TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025152687
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024054709
出願日2024-03-28
発明の名称クメン、フェノール、α-メチルスチレンを製造する方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C07C 1/24 20060101AFI20251002BHJP(有機化学)
要約【課題】フェノール、α-メチルスチレン二量体、ジメチルフェニルカルビノール、およびクミルフェノールを含む液体(例えばフェノール蒸留残渣)から工業的に有用な物質とされるクメン、フェノール、α-メチルスチレンを安価に高効率で回収しうる工業的に有用なクメン、フェノール、α-メチルスチレンを含む液体を製造する方法を提供する。
【解決手段】フェノール、α-メチルスチレン二量体、ジメチルフェニルカルビノール、およびクミルフェノールを含む液体(A)を、鉄および亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の、金属または金属イオン状態の触媒成分の存在下、200~350℃の条件で熱分解させて、前記液体(A)よりもクメン、フェノール、およびα-メチルスチレン含有率が高い液体(B)を製造する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フェノール、α-メチルスチレン二量体、ジメチルフェニルカルビノール、およびクミルフェノールを含む液体(A)を、鉄および亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の、金属または金属イオン状態の触媒成分の存在下、200~350℃の条件で熱分解させて、前記液体(A)よりもクメン、フェノール、およびα-メチルスチレン含有率が高い液体(B)を製造する方法。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記触媒成分が鉄金属を含み、該触媒成分中の鉄金属の含有率が89.5~100質量%である請求項1に記載の液体(B)を製造する方法。
【請求項3】
前記触媒成分が亜鉛金属を含み、該触媒成分中の亜鉛金属の含有率が95.0~100質量%である請求項1に記載の液体(B)を製造する方法。
【請求項4】
前記触媒成分が、粒子形状の触媒成分である請求項1~3のいずれか一項に記載の液体(B)を製造する方法。
【請求項5】
フェノール、α-メチルスチレン二量体、ジメチルフェニルカルビノール、およびクミルフェノールを含む液体(A)と、
鉄化合物および亜鉛化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの固体とを接触させ、
フェノール、α-メチルスチレン二量体、ジメチルフェニルカルビノール、およびクミルフェノールを含む液体(A)と、鉄および/または亜鉛とを含む反応溶液(α)を製造する方法。
【請求項6】
鉄化合物の鉄金属含有率が89.5~100質量%である、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
液体(A)と、鉄化合物および亜鉛化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの固体との接触を、鉄化合物および亜鉛化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの固体の流通式固定床を用いる、請求項5に記載の反応溶液(α)製造方法。
【請求項8】
液体(A)と、鉄化合物および亜鉛化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの固体との接触を、回分式反応槽で行う、請求項5に記載の反応溶液(α)製造方法。
【請求項9】
前記接触を100℃以上、200℃未満で行う、請求項5に記載の反応溶液(α)製造方法。
【請求項10】
前記鉄化合物が鉄金属である、請求項5に記載の反応溶液(α)製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クメン、フェノール、α-メチルスチレンを製造する方法に関し、より詳細には、例えばクメンの酸素酸化によってフェノールとアセトンとを製造するプロセスにおいて生成する副生成物を含む反応混合物の様な原料液体から、クメン、フェノール、α-メチルスチレンなどの有用物質を高めた液体を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
フェノールは合成樹脂、界面活性剤、医薬品などの合成中間体として広く用いられている化合物である。このようなフェノールの製造方法としては種々の方法が知られているが、クメンを酸素酸化してクメンヒドロペルオキシドを合成し、このクメンヒドロペルオキシドを酸によって分解してフェノールとアセトンとを製造するクメン法が主として行なわれている。
【0003】
上記のようなクメンの酸素酸化によるクメン法でフェノールを製造しようとすると、ジメチルフェニルカルビノール、アセトフェノン、α-メチルスチレン、α-メチルスチレン二量体、クミルフェノールなどの副生成物が生成することは避けられず、反応後に得られる反応混合物中には、フェノール、アセトンに加えて、上記のような副生成物が存在している。従って、このような反応混合物からクメン、フェノールおよびアセトンを蒸留分離した後に得られる蒸留残渣(以下「フェノール蒸留残渣」ということがある)には、ジメチルフェニルカルビノール、α-メチルスチレン二量体、クミルフェノールなどの副生成物が存在している。この副生成物を有用物質に変換させて回収することは、クメン法によるフェノールの製造コストを削減するためには極めて重要なことである。
【0004】
従来、このフェノール蒸留残渣からのクメン、フェノール、α-メチルスチレンなどの有用物質の回収は、フェノール蒸留残渣を熱分解した後に蒸留するなどして行なわれてきた。しかしながら、フェノール蒸留残渣を熱分解する従来法では、分解に長時間を要し、しかも、クメン、フェノール、α-メチルスチレンの回収率は低いという問題点があった。
【0005】
このような問題点を解決するため、特許文献1には、クメン法によりフェノールを製造するに際して、フェノール蒸留残渣を熱分解するにあたり、γ-アルミナなどのアルミナ系触媒またはシリカ-アルミナ、酸性白土、合成ゼオライトなどのシリカ-アルミナ系触媒の存在下に、あるいは、これらの触媒と酸との共存下に熱分解することを特徴とする、フェノール蒸留残渣からクメン、フェノール、α-メチルスチレンなどの有用物質を回収する方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、フェノール蒸留残渣を熱分解するにあたり、粒子径が0.02~10μmであるMg、Al、Si、Zn、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属塩化物や金属酸化物などの金属化合物触媒をフェノール蒸留残渣中に10~1,000質量ppmの量で存在させて、熱分解することを特徴とする、フェノール蒸留残渣からクメン、フェノール、α-メチルスチレンなどの有用物質を回収する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特公昭59-36892号公報
特許第254307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1に具体的に開示されている実施例によれば、シリカ-アルミナ触媒としては粒子径が大きく、しかもAl
2

3
とSiO
2
の比が10:90~50:50であるシリカ-アルミナ触媒が用いられ、その上反応温度を最終的に340~350℃にまで高めている。また、ジメチルフェニルカルビノール、α-メチルスチレン二量体、オルトクミルフェノール、パラクミルフェノールからのα-メチルスチレンの回収率は70~100%と高いが、フェノールの回収率は3~30%であった。
【0009】
また、前記特許文献2に開示されている実施例によれば、触媒の金属化合物として塩化亜鉛、塩化鉄を使用している。当該実施例のフェノール収率は、比較例に比して改善しているが、高くても85モル%であり、また、その算出方法も開示されていない。この為、蒸留残渣からのフェノール収率をさらに高めることが望まれるであろう。
【0010】
すなわち、従来の製造方法には、フェノール蒸留残渣からクメン、フェノール、α-メチルスチレンなどの有用物質を工業的に回収しうるという観点において改善の余地があった。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

三井化学株式会社
混練装置
1か月前
三井化学株式会社
手術用器具
28日前
三井化学株式会社
充電コネクタ
27日前
三井化学株式会社
空中結像システム
29日前
三井化学株式会社
ドローン用ブレード
28日前
三井化学株式会社
樹脂組成物及び成形体
23日前
三井化学株式会社
樹脂組成物及び成形体
23日前
三井化学株式会社
バックドア及び移動体
27日前
三井化学株式会社
自動車内装材用積層体
27日前
三井化学株式会社
サイドドアおよび移動体
28日前
三井化学株式会社
サイドドアおよび移動体
28日前
三井化学株式会社
樹脂組成物および接着剤
27日前
三井化学株式会社
重合体組成物および成形体
28日前
三井化学株式会社
アンダーカバー及び移動体
1か月前
三井化学株式会社
光学材料及びその製造方法
1か月前
三井化学株式会社
繊維および繊維の製造方法
29日前
三井化学株式会社
エチレン共重合体の製造方法
23日前
三井化学株式会社
熱可塑性エラストマー組成物
28日前
三井化学株式会社
絶縁電線、コイル及びモータ
29日前
三井化学株式会社
粘着付与剤および粘着性組成物
28日前
三井化学株式会社
極性重合体組成物および成形体
27日前
三井化学株式会社
繊維強化樹脂組成物および成形体
27日前
三井化学株式会社
多孔質膜及び多孔質膜の製造方法
1か月前
三井化学株式会社
積層体、包装材、蓋材およびラベル
28日前
三井化学株式会社
エラストマー組成物およびその用途
1日前
三井化学株式会社
非水電解液及び非水電解液二次電池
27日前
三井化学株式会社
固体組成物及び固体組成物の製造方法
27日前
三井化学株式会社
シートフレーム、シート、及び移動体
1か月前
三井化学株式会社
オレフィン系重合体組成物および成形体
27日前
三井化学株式会社
延伸成形体および延伸成形体の製造方法
29日前
三井化学株式会社
ゴム組成物、架橋体、成形体、放熱シート
1か月前
三井化学株式会社
環状オレフィン系共重合体および光学部品
28日前
三井化学株式会社
正浸透膜エレメント及び多孔質膜の製造方法
28日前
三井化学株式会社
延伸フィルムおよび延伸フィルムの製造方法
28日前
三井化学株式会社
熱可塑性エラストマー組成物、および成形品
27日前
三井化学株式会社
延伸フィルムおよび延伸フィルムの製造方法
1か月前
続きを見る