TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025148786
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024049081
出願日2024-03-26
発明の名称積層フィルム及び多層体、並びに包装体及び包装物品
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20251001BHJP(積層体)
要約【課題】80℃程度の低温での熱ラミネート適性、耐湿熱性(耐レトルト性)及びレトルト後の外観に優れる積層フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る積層フィルムは、基材層及びシーラント層を少なくとも有し、前記シーラント層が、MFRが4.5以上140以下である熱可塑性エラストマーを含有する樹脂組成物(C)からなり、前記樹脂組成物(C)の、周波数10Hzでの動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)が30℃以上70℃以下において極大値を有する、積層フィルムである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材層及びシーラント層を少なくとも有し、
前記シーラント層が、MFRが4.5以上140以下である熱可塑性エラストマーを含有する樹脂組成物(C)からなり、
前記樹脂組成物(C)の、周波数10Hzでの動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)が30℃以上70℃以下において極大値を有する、積層フィルム。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記樹脂組成物(C)が、さらにエポキシ化合物(B)を含有する、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
前記エポキシ化合物(B)が一置換性エポキシ化合物を含む、請求項2に記載の積層フィルム。
【請求項4】
前記樹脂組成物(C)が、前記熱可塑性エラストマーを主成分とする、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
【請求項5】
前記熱可塑性エラストマーが酸性官能基を有しており、かつ酸変性率が0.10質量%以上1.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
【請求項6】
前記熱可塑性エラストマーが、共役ジエン系重合体の水添物である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
【請求項7】
前記共役ジエン系重合体が、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム及びこれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の積層フィルム。
【請求項8】
前記樹脂組成物(C)の25℃における貯蔵弾性率(E’)が5.0MPa以上120MPa以下である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
【請求項9】
前記樹脂組成物(C)の50℃における貯蔵弾性率(E’)が1.0MPa以上50MPa以下である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
【請求項10】
前記基材層の厚さが5μm以上50μm以下である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層フィルム及び多層体、並びに包装体及び包装物品に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
飲料、食品、日用品等の包装容器に印刷を施す技術として、液体トナーが注目されている。液体トナーは、従来のトナーに比べて薄い膜で発色することが可能であり、印刷画像を高解像度化できることが知られている。
【0003】
液体トナーに帯電性を付与するために、イオン性基を有するポリマーが材料として用いられる。
例えば、特許文献1では、無水マレイン酸官能基を有するポリマー及びエチレンメタクリル酸コポリマーに顔料を添加し、パラフィン炭化水素留分に分散せしめた液体トナーが提案されている。この液体トナーは、無水マレイン酸に含まれるカルボキシル基と、基材の紙の水酸基との相互作用により優れた結着性を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2003-520997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示される液体トナーを使用して得られる印刷物は、レトルト等の湿熱環境下で変質又は変形する場合があった。上記印刷物に対し、保護フィルムを熱ラミネートすると耐水性を向上できるが、高湿熱環境への耐性が不十分であった。このような高湿熱環境への耐性を付与するためには、高融点のラミネート材を使用することが有効であるが、その場合、低温、特に80℃以下で熱ラミネートした場合の接着強度が不十分であった。
そこで、本発明は、80℃程度の低温での熱ラミネート適性、耐湿熱性(耐レトルト性)及びレトルト後の外観に優れる積層フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
【0007】
[1]基材層及びシーラント層を少なくとも有し、前記シーラント層が、MFRが4.5以上140以下である熱可塑性エラストマーを含有する樹脂組成物(C)からなり、前記樹脂組成物(C)の、周波数10Hzでの動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)が30℃以上70℃以下において極大値を有する、積層フィルム。
[2]前記樹脂組成物(C)が、さらにエポキシ化合物(B)を含有する、上記[1]に記載の積層フィルム。
[3]前記エポキシ化合物(B)が一置換性エポキシ化合物を含む、上記[2]に記載の積層フィルム。
[4]前記樹脂組成物(C)が、前記熱可塑性エラストマーを主成分とする、上記[1]~[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[5]前記熱可塑性エラストマーが酸性官能基を有しており、かつ酸変性率が0.10質量%以上1.0質量%以下である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の積層フィルム。
[6]前記熱可塑性エラストマーが、共役ジエン系重合体の水添物である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の積層フィルム。
[7]前記共役ジエン系重合体が、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム及びこれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[6]に記載の積層フィルム。
[8]前記樹脂組成物(C)の25℃における貯蔵弾性率(E’)が5.0MPa以上120MPa以下である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の積層フィルム。
[9]前記樹脂組成物(C)の50℃における貯蔵弾性率(E’)が1.0MPa以上50MPa以下である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の積層フィルム。
[10]前記基材層の厚さが5μm以上50μm以下である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の積層フィルム。
[11]前記シーラント層の厚さが1μm以上30μm以下である、上記[1]~[10]のいずれかに記載の積層フィルム。
[12]前記基材層が、熱可塑性樹脂(A)を主成分として含有する、上記[1]~[11]のいずれかに記載の積層フィルム。
[13]前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[12]に記載の積層フィルム。
[14]前記シーラント層と基材層との間に、プライマー層を有する、上記[1]~[13]のいずれかに記載の積層フィルム。
[15]上記[1]~[14]のいずれかに記載の積層フィルムと、印刷層とを備え、前記積層フィルムが印刷層上に熱ラミネートされた多層体。
[16]前記印刷層が液体トナーにより形成される、上記[15]に記載の多層体。
[17]前記液体トナーがカルボキシル基含有ポリマーを含む、上記[16]に記載の多層体。
[18]上記[15]~[17]のいずれかに記載の多層体を備える包装体。
[19]上記[18]に記載の包装体により包装される包装物品。
【発明の効果】
【0008】
本発明が提案する積層フィルムは、80℃程度の低温での熱ラミネート適性、耐湿熱性(耐レトルト性)及びレトルト後の外観に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明の内容は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0010】
<積層フィルム>
本発明における積層フィルム(以下、「本フィルム」と称することがある。)は、基材層及びシーラント層を少なくとも有する。シーラント層は、基材層の少なくとも一方の表面上に設けられればよく、シーラント層は、基材層の表面に直接積層されてもよいし、シーラント層と基材層の間には適宜別の層が設けられてもよい。層間密着性の観点からは、シーラント層と基材層の間にプライマー層が設けられているのが好ましい。
本フィルムは、シーラント層の基材層と対向する面とは反対側に離型層を有していてもよい。
シーラント層は、離型層がない場合には本フィルムの最表面を構成するとよく、また、離型層が設けられる場合には離型層に直接接触する層になるとよい。
また、さらなる機能付与を目的として、保護層、反射防止層、抗菌層、平滑層、ハードコート層等から選択される少なくとも1つの機能層を備えた多層構造にしてもよい。ただし、本フィルムを多層構造とする場合、透明性の観点で基材層、シーラント層及び離型層以外の層は5層以下であることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、保護フィルムとして好適に用いることができ、特に印刷面保護フィルムとして好適に用いることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

三菱ケミカル株式会社
成形品の製造方法
1日前
三菱ケミカル株式会社
精製ガスの製造方法
1日前
三菱ケミカル株式会社
精製ガスの製造方法
1日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物、および成形品
1日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物、ペレット、および、成形品
1日前
三菱ケミカル株式会社
有機電界発光素子、表示装置、照明装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
フィルムロールの製造装置及びフィルムロール
1日前
三菱ケミカル株式会社
離型フィルム、離型フィルムロール及び粘着体
1日前
三菱ケミカル株式会社
離型フィルム、離型フィルムロール及び粘着体
1日前
三菱ケミカル株式会社
建材用金属酸化物層被覆体、及びその製造方法
1日前
三菱ケミカル株式会社
フィルム、深絞り包装用フィルム、及びリサイクルフィルム
1日前
三菱ケミカル株式会社
電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
熱可塑性樹脂成形体の製造方法、および、熱可塑性樹脂フィルム
1日前
三菱ケミカル株式会社
有機電界発光素子、並びに、これを備える表示装置及び照明装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
感光性樹脂組成物、硬化物、隔壁、有機電界発光素子及び画像表示装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
感光性樹脂組成物、硬化物、隔壁、有機電界発光素子及び画像表示装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂、感光性樹脂組成物、硬化物、隔壁、有機電界発光素子及び画像表示装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法、および、不飽和カルボン酸合成用触媒
1日前
三菱ケミカル株式会社
有機電界発光素子用の組成物、有機電界発光素子とその製造方法、及び表示装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法、および、不飽和カルボン酸合成用触媒
1日前
三菱ケミカル株式会社
不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法、および、不飽和カルボン酸合成用触媒
1日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物(W)の製造方法、成形品の製造方法、樹脂組成物(W)、および、成形品
1日前
三菱ケミカル株式会社
ポリカーボネート樹脂の解重合方法、反応槽処理方法、反応槽後処理方法、および、ポリカーボネート樹脂の製造方法
1日前
三菱ケミカル株式会社
粘着シート、離型フィルム付き粘着シート、画像表示装置用積層体、画像表示装置、及び画像表示装置構成部材用粘着シート
1日前
三菱ケミカル株式会社
触媒の製造方法、該触媒を用いたα,β-不飽和カルボン酸の製造方法、およびα,β-不飽和カルボン酸エステルの製造方法
1日前
東レ株式会社
積層体
8か月前
東レ株式会社
積層体
4か月前
ユニチカ株式会社
積層体
7か月前
個人
箔転写シート
4か月前
東レ株式会社
積層構造体
8か月前
ユニチカ株式会社
積層体
1か月前
個人
鋼材の塗膜構造
2か月前
東レ株式会社
強化繊維基材
4か月前
東レ株式会社
積層フィルム
1か月前
続きを見る