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公開番号2025148948
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024049334
出願日2024-03-26
発明の名称人工皮革およびその製造方法ならびに衣料、家具
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D06N 3/00 20060101AFI20251001BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】 表面の凹凸スジが少なく、洗濯時の寸法変化の抑制に優れつつ、良好なストレッチ性を有した人工皮革を提供すること。
【解決手段】 平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維で構成されてなる不織布と、経糸または緯糸のいずれか一方のみにサイドバイサイド型複合繊維および/または偏心芯鞘型複合繊維を含むマルチフィラメントで構成されてなる織物と、を含む繊維絡合体と、高分子弾性体と、を有する、一方の表面が立毛面である人工皮革であって、前記織物は、該織物の織密度が経糸方向と緯糸方向のいずれも50本/2.54cm以上100本/2.54cm以下であって、以下の式1および式2を満たす、人工皮革。
0.10≦TB/TA≦0.55 ・・・(式1)
1.16≦DV/DH≦1.80 ・・・(式2)
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維で構成されてなる不織布と、
経糸または緯糸のいずれか一方のみにサイドバイサイド型複合繊維および/または偏心芯鞘型複合繊維を含むマルチフィラメントで構成されてなる織物と、
を含む繊維絡合体と、
高分子弾性体と、
を有する、一方の表面が立毛面である人工皮革であって、
前記織物は、該織物の織密度が経糸方向と緯糸方向のいずれも50本/2.54cm以上100本/2.54cm以下であって、 以下の式1および式2を満たす、人工皮革。
0.10≦T

/T

≦0.55 ・・・(式1)
1.16≦D

/D

≦1.80 ・・・(式2)
ここで、


は、人工皮革の厚さ方向における前記立毛面から前記織物の中心までの距離(μm)であって、


は、人工皮革の厚さ方向における前記織物の中心から前記立毛面と反対側の表面までの距離(μm)であって、


は、前記マルチフィラメントの外接円の半径(μm)であって、


は、前記マルチフィラメントの外接円接線と垂直方向に観測されるマルチフィラメントとの間の最大距離(μm)である。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
引張伸度比が0.57以上0.68以下である、請求項1に記載の人工皮革。
【請求項3】
前記極細繊維の繊維長が25mm以上90mm以下である、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項4】
前記人工皮革に占める高分子弾性体の質量割合が15質量%以上40質量%以下である、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項5】
極細繊維発生型繊維からなる不織布と、
経糸または緯糸のいずれか一方のみにサイドバイサイド型複合繊維および/または偏心芯鞘型複合繊維を含むマルチフィラメントで構成されてなる織物と、
を絡合一体化させ、繊維絡合体を形成する工程と、
前記繊維絡合体中の極細繊維発生型繊維から平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維を発生させ、極細繊維発生シートを形成する工程と、
前記極細繊維発生シートに高分子弾性体を付与し、高分子弾性体付シートを形成する工程と、
前記高分子弾性体付シートの一方の表面を研削し、起毛シートを形成する工程と、
前記起毛シートを温度が110℃以上180℃以下の染色液で染色する工程と、
を有する人工皮革の製造方法であって、
前記織物を、該織物の織密度が経糸方向と緯糸方向のいずれも50本/2.54cm以上100本/2.54cm以下であって、かつ、以下の式3を満たすものとし、
さらに、以下の式1および式2を満たす、人工皮革の製造方法。
0.10≦T

/T

≦0.55 ・・・(式1)
1.16≦D

/D

≦1.80 ・・・(式2)
1.2≦E
MF
/E
TF
≦1.5 ・・・(式3)
ここで、


は、人工皮革の厚さ方向における前記立毛から前記織物の中心までの距離(μm)であって、


は、人工皮革の厚さ方向における前記織物の中心から前記一方の表面と反対側の表面までの距離(μm)であって、


は、前記マルチフィラメントの外接円の半径(μm)であって、


は、前記マルチフィラメントの外接円接線と垂直方向に観測されるマルチフィラメントとの間の最大距離(μm)であって、

MF
は、サイドバイサイド型複合繊維および/または偏心芯鞘型複合繊維を含むマルチフィラメントの方向の前記織物の引張伸度(%)であって、

TF
は、サイドバイサイド型複合繊維および/または偏心芯鞘型複合繊維を含まないマルチフィラメントの方向の前記織物の引張伸度(%)である。
【請求項6】
請求項1または2に記載の人工皮革を含む、衣料。
【請求項7】
請求項1または2に記載の人工皮革を含む、家具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は人工皮革に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
主として極細繊維からなる不織布と、高分子弾性体とからなる人工皮革は、天然皮革にない優れた特徴を有しており、衣料や家具、自動車内装材などといった幅広い用途に使用されている。中でも衣料用途に使用される場合には優れた表面品位に加えて、着用時の動きに追従するストレッチ性が求められる。また、家具用途に使用される場合には、成型時の追従性などが求められている。この様な要求に対し、種々の検討がされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、特定の総繊度のマルチフィラメント糸からなる織物であるスクリムを有する人工皮革であって、マルチフィラメント糸の断面における単繊維の合計断面積、隣接するマルチフィラメント糸間の距離の平均値が特定の範囲である人工皮革が提案されている。そして、この人工皮革が、インテリア、自動車や航空機、鉄道車両などのシート表皮材や内装材として好適に用いられる旨が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、特定の糸条を含む織編物と、特定の平均単繊維鮮度の極細繊維と、ポリウレタンを主成分とした高分子弾性体とを含み、織編物を構成する糸条が内部に空洞を有する構造である伸縮性シートが提案されている。そして、これによれば、外観、風合い、さらには伸長率、伸長回復率に優れた伸縮性シートが得られる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-137587号公報
特開2008-261082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、ストレッチ性を付与するために、例えば熱処理により収縮し、ストレッチ性が発現する織物を人工皮革内に配置する場合、染色加工時に織物が均一に収縮せず、凹凸スジと呼ばれる起毛面の連続的な外観凹みが発生する。また、特に衣料用途に用い、最終製品とした後に消費者が洗濯を行った場合、その生地が縮むことで、しわ(洗濯しわ)が発生しやすくなり、洗濯前に有していた外観の良好さが低下してしまう傾向にある。
【0007】
特許文献1で提案されるような技術では、マルチフィラメント内の単繊維間に空隙を有した構造であるため、一定の伸長性を有しており、ある程度複雑な形状へ追従させることができるが、前記のような構造により形態保持性が低いため、伸長回復性はなく、衣料用途に使用した場合、人工皮革が伸びたまま戻らず、着用を繰り返すことで衣料の形態が変化してしまうという課題がある。
【0008】
特許文献2で提案されるような技術では、良好な伸長性と伸長回復性を有する人工皮革が得られるものの、より複雑な形状へ追従させることについて、改善の余地がある。また、凹凸スジの発生についても、人工皮革内の極細繊維の目付斑が大きいと発生しやすい傾向にあるという点でまだ十分ではない。
【0009】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、表面の凹凸スジが少なく、洗濯時の寸法変化の抑制に優れつつ、良好なストレッチ性を有した人工皮革を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、一方の表面が立毛面であり、織物を含む繊維絡合体を有する人工皮革において、経糸または緯糸のいずれか一方のみにサイドバイサイド型複合繊維および/または偏心芯鞘型複合繊維を含むマルチフィラメントで、特定の織密度の織物を構成し、人工皮革の厚さ方向における前記織物の中心から前記一方の表面までの距離と、もう一方の表面までの距離と、を特定の範囲とすることで、織物のマルチフィラメント間に存在する極細繊維が過度に拘束されなくなり、かつ、織物のマルチフィラメント径の外接円の半径と、外接円接線と垂直方向に観測されるマルチフィラメントとの間の最大距離との比が特定の範囲であるように調整することで、表面の凹凸スジが少なく、洗濯時の寸法変化が小さく、かつ、良好なストレッチ性を有する人工皮革を提供できることを見出し、本発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)

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