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公開番号2025148651
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024048879
出願日2024-03-26
発明の名称軽水素とトリチウムを含む対象物または気体の処理装置および処理方法
出願人総合企画開発合同会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G21F 9/06 20060101AFI20251001BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】軽水素およびトリチウムを含む対象物からトリチウムを分離するための処理装置として、トリチウムを含む汚染物の減量効率が向上できる処理装置を提供する。
【解決手段】処理装置は、容器10と遮断体と天板と固定装置と制動装置と回転装置を有する。容器10は、第一の回転軸61に固定された回転板上に形成された複数の凹部101と、凹部101の上面を塞ぐ蓋と、を備え、凹部101は、第一の回転軸61を中心とする円60の径が異なる二つの同心円に沿う二つの円弧状の壁120と、一対の側板130,140と、を備え、円60の径方向に複数形成されている。遮断体は、円60の周方向で容器10の隣に配置され、凹部101に入って凹部101の径方向の内側部分と外側部分とを遮断する円弧状の羽根部を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
軽水素(H
2
)およびトリチウム(T
2
、TH)を含む対象物から、トリチウム(T
2
、TH)を分離するための処理装置であって、
前記対象物を収容する容器と、前記容器を回転させる回転装置と、を有し、
前記容器は、前記回転装置の回転軸である第一の回転軸に固定された回転板上に形成された複数の凹部と、前記凹部の上面を塞ぐ蓋と、を備え、
前記凹部は、前記第一の回転軸を中心とする円の径が異なる二つの同心円に沿う二つの円弧状の壁と、一対の側板と、を備え、前記円の径方向に複数形成されたものであり、
前記円の周方向で前記容器の隣に配置された遮断体を有し、
前記遮断体は、前記一対の側板の一方に対応する基板と、前記基板から突出し、前記凹部の内部に入って前記凹部の前記径方向の内側部分と外側部分とを遮断する円弧状の羽根部と、を備え、前記基板の径方向中心側が、前記第一の回転軸と同心で前記第一の回転軸の径方向外側に配置された第二の回転軸に固定され、
前記一対の側板の一方は、前記羽根部が挿入可能なスリットを備え、
前記遮断体および前記容器の上方を覆い、前記遮断体に固定されて前記容器には固定されていない天板を有し、
前記天板と前記第一の回転軸を固定する固定装置を有し、
前記天板の回転を制動する制動装置を有する、軽水素とトリチウムを含む対象物の処理装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
軽水素(H
2
)およびトリチウム(T
2
、TH)を含む気体から、トリチウム(T
2
、TH)を分離するための処理装置であって、
前記気体を密封状態で収容する容器と、前記容器を回転させる回転装置と、を有し、
前記容器は、前記回転装置の回転軸に固定された回転板上に形成された複数の凹部と、前記凹部の上面を塞ぐ蓋と、を備え、
前記凹部は、
前記回転軸を中心とする円の径が異なる二つの同心円からなる二つの円形の壁で形成され、前記円の径方向に複数形成されたものであるか、
前記回転軸を中心とする円の径が異なる二つの同心円に沿う二つの円弧状の壁と、一対の側板と、を備え、前記円の径方向に複数形成されたものであり、
前記凹部の前記径方向の内側部分と外側部分とを区画し、水素(H
2
、T
2
、D
2
、TH、DH)だけを透過する膜を有する、軽水素とトリチウムを含む気体の処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の処理装置を用いて、軽水素(H
2
)およびトリチウム(T
2
、TH)を含む対象物を処理する方法であって、
前記固定装置により前記天板と前記第一の回転軸を固定した状態で、前記容器の前記凹部内に前記対象物を導入し、前記容器を前記遮断体と一体に回転させて前記対象物を遠心分離し、前記凹部の前記径方向の内側部分に軽水素(H
2
)を外側部分にトリチウム(T
2
、TH)を存在させる遠心分離工程と、
前記遠心分離工程の後に、前記固定装置による前記第一の回転軸と前記天板との固定を解除すると同時に、前記制動装置を作動させて前記天板の回転を制動し、前記遮断体の回転速度を低下させることで、回転中の前記容器よりも回転速度が遅くなった前記遮断体の前記羽根部を前記スリットから前記凹部に挿入させ、前記羽根部により前記凹部の前記径方向の内側部分と外側部分とを遮断する工程と、
を有する軽水素とトリチウムを含む対象物の処理方法。
【請求項4】
請求項2記載の処理装置を用いて、軽水素(H
2
)およびトリチウム(T
2
、TH)を含む気体を処理する方法であって、
前記凹部の前記内側部分に前記気体を入れて前記容器を回転させて、前記気体に遠心力を付与し、トリチウム(T
2
、TH)を前記膜を透過させて前記外側部分に移動させる工程を有する、軽水素とトリチウムを含む気体の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軽水素(H
2
)およびトリチウム(T
2
、TH)を含む対象物(液体または気体)からトリチウム(T
2
、TH)を分離するための処理装置と、この装置を用いた処理方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で発生した放射性物質を含む汚染水の処理に関しては、多核種除去設備(ALPS)を用いて、汚染水からセシウム、ストロンチウムなどの大半の放射性物質を除去することが行われ、ALPSで取り除くことができないトリチウム水を含む処理水がタンクに貯蔵されている。この処理水が貯蔵されたタンクが日々増え続けており、保管場所にも限りがあるため、海洋放出が開始されている。しかし、海洋放出には海外からの批判や風評被害、環境汚染などの問題がある。そのため、大量のトリチウム含有汚染水からトリチウム水を効率的に分離する方法が模索されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、トリチウム含有汚染水を遠心分離して、汚染水中のトリチウムの濃度を不均一化させることで、トリチウムの濃度が他の部分よりも相対的に高い高濃度部分を生じさせ、高濃度部分を分離して抽出する方法と、この方法を実施可能な処理装置が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載された方法には以下の課題がある。トリチウム原子を含む水であるトリチウム水(T
2
O、THO)とトリチウム原子を含まない水(H
2
O)とでは重さの差が小さいことから、トリチウム含有汚染水を水の状態で遠心分離法によりトリチウム水(T
2
O、THO)と水(H
2
O)とに分離しようとしても、分離することは困難である。
【0005】
特許文献2には、トリチウム含有汚染水を電気分解して、陰極側で回収された軽水素(H
2
)およびトリチウム(T
2
、TH)を含む気体を、遠心分離法により軽水素(H
2
)とトリチウム(T
2
、TH)とに分離しようとしても、平衡状態となって分離が進まないという問題点と、これを解決することを課題とした方法が記載されている。
【0006】
その方法は、トリチウム水(T
2
O、THO)を含む汚染水を電気分解して、陰極側で回収された軽水素(H
2
)およびトリチウム(T
2
、TH)を含む気体を液化する第一の工程と、前記第一の工程で得られた液化物(H
2
、T
2
、TH)を液状で保持可能な処理用タンクに入れる第二の工程と、前記処理用タンクを回転台上に固定して回転させることにより前記液化物に遠心力を付与して、軽水素(H
2
)とトリチウム(T
2
、TH)とを液状で分離する第三の工程と、前記第三の工程で分離された軽水素(H
2
)の少なくとも一部を前記処理用タンクから取り除く第四の工程と、を有するトリチウム含有汚染水の処理方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6656909号公報
特開2023-96827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2に記載された方法では、液状の軽水素(H
2
)およびトリチウム(T
2
、TH)を入れた処理タンクを回転台上に固定して回転させて遠心分離を行っていることから、遠心力でトリチウムが移動する距離が短く、軽水素に分離される量が少ないため、軽水素を取り除いた後の汚染水(トリチウムを含む液体)の量をさほど減らせないという問題点がある。つまり、特許文献2に記載された方法には、トリチウムを含む汚染物の減量効率の点で改善の余地がある。
【0009】
本発明の課題は、軽水素(H
2
)およびトリチウム(T
2
、TH)を含む対象物(液体または気体)からトリチウムを分離するための処理装置、つまり、上記対象物を軽水素のみからなる部分とトリチウムを含む部分とに分離する処理装置として、トリチウムを含む汚染物の減量効率が向上できる処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様は、下記の構成(1)~(7)を有する軽水素とトリチウムを含む対象物の処理装置を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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