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公開番号2025149892
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2025017329
出願日2025-02-05
発明の名称イオン液体化色素の製造方法、それを用いたガスセンサ材料の製造方法、ガスセンサ、化合物の検知方法及び測定対象ガスに含まれている化学種の塩基性度若しくは酸性度を調べる方法
出願人学校法人東京電機大学
代理人個人
主分類C09B 69/02 20060101AFI20251001BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】基材に含浸させた状態でも検出対象化合物と接触した際の色調変化を明確に把握できるイオン液体化色素の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、各置換基に含まれる炭素数の合計が10~40となる1又は2以上の置換基を備えたカチオンの塩をイオン交換法により上記カチオンの水酸化物に転換するイオン交換工程と、酸性基を備えた色素化合物と上記カチオンの水酸化物とを反応させることでイオン液体化色素を調製する反応工程と、を備えることを特徴とするイオン液体化色素の製造方法である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
各置換基に含まれる炭素数の合計が10~40となる1又は2以上の置換基を備えたカチオンの塩をイオン交換法により前記カチオンの水酸化物に転換するイオン交換工程と、
塩基性化合物と塩を形成する又は既に塩である色素化合物と前記カチオンの水酸化物とを反応させることでイオン液体化色素を調製する反応工程と、を備えることを特徴とするイオン液体化色素の製造方法。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記カチオンの塩が、4つのアルキル基に含まれる炭素数の合計が10~40であるテトラアルキルホスホニウム塩である請求項1記載のイオン液体化色素の製造方法。
【請求項3】
前記テトラアルキルホスホニウム塩が、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム塩である請求項2記載のイオン液体化色素の製造方法。
【請求項4】
前記イオン交換工程が、アニオン交換樹脂を用いて行われる請求項1記載のイオン液体化色素の製造方法。
【請求項5】
前記色素化合物が、スルホ基、カルボキシ基、又はフェノール性水酸基を備える請求項1記載のイオン液体化色素の製造方法。
【請求項6】
前記色素化合物が、ブロモチモールブルー、チモールブルー、ブロモクレゾールパープル、メチルオレンジ又はローズベンガルである請求項1記載のイオン液体化色素の製造方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載のイオン液体化色素の製造方法で得たイオン液体化色素そのものを、又はその色素イオンを基材に含浸又は塗布してなるものをガスセンサ材料とすることを特徴とするガスセンサ材料の製造方法。
【請求項8】
検出対象が酸性又は塩基性化合物である請求項7記載のガスセンサ材料の製造方法。
【請求項9】
請求項7記載の製造方法で得たガスセンサ材料を構成部材として含むことを特徴とするガスセンサ。
【請求項10】
請求項7記載の製造方法で得たガスセンサ材料に対して測定対象ガスを曝露し、その曝露に伴う前記ガスセンサ材料の発色の変化をもとに、前記測定対象ガスに含まれている可能性のある化学種候補の中から実際に含まれている化学種を識別することを特徴とする化合物の検知方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン液体化色素の製造方法、それを用いたガスセンサ材料の製造方法、ガスセンサ、化合物の検知方法及び測定対象ガスに含まれている化学種の塩基性度若しくは酸性度を調べる方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
アンモニア等のような塩基性ガスや塩化水素等のような酸性ガスは、各種の化学品の合成に用いられる有用な化合物であり、現代の化学産業において大量に生産及び消費されているのは周知の通りである。しかし、これらのガスは、その有用さの反面、高濃度のものは人体に対して有害であったり、例えば悪臭防止法で大気中の濃度が規制されないような低濃度であっても環境に影響を与えたりすることは広く知られるところである。
【0003】
以上のことから、各種のガスセンサが用いられている。例えば、特許文献1には窒素酸化物ガスセンサが提案され、特許文献2には金属酸化物を検出部位とした半導体型のアンモニアガスセンサが提案されている。これらは、電気化学的な手法を用いたものであり、高感度ではあるが電源や設置場所の問題を生じがちである。また、そのようなガスセンサの多くは、数値データ等の形で検出対象の存在を示すものが多く、直感的にその存在を判別しにくいものではある。
【0004】
このような状況のもと、本発明者により、室温で液状を示す共役系化合物を酸性ガスや塩基性ガスのセンサとして用いることが提案されている(特許文献3~5を参照)。これらの共役系化合物は、蛍光を有し、酸性ガスやアンモニアに曝露されるとその蛍光色調や強度を変化させるので、目視という直感的な手段によりこれらのガスの存在を把握するのに役立つものである。なお、特許文献3に記載された共役系化合物は、酸性物質及び塩基性物質の両方を検出可能とされており、また、特許文献4に記載された共役系化合物は、塩基性ガスであるアンモニアを検出するものであり、特許文献5に記載されたピリジン環を備えた共役化合物は、酸や塩基の存在下でその色調や蛍光発光を変化させるものである。
【0005】
また、特許文献6には色素をイオン液体化し、そのイオン液体化色素が酸性化合物や塩基性化合物と接触したときに可逆的な色調変化を呈することが記載され、このイオン液体化色素がガスセンサとして応用可能であると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2012-504237号公報
特開2010-071658号公報
特開2018-076251号公報
特開2021-143140号公報
特開2023-110935号公報
国際公開WO2018/151311号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献6に記載されたイオン液体化色素は、液体状態で酸性化合物や塩基性化合物に接触させると確かに色調変化を呈するが、本発明者の検討によれば、これを濾紙のような基材に含浸させると黒みがかった色調を呈するものになり、酸性化合物や塩基性化合物に接触させても色調変化を明確に把握できないか、色調変化の感度が悪いものとなることがわかった。実際にガスセンサ材料として用いる場合には、持ち運びや利用の便宜から基材に含浸させたり塗布したりした状態であることが望ましく、そのような状態で検出対象化合物と接触した際の色調変化を明確に把握できないのは問題である。
【0008】
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、基材に含浸させた状態でも検出対象化合物と接触した際の色調変化を明確に把握できるイオン液体化色素の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特許文献6に記載されたイオン液体化色素は、例えば、イオン液体を構成するカチオン原料としてトリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミドを用い、これを非水性の有機溶媒に溶解した有機相と、酸性置換基を備えた色素化合物を含む水酸化ナトリウム水溶液からなる水相とを接触させ、常温で撹拌することで調製される。色素化合物は、当初、水酸化ナトリウムで中和されてナトリウム塩として水相に存在するが、撹拌に伴って、有機相に存在するトリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミドとカチオン交換されて、有機相へ移行する。トリヘキシルテトラデシルホスホニウムカチオンは嵩高いカチオンなので、このカチオンと色素化合物のアニオンとで形成された塩はイオン液体となることができる。そのため、最後に有機相から有機溶媒を留去すれば、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムカチオンと色素化合物のアニオンとから形成された塩であるイオン液体化色素が得られる。こうして得られたイオン液体化色素は、基材に含浸させた状態では黒みがかった色調を呈し、酸性化合物や塩基性化合物と接触した際の色調変化が明確に把握できないか、色調変化の感度が悪いものになることは既に述べた通りである。
【0010】
本発明者は、嵩高いカチオンと色素化合物のアニオンとの塩であるイオン液体化色素を調製するに際して、特許文献6記載の発明のように色素化合物の塩と嵩高いカチオンの塩とを強塩基化合物の存在下でカチオン交換するのではなく、嵩高いカチオンの塩をイオン交換樹脂で予めアニオン交換することでそのカチオンの水酸化物を得て、この水酸化物(嵩高いカチオンの塩基性を呈する水酸化物)と酸性の性質を備えた色素化合物(すなわち塩基性化合物と塩を形成する色素化合物)とを直接中和反応させてイオン液体化色素を調製する、又は既にナトリウム塩等の塩となっている色素化合物と上記カチオンとをカチオン交換させると、得られたイオン液体化色素が基材に含浸させても黒みがかった色調とはならず、また、酸性化合物や塩基性化合物と接触した際の色調変化が目視で観察可能なまでに明瞭となることを見出した。本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、以下のようなものを提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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