】
車両外装機部品である、請求項7の成形品。
【請求項10】
ドアミラー部材である、請求項7の成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、ペレット、および、成形品に関する。特に、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とを含む樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ポリブチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂に代表されるポリアルキレンテレフタレート樹脂は、機械的強度、耐薬品性および電気絶縁性等に優れることから、電気電子機器部品、自動車用内外装部品その他の電装部品、機械部品等に広く用いられている(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2017/165263号
国際公開第2016/117586号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通り、ポリブチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂に代表されるポリアルキレンテレフタレート樹脂が各種用途に用いられている。ここで、ポリアルキレンテレフタレート樹脂にガラス繊維を配合した樹脂組成物についても、摺動性が求められる場合がある。
しかしながら、ガラス繊維を配合したポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物から形成された成形品は、ガラス繊維が他の部材等に引っかかってしまうことがあり、摺動性が悪化する傾向にある。また、ガラス繊維と摺動剤を配合したポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物から形成された成形品は、外観が劣る傾向にある。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエチレンテレフタレート樹脂と、シリコーンと、ガラス繊維を含む樹脂組成物であって、摺動性と外観に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物、ならびに、ペレットおよび成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、樹脂組成物に含まれるポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂のうち、ポリエチレンテレフタレート樹脂の配合比率を多くし、かつ、シリコーンの配合比率を精密に調整することにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエチレンテレフタレート樹脂と、シリコーンと、ガラス繊維を含む樹脂組成物であって、
前記ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量部中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合が50質量部超99質量部以下であり、
前記樹脂組成物中のシリコーンの割合が、0.3~1質量%である、樹脂組成物。
<2>前記ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量部中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合が70質量部以上90質量部以下である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記樹脂組成物中のガラス繊維の割合が40~70質量%である、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記シリコーンがシリコーンオイルを含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>前記ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量部中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合が70質量部以上90質量部以下であり、
前記樹脂組成物中のガラス繊維の割合が40~70質量%であり、
前記シリコーンが、シリコーンオイルを含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6><1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物のペレット。
<7><1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形品。
<8><6>に記載のペレットから形成された成形品。
<9>車両外装機部品である、<6>または<7>の成形品。
<10>ドアミラー部材である、<6>または<7>の成形品。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエチレンテレフタレート樹脂と、シリコーンと、ガラス繊維を含む樹脂組成物であって、摺動性と外観に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物、ならびに、ペレットおよび成形品を提供可能になった。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書で示す規格で説明される測定方法等が年度によって異なる場合、特に述べない限り、2024年1月1日時点における規格に基づくものとする。本明細書で示す規格で説明される測定方法等が2024年1月1日時点で廃止となっている場合、廃止時点の規格に基づくものとする。
【0008】
本実施形態の樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエチレンテレフタレート樹脂と、シリコーンと、ガラス繊維を含む樹脂組成物であって、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量部中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合が50質量部超99質量部以下であり、樹脂組成物中のシリコーンの割合が、0.3~1質量%であることを特徴とする。
このような構成とすることにより、ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエチレンテレフタレート樹脂と、シリコーンと、ガラス繊維を含む樹脂組成物であって、摺動性と外観に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物を提供可能になる。
【0009】
本実施形態においては、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とガラス繊維を含む樹脂組成物において、樹脂組成物中の添加量が0.3~1質量%となるように、シリコーンの配合量を調整している。シリコーンは摺動剤として知られているが、シリコーンの配合量が少ないと成形品としたときに表面に出にくく、摺動性が達成されにくい傾向にある。一方、シリコーンの配合量が多いと、表面外観を悪化させたり、物性低下を起こす傾向にある。
そこで、本実施形態においては、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量部中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合を50質量部超99質量部以下としている。ポリエチレンテレフタレート樹脂は、ポリブチレンテレフタレート樹脂よりも結晶化しにくいため、ポリエチレンテレフタレート樹脂の割合を増やすことにより、成形品としたときに、シリコーンが表面に出やすくなり、上記シリコーン量でも、優れた摺動性を達成できたと推測される。
特に、ガラス繊維を含む樹脂組成物から形成された成形品においては、ガラス繊維が引っかかるため摺動性が低下しやすいが、本実施形態では、ガラス繊維を多く配合しても、外観も維持することができる。
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、これらの内容に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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