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公開番号2025148306
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2025048717
出願日2025-03-24
発明の名称粘着剤組成物
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C09J 175/08 20060101AFI20250930BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】微粘着型ウレタン粘着剤だけでなく強粘着型ウレタン系粘着剤においても、貯蔵弾性率の温度依存性が低く、低温から高温まで高い密着性ないし接着信頼性を実現できる優れた粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】カーボネート結合を有するポリエーテルポリオール(a1)と、イソシアネート化合物(b)とを反応させてなるウレタンプレポリマー(A)を含有する、粘着剤組成物。更に架橋剤を、架橋剤が有する反応性官能基(x)とウレタンプレポリマー(A)が有する活性水素基(y)との反応当量比(x)/(y)が0.5~1.25となるように含有することが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カーボネート結合を有するポリエーテルポリオール(a1)と、イソシアネート化合物(b)とを反応させてなるウレタンプレポリマー(A)を含有する、粘着剤組成物。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記ウレタンプレポリマー(A)の標準ポリスチレン分子量換算による数平均分子量が15,000以上50,000以下である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記カーボネート結合を有するポリエーテルポリオール(a1)の水酸基価が45mgKOH/g以上130mgKOH/g以下である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記カーボネート結合を有するポリエーテルポリオール(a1)の水酸基価から算出される数平均分子量が860以上2,500以下である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
前記ウレタンプレポリマー(A)は、下記硬化条件で硬化させた後の-30℃における貯蔵弾性率(G’
-30
)と100℃における貯蔵弾性率(G’
100
)の比(G’
-30
)/(G’
100
)が50以下となる硬化物を提供する、請求項1に記載の粘着剤組成物。
[硬化条件]
ウレタンプレポリマー(A)と架橋剤としてタケネート(登録商標)D-101E(三井化学社製)とを、該架橋剤が有する反応性官能基(x)と該ウレタンプレポリマー(A)が有する活性水素基(y)との反応当量比(x)/(y)が0.5~1.25となるように配合して粘着剤組成物(i)を得る。得られた粘着剤組成物(i)を、硬化後の膜厚が1mmとなるように離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ75μm)「SP-PET-03-BU」(三井化学東セロ社製)の離型面にアプリケーターを用いて塗布し、130℃で5分間乾燥させた後、40℃で一週間エージングを行うことで硬化させる。
【請求項6】
前記ウレタンプレポリマー(A)は、下記硬化条件で硬化させた後のゲル分率が30質量%以上となる硬化物を提供する、請求項1に記載の粘着剤組成物。
[硬化条件]
ウレタンプレポリマー(A)と架橋剤としてタケネート(登録商標)D-101E(三井化学社製)とを、該架橋剤が有する反応性官能基(x)と該ウレタンプレポリマー(A)が有する活性水素基(y)との反応当量比(x)/(y)が0.5~1.25となるように配合して粘着剤組成物(i)を得る。得られた粘着剤組成物(i)を、硬化後の膜厚が25μmとなるように易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)「コスモシャインA4360」(東洋紡社製)の易接着処理面にアプリケーターを用いて塗布し、130℃で5分間乾燥させた後、40℃で一週間エージングを行うことで硬化させる。
【請求項7】
さらに、架橋剤を含む、請求項1~6いずれか一項に記載の粘着剤組成物。
【請求項8】
前記ウレタンプレポリマー(A)と前記架橋剤とを、該架橋剤が有する反応性官能基(x)と該ウレタンプレポリマー(A)が有する活性水素基(y)との反応当量比(x)/(y)が0.5~1.25となるように含有する、請求項7に記載の粘着剤組成物。
【請求項9】
前記活性水素基(y)と前記反応性官能基(x)との反応で得られる硬化物の-30℃における貯蔵弾性率(G’
-30
)と100℃における貯蔵弾性率(G’
100
)の比(G’
-30
)/(G’
100
)が50以下である、請求項8に記載の粘着剤組成物。
【請求項10】
前記活性水素基(y)と前記反応性官能基(x)との反応で得られる硬化物のゲル分率が30~90質量%である、請求項8に記載の粘着剤組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なウレタン系粘着剤組成物に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
粘着剤は、例えば、テープ、ラベル、シール、化粧用シート、滑り止めシート、両面粘着テープ等に用いられており、近年ではパソコン、テレビ、スマートフォン等の液晶ディスプレイやタッチパネルの密着ないしは接着等の様々な分野で使用されている。
【0003】
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、オキシアルキレン系粘着剤等が知られており、特に最近は、強い粘着力を有する強粘着型粘着剤から、微小な粘着力を有する微粘着型粘着剤まで広範囲の用途にアクリル系粘着剤が使用される傾向がある。
【0004】
しかしながら、アクリル系粘着剤は、アクリルモノマーが粘着剤中に残存する場合に、臭気や皮膚刺激性が問題となる。またアクリル系粘着剤は、被着体に貼付した後、経時変化によって、粘着力が上昇したり移行性が高くなったりする傾向がある。このため被着体に糊残りが生じ易く、再剥離性が不充分になりやすいという問題がある。また、アクリル系粘着剤では、凝集力を発現するためガラス転移温度が高いコモノマーを使用することから低温での貯蔵弾性率が高くなり、このため粘着力が不足し低温特性に劣るといった問題があった。
【0005】
そこで低温特性を得るためにガラス転移温度が低いコモノマーを使用したり、架橋剤を減らしてアクリルポリマー中の反応性官能基を残存させて粘着剤にしたりした場合、低温での貯蔵弾性率が低くなり粘着力は改善されるが、逆に高温で熱ダレが起き、被着体に糊残りが生じやすくなるだけでなく、貼付中に剥がれが生じてしまう問題があった。
【0006】
これに対し、ウレタン系粘着剤は、アクリル系粘着剤と比較して貯蔵弾性率の温度依存性が低いため、低温特性と高温特性を両立させやすいと言われている。
しかしながら、従来のウレタン系粘着剤において、微粘着型の粘着剤においては低い貯蔵弾性率の温度依存性を達成できていたが、強粘着型の粘着剤においては、特に高温域において貯蔵弾性率が低下しやすいという課題があった。貯蔵弾性率の低下は糊残り等の再剥離性の悪化、貼付中の剥がれ等の接着信頼性の悪化だけでなく、打ち抜き加工性の低下による生産性の悪化への影響もある。
このようなことから、微粘着~強粘着の幅広い粘着力領域において、この貯蔵弾性率の温度依存性が低いウレタン系粘着剤の開発が求められていた。
【0007】
例えば、特許文献1には、室温で柔軟性を有し、高温でも弾性を保持しつつ低温から高温までの粘着力が確保できるウレタン粘着剤組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示のウレタン粘着剤組成物では、80℃での貯蔵弾性率が0.02MPaの粘着剤組成物にあっては高温耐久性に十分な硬さを有しているとは言い難く、長期使用時において粘着剤組成物と被着体の剥がれや浮きが生じる懸念がある。
【0008】
特許文献2には、ウレタン樹脂100重量部に対してポリイソシアネート硬化剤を5~30重量部添加してなる粘着剤組成物が開示されている。特許文献2の粘着剤組成物は23℃における貯蔵弾性率が0.5~1.6MPa、80℃における貯蔵弾性率が0.5~1.0MPaであり、特許文献1に記載の粘着剤組成物と比較して高い値を示しているが、これを反映して粘着力が低下しており、被着体との剥がれが懸念される。
【0009】
特許文献3には、アミノ基を有さないポリオール成分とイソシアネート成分とを必須構成単量体とするポリウレタン樹脂を含有する粘着剤が開示されている。特許文献3の粘着剤はガラスに対する粘着力が5~50N/25mmと十分高い粘着力を有している一方、80,000~500,000の重量平均分子量を有しているため、得られた粘着剤のハンドリングに難がある恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2016-204467号公報
特開2011-026418号公報
国際公開第2021/075558号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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