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公開番号2025143532
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2025122158,2022510774
出願日2025-07-22,2021-03-26
発明の名称製菓用油脂組成物
出願人株式会社ADEKA
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類A23D 9/00 20060101AFI20250924BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】カカオ風味を良好に感じられる程度にCB含有率を高めた場合であっても長期保存時の耐ブルーム性に優れる製菓用油脂組成物を提供する。
【解決手段】第1実施形態において、製菓用油脂組成物は、下記油脂(A)を含有し、下記条件(1)及び(2)を満たす。油脂(A):構成脂肪酸中のラウリン酸(La)含量が35~60質量%である油脂(A-1)と、構成脂肪酸中のパルミチン酸(P)含量が35質量%以上である油脂(A-2)とのランダムエステル交換油脂。(1)油相中の油脂(A)の含量が80質量%以上。(2)構成脂肪酸中のLa含量が20質量%以上。第2実施形態において、製菓用油脂組成物は、下記条件(1)~(3)を満たす。(1)構成トリグリセリド中のSSSトリグリセリド含量が40質量%以上。(2)SSSトリグリセリド中のSaSbScトリグリセリド含量が5質量%以上。(3)25℃における固体脂含量SFC-25(%)と35℃における固体脂含量SFC-35(%)の比SFC-25/SFC-35が4.3~7.5。但し、Sは、飽和脂肪酸を示し、Saは、ラウリン酸(La)又はミリスチン酸(M)を示し、Sb及びScは、炭素数16以上の飽和脂肪酸を示し、Sa、Sb及びScの合計炭素数が46である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記条件(1)~(3)を満たす製菓用油脂組成物。
(1)構成トリグリセリド中のSSSトリグリセリド含量が40質量%以上
(2)SSSトリグリセリド中のS





トリグリセリド含量が5質量%以上
(3)25℃における固体脂含量SFC-25(%)と35℃における固体脂含量SFC-35(%)の比SFC-25/SFC-35が4.3~7.5
但し、
Sは、飽和脂肪酸を示し、


は、ラウリン酸(La)又はミリスチン酸(M)を示し、


及びS

は、炭素数16以上の飽和脂肪酸を示し、


、S

及びS

の合計炭素数が46である。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
構成脂肪酸中のLa含量が25質量%以上である、請求項1に記載の製菓用油脂組成物。
【請求項3】
SSSトリグリセリド中のS





トリグリセリド含量が5質量%以上13質量%以下である、請求項1又は2に記載の製菓用油脂組成物。
【請求項4】
構成飽和脂肪酸中のパルミチン酸(P)とステアリン酸(St)の合計含量が40質量%以上である、請求項1~3の何れか1項に記載の製菓用油脂組成物。
【請求項5】
SSSトリグリセリド中のLaSSトリグリセリド(La含有混酸型トリグリセリド)含量が40質量%以上である、請求項1~4の何れか1項に記載の製菓用油脂組成物。
【請求項6】
SSSトリグリセリド中のLaLaLaトリグリセリド含量が20質量%以下である、請求項1~5の何れか1項に記載の製菓用油脂組成物。
【請求項7】
SFC-35が11%以下である、請求項1~6の何れか1項に記載の製菓用油脂組成物。
【請求項8】


がLaである、請求項1~7の何れか1項に記載の製菓用油脂組成物。
【請求項9】
チョコレート類用である、請求項1~8の何れか1項に記載の製菓用油脂組成物。
【請求項10】
ノーテンパー型のハードバター組成物である、請求項1~9の何れか1項に記載の製菓用油脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、製菓用油脂組成物に関する。本発明はさらに、該製菓用油脂組成物を含む油性菓子、製菓用油脂組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
消費者の嗜好の多様化に合わせ、様々な食感を有する菓子類が求められるようになっており、菓子類の物性に大きな影響を及ぼす油脂についても多様な要望がある。例えば、チョコレートは、構成成分の1/3~1/2を油脂が占め、チョコレートの食感や口溶けは、油脂の特性に大きく依存する。
【0003】
チョコレート等の油性菓子を製造する際、製菓用油脂として広く用いられる油脂の一つにカカオバター(以下、「CB」ともいう。)がある。CB配合量を増加させるほど、得られる油性菓子は、カカオ風味に富みコクのある濃厚な風味を呈する。他方、油性菓子の物性向上の観点から、CB以外の油脂から作られたハードバターと呼ばれる製菓用油脂をCBと併用して油性菓子を製造することが広く知られている。ハードバターは、その用途・用法から、テンパー型のハードバターと、ノーテンパー型のハードバターに分類され、後者のノーテンパー型のハードバターは、製造工程において油脂の結晶状態を調整する技術であるテンパリング操作を必要とせず、作業性の向上や、保存性の向上を図ることができるため、幅広く使用されている。
【0004】
このノーテンパー型のハードバターは、さらにラウリン系と非ラウリン系に大別される。ノーテンパー型ハードバターのうち、ラウリン系ハードバターは、短鎖脂肪酸残基を多く含有する油脂を使用しており、低融点で口溶けが良好であるという特長を有する。その反面、CBとの相溶性が低くCB配合量が極めて低く制限されてしまう。先述のとおり、チョコレート等の油性菓子は、CB配合量を増加させるほど好ましいカカオ風味が強く得られる。しかし、ラウリン系ハードバターを用いて油性菓子を製造する場合、油性菓子に含まれる油脂分中のCB含有率を高めると、粗大な油脂結晶等に起因したブルームと呼ばれる白斑が発生し、油性菓子の外観を損なうばかりか、風味や食感も損ねやすい。そのため、ラウリン系ハードバターを用いた油性菓子は、一般に、CB配合量が5%程度と極めて低く制限される傾向にあった。一方、非ラウリン系ハードバターは、ラウリン系ハードバターに比し長鎖の脂肪酸残基を多く含有する油脂を使用しており、CBとの相溶性が比較的高くカカオ風味の強い油性菓子をもたらし得るものの、ラウリン系ハードバターにみられるような口溶けの良さは得られ難い傾向にある。
【0005】
また、ノーテンパー型のハードバターは、トランス型の不飽和脂肪酸を多く含有する高トランス脂肪酸系とトランス型の不飽和脂肪酸をほとんど含有しない低トランス脂肪酸系にも大別される。高トランス脂肪酸系のハードバターは、CBとの相溶性が比較的高いことからカカオ風味の強い油性菓子をもたらし得る。
しかし、近年では、トランス酸型の不飽和脂肪酸残基を含む油脂の健康被害への関与が指摘され、トランス型の不飽和脂肪酸の摂取を抑制することが要求されていることから、世界的に、高トランス脂肪酸系のハードバターの使用を避け、低トランス脂肪酸系のハードバターを用いる傾向にある。
【0006】
そのため、最近では、良好な口溶けを示しつつ、CB相溶性も良好な、ノーテンパー型ハードバター(さらにはトランス酸型の不飽和脂肪酸残基を可能な限り低量に抑えたノーテンパー型ハードバター)を実現すべく、種々の開発が進められている。例えば、特許文献1には、SUS型トリグリセリドに富む油脂の微水素添加油とSSU型トリグリセリドに富む油脂とを混合してなるノーテンパー型ハードバターが開示されている。また、特許文献2及び3には、構成脂肪酸やトリグリセリドの組成を調整したノーテンパー型ハードバターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2005/094598号
特許第5830582号公報
特許第6366495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1~3の技術によれば口溶けとCB相溶性において幾分改善された効果が奏されるものの、例えば、油脂分中のCB含有率を10%程度に高めると、長期保存時にはブルームが発生する場合があるなど、未だ改善の余地があることを見出した。また、特許文献1に記載されたハードバターは、トランス型の不飽和脂肪酸を比較的多く含むものであり、トランス脂肪酸の摂取を抑制するという昨今の要求に十分に応えられないものであった。
【0009】
したがって本発明の第1の態様においては、カカオ風味を良好に感じられる程度にCB含有率を高めた場合であっても長期保存時の耐ブルーム性に優れると共に、十分な口溶けやスナップ性を呈する油性菓子をもたらす製菓用油脂組成物を提供することを課題とする。
【0010】
他方、消費者の嗜好性の多様化に伴い、チョコレートと、ビスケット等の焼菓子とを組み合わせた菓子商品(以下、「組み合わせ菓子」ともいう。)が増えている。斯かる組み合わせ菓子においては、チョコレートの口溶けと、焼菓子の口溶けとのバランスが求められる。チョコレートの口溶けが良すぎても、焼菓子の口溶けが良すぎても、口中にて一方が他方より先に溶解し(ひいては口中に一方しか残らないこととなり)、一体感のある風味は得られない。
(【0011】以降は省略されています)

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