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公開番号2025144631
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024044374
出願日2024-03-21
発明の名称回転電機および電動機システム
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人開知
主分類H02K 9/19 20060101AFI20250926BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】簡便な方法で回転子内の冷却流路の圧力損失の低減および冷媒流量の増加を図ることにより、回転子の冷却性能を向上させることができる回転電機および電動機システムを提供すること。
【解決手段】回転子の内部に軸方向に沿って設けられ、液体冷媒が流される複数の軸方向流路からなる少なくとも1組の軸方向流路群と、回転子の内部、又は回転子の回転軸の内部に軸方向に垂直に、軸方向流路よりも大きい断面積を有して設けられ、複数の軸方向流路にそれぞれ接続されて、複数の軸方向流路に液体冷媒を供給する複数の供給路と、回転子の内部、又は回転子の回転軸の内部に軸方向に垂直に、軸方向流路よりも大きい断面積を有して設けられ、軸方向流路に接続されて、軸方向流路から液体冷媒を排出する排出路と、を備え、軸方向流路群の複数の軸方向流路は、回転子の軸方向および周方向の異なる位置に配置される。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転子を液体冷媒により冷却する回転電機であって、
前記回転子の内部に軸方向に沿って設けられ、前記液体冷媒が流される複数の軸方向流路からなる少なくとも1組の軸方向流路群と、
前記回転子の内部、又は前記回転子の回転軸の内部に軸方向に垂直に、前記軸方向流路よりも大きい断面積を有して設けられ、前記複数の軸方向流路にそれぞれ接続されて、前記複数の軸方向流路に前記液体冷媒を供給する複数の供給路と、
前記回転子の内部、又は前記回転子の回転軸の内部に軸方向に垂直に、前記軸方向流路よりも大きい断面積を有して設けられ、前記軸方向流路に接続されて、前記軸方向流路から前記液体冷媒を排出する排出路と、を備え
前記軸方向流路群の複数の軸方向流路は、回転子の軸方向および周方向の異なる位置に配置されることを特徴とする回転電機。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
請求項1に記載の回転電機であって、
前記回転子は、軸方向に積層された複数の層で構成される段スキュー構造を有するとともに、
前記軸方向流路群は、段スキューの段数と同じ数だけの軸方向流路を有し、
前記軸方向流路群の各軸方向流路は、段スキューの各段に配置されており、
各段の前記軸方向流路は、段スキューの軸方向に隣り合う段に配置された前記軸方向流路とスキュー角だけ周方向にずれて配置されていることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の前記回転電機と、
前記回転電機を冷却する前記液体冷媒を冷却する熱交換器と、
前記液体冷媒を前記回転電機と前記熱交換器との間で循環させるポンプと
を備えたことを特徴とする電動機システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機および電動機システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
産業用やモビリティの分野において用いられるモータ等の回転電機は、固定子や回転子の冷却が必要であり、そのための冷却構造が設けられている。一方、産業用の回転電機では、設置面積の削減のため、モータの小型化や高出力密度化が求められており、さらなる冷却性能の向上が求められている。また、近年はモビリティの電動化が進展しており、重量制限が大きい航空機向け、次いで自動車向けモータの高出力密度化が進められており、モビリティの分野においても回転電機のさらなる冷却性能の向上が求められている。
【0003】
このような回転電機の冷却に係る従来技術としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、複数のスロットが形成され、スロットにステータコイルが装着されたステータコアと、ステータコアの中空部の内周側に配置された回転自在なロータとから構成され、スロットには絶縁紙が装着されてステータコイルが巻着され、絶縁紙の回転軸方向の長さは、ステータコアの回転軸方向の長さよりも長く、ロータ端面に冷却液を供給する回転軸冷却油路と、ロータの端面に設けられ、ステータコアから回転軸方向にはみ出した絶縁紙よりも回転軸方向の外側にあるステータコイルエンドに冷却液を誘導する傾斜部とを含む回転電機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-006429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回転電機の高冷却化には、油冷などの直接液冷方式が有効であるが、回転子コアに軸方向の貫通孔を設け、この貫通孔に冷媒を流通させて直接液冷する方法においては、貫通孔に十分な流量の冷媒を流す必要がある。例えば、上記従来技術においては、回転子の回転軸に軸方向の冷却油路を設け、回転軸の軸方向中心位置において、冷却油路から径方向反対側に延びる二本の分岐油路を設け、回転子鉄心の内径側に設けた、それぞれ軸方向反対側に向かうロータ冷却油路に接続し、回転子端部の端面油路を径方向外側に冷却油が流れ、噴射口より外部に流出し、遠心力により飛ばされた冷却油が固定子コイルエンドに衝突してコイルエンドを冷却する。
【0006】
一方、回転電機の回転子の冷却については、以下のような課題がある。例えば、永久磁石モータの場合、回転子の中で一番熱に弱いのは、一般には磁石であると考えられる。磁石が高温になると減磁が生じ、所定のトルクが出せなくなるためである。そこで回転子の直接液冷構造は、できるだけ磁石の近くに冷媒(冷却油)を流通させることが望ましい。しかしながら、回転子の磁石およびその周りの回転子鉄心は、固定子とともに磁気回路を形成しており、冷却流路の断面積を大きくとると、磁気回路の磁気抵抗が増大したり、磁束密度が増大し磁気飽和が発生したりして、回転電機の性能が悪化するため、回転子内のこのような場所に十分な断面積を持った冷却流路を設けることは難しい。また、回転子内の冷却流路の断面積を小さくしか取れないため、冷媒が流れる際に大きな圧力損失が発生し、十分な量の冷媒を流すことができないため冷却性能を向上させることができず、回転電機の高出力密度化の障害となっていた。
【0007】
上記従来技術においては、シャフトの中心を軸方向に通した流路から、軸方向中心位置で径方向の流路が回転子コア内径まで延び、さらに軸方向の反対方向両端側へ流路が形成され、回転子の遠心力を利用して、固定子コイルエンドへと冷媒を飛散させている。また、軸方向中心部から両端へ向かって回転子軸長の半分の長さの流路がそれぞれ設けられており、回転子端部から他の端部へ一本の流路を設けるよりは圧力損失が小さくなる構成となっている。
【0008】
しかしながら、上記従来技術においては、固定子の両端部のコイルエンドの冷却を目的としており、回転子内の軸方向流路は、回転子コア内径側に沿って形成されているため、永久磁石の冷却効果には疑問が残る。また、回転子コアの内径側は、磁気回路としての制約が比較的小さいため、流路の断面積を大きくとっても回転電機の性能に与える影響は小さい。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、簡便な方法で回転子内の冷却流路の圧力損失の低減および冷媒流量の増加を図ることにより、回転子の冷却性能を向上させることができる回転電機および電動機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、回転子を液体冷媒により冷却する回転電機であって、前記回転子の内部に軸方向に沿って設けられ、前記液体冷媒が流される複数の軸方向流路からなる少なくとも1組の軸方向流路群と、前記回転子の内部、又は前記回転子の回転軸の内部に軸方向に垂直に、前記軸方向流路よりも大きい断面積を有して設けられ、前記複数の軸方向流路にそれぞれ接続されて、前記複数の軸方向流路に前記液体冷媒を供給する複数の供給路と、前記回転子の内部、又は前記回転子の回転軸の内部に軸方向に垂直に、前記軸方向流路よりも大きい断面積を有して設けられ、前記軸方向流路に接続されて、前記軸方向流路から前記液体冷媒を排出する排出路と、を備え、前記軸方向流路群の複数の軸方向流路は、回転子の軸方向および周方向の異なる位置に配置されるものとする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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