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公開番号2025138864
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2025114902,2022509467
出願日2025-07-08,2021-03-03
発明の名称還元剤およびガスの製造方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人
主分類B01J 23/83 20060101AFI20250917BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率が高く、例えば、ケミカルルーピング法に利用可能な還元剤、およびかかる還元剤を使用したガスの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の還元剤は、二酸化炭素を含む原料ガスと接触させることにより、前記二酸化炭素を還元して、一酸化炭素を含む生成ガスを製造する際に使用される還元剤であって、酸素イオン伝導性を有する酸素キャリアと、該酸素キャリアに担持された塩基性酸化物とを含むことを特徴とする。また、前記塩基性酸化物は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ストロンチウム(Sr)およびルビジウム(Rb)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素を含む原料ガスと接触させることにより、前記二酸化炭素を還元して、一酸化炭素を含む生成ガスを製造する際に使用される還元剤であって、
酸素イオン伝導性を有する酸素キャリアと、
該酸素キャリアに担持された塩基性酸化物とを含むことを特徴とする還元剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、還元剤およびガスの製造方法に関し、より詳しくは、例えば、ケミカルルーピング法に利8用可能な還元剤、およびかかる還元剤を使用したガスの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、温室効果ガスの一種である二酸化炭素は、その大気中の濃度が上昇を続けている。大気中の二酸化炭素の濃度の上昇は、地球温暖化を助長する。したがって、大気中に放出される二酸化炭素を回収することは重要であり、さらに回収した二酸化炭素を有価物質に変換して再利用できれば、炭素循環社会を実現することができる。
従来、二酸化炭素から一酸化炭素を製造する方法として、逆水性ガスシフト反応を利用した方法が知られている。しかしながら、この従来の逆水性ガスシフト反応は、生成物である一酸化炭素と水とが系内に共存するため、化学平衡の制約により二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率が低くなるという点で問題があった。
【0003】
そこで、上記問題を解決するため、ケミカルルーピング法を利用して二酸化炭素から一酸化炭素の変換(合成)を行っている。ここで言うケミカルルーピング法とは、上記逆水性ガスシフト反応を、水素による還元反応と、二酸化炭素からの一酸化炭素の生成反応との2つの反応に分割し、これらの反応を金属酸化物(MO

)によって橋渡しさせるという方法である(下記式参照)。


+ MO

→ H

O + MO
x-1
CO

+ MO
x-1
→ CO + MO

なお、上記式中、MO
x-1
は、金属酸化物の一部または全部が還元された状態を示す。
【0004】
ケミカルルーピング法では、それぞれの反応時には、逆反応の基質である水および一酸化炭素が共存しないため、逆水性ガスシフト反応の化学平衡よりも高い二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率を得られる可能性がある。
このケミカルルーピング法において、反応を橋渡しする金属酸化物としては、酸素イオン伝導性を有する酸化セリウムや酸化鉄等の酸素キャリアが広く用いられている。
また、非特許文献1には、Al



等の担体に担持された酸化ニッケルと酸化鉄との混合酸素キャリアを用い、さらに塩基性酸化物である酸化マグネシウムを担持させることにより、混合酸素キャリアの酸素移動速度を加速させ得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
ASC Omega 2018,3,4378-4383
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、非特許文献1に記載の混合酸素キャリアは、その使用用途が二酸化炭素の一酸化炭素への変換を指向したケミカルループ反応ではない。したがって、この混合酸素キャリアは、二酸化炭素を吸着する際の反応性や塩基性酸化物との相互作用が十分でなく、二酸化炭素を一酸化炭素へ変換するのに使用しても、その変換効率が低いという問題がある。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率が高く、例えば、ケミカルルーピング法に利用可能な還元剤、およびかかる還元剤を使用したガスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
(1) 本発明の還元剤は、二酸化炭素を含む原料ガスと接触させることにより、前記二酸化炭素を還元して、一酸化炭素を含む生成ガスを製造する際に使用される還元剤であって、
酸素イオン伝導性を有する酸素キャリアと、
該酸素キャリアに担持された塩基性酸化物とを含むことを特徴とする。
【0008】
(2) 本発明の還元剤では、前記塩基性酸化物の量は、前記還元剤100質量部に対して、60質量部以下であることが好ましい。
(3) 本発明の還元剤では、前記塩基性酸化物は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ストロンチウム(Sr)およびルビジウム(Rb)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0009】
(4) 本発明の還元剤では、前記酸素キャリアは、バナジウム(V)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、イットリウム(Y)、クロム(Cr)、ランタン(La)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
(5) 本発明の還元剤は、さらに、前記酸素キャリアに担持され、Ce
1-x
(M)



(ただし、Mは、そのイオン半径が同一価数かつ同一配位数のCeのイオン半径より小さい金属元素であり、xは、正の実数を示し、yは、1~4の実数を示す。)で表される複合金属酸化物を含むことが好ましい。
【0010】
(6) 本発明の還元剤では、前記Ceのイオン半径と前記金属元素Mのイオン半径との差は、価数3で配位数6のとき0pm超47pm以下であり、価数4で配位数8のとき0pm超24pm以下であることが好ましい。
(7) 本発明の還元剤では、前記金属元素Mは、サマリウム(Sm)、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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