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公開番号2025146817
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2025047122
出願日2025-03-21
発明の名称熱伝導性樹脂組成物
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 83/04 20060101AFI20250926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高温での圧縮性と常温での取り扱い性を良好にしつつ、相変化材料の表面へのブリードを抑制した信頼性の高い熱伝導性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】シリコーン樹脂(A)、熱伝導性充填剤(B)、及び下記構造式で表されるグラフト共重合体(C)を含み、グラフト共重合体(C)の融点が35℃以上である熱伝導性樹脂組成物。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
シリコーン樹脂(A)、熱伝導性充填剤(B)、及び下記式(1)で表される構造を有する化合物(C)を含み、
前記化合物(C)の融点が35℃以上であり、
前記化合物(C)がグラフト共重合体である、熱伝導性樹脂組成物。
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(式(1)中、X1及びX2はそれぞれ独立して3価の有機基であり、Y1及びY2はそれぞれ独立して2価の有機基であり、Zは1価の有機基であり、Rはそれぞれ独立して1価の有機基であり、kは16以上33以下の数であり、n、r、sはそれぞれ1以上の数であり、mは0.5以上の数であり、p、qはそれぞれ0以上の数である)
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記X1及びX2は、それぞれ独立して炭素数2以上6以下の3価の飽和炭化水素基であり、前記Y1及びY2は、それぞれ独立してエステル基またはアミド基を含む2価の有機基である、請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
【請求項3】
前記化合物(C)の含有量が、前記シリコーン樹脂(A)100質量部に対し、10質量部以上50質量部以下である、請求項1又は2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
【請求項4】
前記m、r、nが下記式(α)の関係を満たす、請求項1又は2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
m×r/(m+n)≧0.3 式(α)
【請求項5】
前記熱伝導性充填剤(B)が金属、無機水酸化物、無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物、炭素繊維、黒鉛、及びダイヤモンドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の熱伝導性樹脂組成物を硬化してなる、熱伝導性樹脂組成物の硬化物。
【請求項7】
請求項6に記載の熱伝導性樹脂組成物の硬化物からなる、熱伝導シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電気機器の小型化及び高性能化に伴い、駆動に伴い発生する熱を効率よく放散させる材料技術が求められている。ICチップなどの発熱源からの熱はヒートシンクを伝って排熱されるが、発熱源とヒートシンクの効率的な熱伝導のため、発熱源とヒートシンクの間にTIM(Thermal interface material)と呼ばれる樹脂組成物を挟むことが多い。
【0003】
TIMは樹脂と熱伝導性充填剤を複合させた樹脂組成物であるが、発熱源とヒートシンクの間隙に対応した厚みのシート状のものが使用されることが多い。近年では、間隙の組み立て公差に対するTIMの許容範囲を広くするため、圧縮性の高いシートが求められている。また、高圧縮のために高荷重をかけるとチップ破損の恐れがあるため、柔軟なシートとする必要がある。一方、シートに柔軟性を付与すると取り扱い性が悪化する傾向がある。このような圧縮性と取り扱い性のトレードオフを解決する手段として、シリコーン樹脂などのマトリックスと、相変化材料(PCM)と、熱伝導性充填剤を含む樹脂組成物が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、長鎖アルキルシリコーン油、長鎖ビニル末端アルキルシリコーン油、単一末端ヒドロキシル末端シリコーン油を含み、これらのうち少なくとも1つが、少なくとも1つの2~32個のアルキル炭素の分岐鎖を有するポリマーマトリクスと、熱伝導性充填剤とを含む熱界面材料に関する発明が開示されている。そして、該熱界面材料は、発熱電子デバイスからヒートスプレッダー及びヒートシンク等の放熱構造体に熱を伝達するのに有用であることが記載されている。
特許文献2には、熱により軟化し、発熱素子と放熱体との密着性がよく、熱的性能がよい放熱シートとして、シリコーンゲルなどの高分子ゲルと、常温では固形ないしペースト状で加熱すると液体になる化合物と、熱伝導性充填剤とを含む放熱シートに関する発明が開示されている。
【0005】
特許文献3には、発熱性電子部品とヒートシンク又は金属筐体などの放熱部品との間の熱境界面に用いられる組成物として、融点が30~80℃のシリコーンワックス、特定のオルガノポリシロキサン、熱伝導性充填剤を所定の含有量で含む熱軟化性熱伝導性シリコーングリース組成物に関する発明が開示されている。
特許文献4には、常温ではフィルム状で取り扱い性がよい上に、熱によって軟化する熱伝導性フィルムとして、非流動性を有する特定のシリコーン樹脂、融点が20~60℃であるワックス、熱伝導性充填剤を所定の含有量で含む熱伝導性フィルムに関する発明が開示されている。
【0006】
特許文献5には、マイクロプロセッサの作動温度で相変化を起こして熱源が発生した熱をヒートシンクへ移転する熱仲介材料として、熱源の作動温度付近で軟化する相変化物質、ポリマー成分、相変化物質が軟化する温度を変化させるもの、及び熱伝導性充填剤を含む材料が記載されている。
特許文献6には、シリコーンマトリクスと炭化水素系化合物の混合物であるバインダー成分と、熱伝導性充填剤を含み、80℃、0.276MPaにおける圧縮率が15%以上であり、保形性を有する熱伝導性シートに関する発明が開示されている。そして、該熱伝導性シートは、使用時には一定の柔軟性を確保して熱伝導性を良好にしつつも、保形性、及び信頼性が良好であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2022-530372号公報
特許第3712943号公報
特許第6436035号公報
特開2023-47991号公報
特開2001-89756号公報
国際公開第2022/070568号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術として開示されている相変化材料(PCM)は、これを含む樹脂組成物の高温での圧縮性と常温での取り扱い性を良好にすることができるものの、高温において相変化材料(PCM)が表面にブリードする場合があり、信頼性の点から改善の余地があった。
そこで、本発明は、高温(例えば60℃程度)での圧縮性と常温(25℃)での取り扱い性を良好にしつつ、相変化材料の表面へのブリードを抑制した信頼性の高い熱伝導性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、シリコーン樹脂(A)、熱伝導性充填剤(B)、及び特定の構造を有する化合物(C)を含み、前記化合物(C)の融点が35℃以上であり、前記化合物(C)がグラフト共重合体である、熱伝導性樹脂組成物により、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、下記[1]~[7]に関する。
[1]シリコーン樹脂(A)、熱伝導性充填剤(B)、及び下記式(1)で表される構造を有する化合物(C)を含み、前記化合物(C)の融点が35℃以上であり、前記化合物(C)がグラフト共重合体である、熱伝導性樹脂組成物。
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(式(1)中、X1及びX2はそれぞれ独立して3価の有機基であり、Y1及びY2はそれぞれ独立して2価の有機基であり、Zは1価の有機基であり、Rはそれぞれ独立して1価の有機基であり、kは16以上33以下の数であり、n、r、sはそれぞれ1以上の数であり、mは0.5以上の数であり、p、qはそれぞれ0以上の数である)
[2]前記X1及びX2は、それぞれ独立して炭素数2以上6以下の3価の飽和炭化水素基であり、前記Y1及びY2は、それぞれ独立してエステル基またはアミド基を含む2価の有機基である、上記[1]に記載の熱伝導性樹脂組成物。
[3]前記化合物(C)の含有量が、前記シリコーン樹脂(A)100質量部に対し、10質量部以上50質量部以下である、上記[1]又は[2]に記載の熱伝導性樹脂組成物。
[4]前記m、r、nが下記式(α)の関係を満たす、上記[1]~[3]のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
m×r/(m+n)≧0.3 式(α)
[5]前記熱伝導性充填剤(B)が金属、無機水酸化物、無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物、炭素繊維、黒鉛、及びダイヤモンドからなる群より選択される少なくとも1種である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物を硬化してなる、熱伝導性樹脂組成物の硬化物。
[7]上記[6]に記載の熱伝導性樹脂組成物の硬化物からなる、熱伝導シート。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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