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公開番号
2025153031
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024055289
出願日
2024-03-29
発明の名称
潜熱蓄熱材組成物
出願人
株式会社KRI
代理人
主分類
C09K
5/06 20060101AFI20251002BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】 潜熱蓄熱材の過冷却を促進して、結晶化温度を容易に制御できる潜熱蓄熱材組成物であり、とくには低温の熱エネルギーを利用でき、かつ安全上や健康上の問題が低減したものを提供すること
【解決手段】 脂肪酸エステル(A)と、不飽和炭化水素、ならびに、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種を単量体とする高分子(B)とからなる潜熱蓄熱材組成物であって、前記潜熱蓄熱材組成物中の前記脂肪酸エステルの凝固点が低下し、前記脂肪酸エステルの融点と凝固点の温度差が14℃以上であることを特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
脂肪酸エステル(A)と、不飽和炭化水素、ならびに、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種を単量体とする高分子(B)とからなる潜熱蓄熱材組成物であって、前記潜熱蓄熱材組成物中の前記脂肪酸エステルの凝固点が低下し、前記脂肪酸エステルの融点と凝固点の温度差が14℃以上であることを特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
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【請求項2】
高級アルコール(C)と、不飽和炭化水素、ならびに、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種を単量体とする高分子(B)とからなる潜熱蓄熱材組成物であって、前記潜熱蓄熱材組成物中の前記高級アルコールの凝固点が低下し、前記高級アルコールの融点と凝固点の温度差が12℃以上であることを特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱蓄熱材組成物に関し、とくには、過冷却が促進された潜熱蓄熱材組成物であって、低温の熱エネルギーを利用でき、かつ安全上や健康上の問題が低減したものに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
潜熱蓄熱材は、融解と凝固(結晶化)を繰り返すことで蓄熱と放熱を行うもので、蓄熱した熱エネルギーを取り出す温度は、蓄熱材の結晶化の温度で決まる。熱エネルギーをより有効に利用する観点から、熱が必要な温度やタイミングで取り出せるように制御できることが望まれる。結晶化温度の制御に関する従来技術としては、酢酸ナトリウム3水和物等の水和塩系化合物やエリスリトール等の糖アルコールなどの過冷却現象を起こしやすい化合物へ核剤を添加して過冷却を防止する技術が知られている。一方、過冷却を促進するような物質についてはほとんど知られておらず、例えば、特許文献1、2に開示されているようなものが挙げられる。特許文献1、2は、いずれも糖アルコールの過冷却促進に関するものであるが、糖アルコールはもともと過冷却を起こしやすいものであることから、過冷却を更に進めることはできても、結晶化の温度を制御することは困難である。
潜熱蓄熱材の結晶化温度の制御に関しては、特許文献3において、潜熱蓄熱材の過冷却を促進して、結晶化温度を容易に制御できる蓄熱材組成物が開示されている。本特許では、蓄熱材として炭素数が8以上の脂肪酸を用いるとされていることから、室温に近い温度かそれ以上の温度での蓄熱が可能である。昨今、医薬品等の低温での輸送などの要望が高まっており、室温以下のより低温での熱エネルギーを利用できる技術が求められる。特許文献3の技術を基に、より低温での熱エネルギーを利用しようとすると、脂肪酸の鎖長がより短いものを使う必要が出てくるが、その場合、過冷却の促進効果が期待しにくくなるとともに、そのような脂肪酸は不快臭があり健康を害する懸念がある。また、鎖長の短い脂肪酸は酸性度が高くなるため、容器等の腐食の問題や皮膚等に付着した場合の薬傷につながり、取扱い上の安全性の観点で課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-187230号公報
特開2011-153206号公報
特開2020-45411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、潜熱蓄熱材の過冷却を促進して、結晶化温度を容易に制御できる潜熱蓄熱材組成物を開発することにあり、とくには低温の熱エネルギーを利用でき、かつ安全上や健康上の問題が低減したものを開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題の解決へ向けて鋭意検討した結果、脂肪酸エステルに特定の成分を添加することで過冷却を促進できることを見いだし、本発明を完成するに至った。また、本発明者らは、高級アルコールに特定の成分を添加することでも過冷却を促進できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記[1]~[2]に記載の事項を特徴とするものである。
[1] 脂肪酸エステル(A)と、不飽和炭化水素、ならびに、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種を単量体とする高分子(B)とからなる潜熱蓄熱材組成物であって、前記潜熱蓄熱材組成物中の前記脂肪酸エステルの凝固点が低下し、前記脂肪酸エステルの融点と凝固点の温度差が14℃以上であることを特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
[2] 高級アルコール(C)と、不飽和炭化水素、ならびに、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種を単量体とする高分子(B)とからなる潜熱蓄熱材組成物あって、前記潜熱蓄熱材組成物中の前記高級アルコールの凝固点が低下し、前記アルコールの融点と凝固点の温度差が12℃以上であることを特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の潜熱蓄熱材組成物は、過冷却現象を起こしにくい化合物に対して過冷却を促進するものであることから、結晶化温度の制御が容易にでき、そのため、熱が必要な温度やタイミングで取り出せ、熱エネルギーをより有効に利用できるようになる。また、低温の熱エネルギーを利用でき、かつ安全上や健康上の問題が低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の潜熱蓄熱材組成物を構成する脂肪酸エステル(A)としては、目的とする蓄熱温度に合わせて選択することができ、例えば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ペンタデカン酸メチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ヘプタデカン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸イソプロピル、ノナデカン酸メチル、アラキジン酸メチル、アラキジン酸エチル、ベヘン酸メチル、リグノセリン酸メチル等が挙げられる。これらのうち、融点が15℃を下回るものが低温での熱エネルギーを利用できるため好ましい。また、炭素数が12以上の脂肪酸を用いると過冷却の促進効果が大きくなり好ましい。更に、脂肪酸エステルの炭素部分が分岐構造を持たないものを選択すると過冷却の促進効果が大きくなるため好ましい。脂肪酸エステル(A)として好ましいものの具体例としては、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル等が挙げられる。
本発明の潜熱蓄熱材組成物を構成する高級アルコール(C)としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0008】
本発明の潜熱蓄熱材組成物を構成する高分子(B)について以下に説明する。
前記高分子(B)は、不飽和炭化水素、ならびに、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種を単量体とする高分子である。不飽和炭化水素としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、スチレン等が挙げられる。アクリル酸のエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。メタクリル酸のエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。これらのうち、本発明の高分子(B)としては、不飽和炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種を単量体として含んでなる高分子であることが好ましい。不飽和炭化水素としては不飽和の脂肪族炭化水素であることが好ましい。不飽和の脂肪族炭化水素の中でも鎖状のもの、すなわちアルケン(オレフィン)であることがより好ましい。すなわち、本発明の高分子(B)としては、ポリオレフィンの構造を有するものであることが好ましく、このような高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレンやその他のα-オレフィンを重合したものなどが挙げられる。これらの中でも、本発明の高分子(B)としては、ポリエチレンの構造を有するものであることが好ましい。
【0009】
前記高分子(B)の重合度としては、100以上であることが過冷却促進の効果が高く好ましい。
【0010】
前記高分子(B)は、不飽和炭化水素、ならびに、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類以外の単量体を共重合したものであっても良い。また、グラフト重合や架橋をしたものであっても良く、前記脂肪酸(A)との相溶性や過冷却促進効果および潜熱蓄熱材組成物としての取り扱い易さや物性などの観点から適切なものを選択できる。また、複数種の高分子を混合したものであっても良い。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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