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公開番号2025141330
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024041215
出願日2024-03-15
発明の名称多色性塗膜
出願人スズカファイン株式会社
代理人
主分類B05D 5/06 20060101AFI20250919BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】
既設建物の壁面に下地塗料を塗布した後、良好な水滴滑落性を有する着色粒状物含有クリヤー塗料を上塗りすることで、形成した多色性塗膜への汚染物の付着を防止し、多色性の外観を長期間維持する塗膜形成方法を提供する。
【解決手段】
既設建物の壁面に、1色以上の平均粒度0.1~10mmの着色粒状物と、融点が80℃以上であるワックスを含有し、乾燥塗膜の水滑落角(水20μL)が0.5~30度である着色粒状物含有クリヤー塗料を、着色粒状物のうちの少なくとも1色とは異なる色の下地塗料に上塗りすることで、水滴滑落性が良好で御影石調の高意匠な小柄多彩模様仕上げが得られる。本発明の多色性塗膜は水滴滑落性が良好であるため、降雨等の洗浄作用により汚染物が除去されやすい。また、日射により外壁表面が高温になってもワックスが融解せずに良好な水滴滑落性を持続し、御影石調の高意匠な外観を長期間維持することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
既設建物の壁面に、1色以上の平均粒度0.1~10mmの着色粒状物と、融点が80℃以上であるワックスを含有し、乾燥塗膜の水滑落角(水20μL)が0.5~30度である着色粒状物含有クリヤー塗料を、着色粒状物のうちの少なくとも1色とは異なる色の下地塗料に上塗りすることを特徴とする多色性塗膜の形成方法。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
着色粒状物が着色ゲル粒子であることを特徴とする請求項1の多色性塗膜の形成方法。
【請求項3】
2色以上の下地塗料を塗り重ねて、最初の下地塗料以外は疎らに塗装し、塗り残し部を散在させることで下地塗料を多色性に仕上げることを特徴とする請求項1または2の多色性塗膜の形成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、既設建物の壁面に、水滴滑落性の良好な御影石調の多色性塗膜を形成する方法に関するものであり、降雨等の洗浄作用により付着汚染物が除去されやすく、御影石調の高意匠な外観を維持することを特徴とする。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
建物壁面の塗装では、デザイン性を高めるために様々な意匠性の工夫が施されており、例えば、質感を重視するものとして石材調の塗装仕上げがある。特に、着色粒状物を含有する多色性塗料により、御影石調の小柄多彩模様上げとする塗膜形成方法は、数多くの技術が開示され実施されている。着色粒状物には様々なタイプがあるが、中でも水溶性高分子をゲル化剤により不溶化させた着色ゲル粒子は、着色と大きさの自由度が高く、乾燥すると扁平状になることから、多色性塗料の着色粒状物として多用されている。
【0003】
しかしながら、大気環境下においては、塵埃、煤煙、排出粒子状物質等の様々な浮遊汚染物が存在する。そして、建物外部にはこれらの浮遊汚染物が雨、雪、風等の媒介により付着する。特に、御影石調のような小柄多彩模様は、微細な汚れによっても意匠性への影響を受けやすく、せっかくの高意匠なデザイン仕上げが台無しになりかねない。また、着色ゲル粒子を着色粒状物として含有する多色性塗料は、塗膜の耐水性が本来的に弱くなりがちであるため、塗膜劣化によっても汚染物が付着しやすくなる。このため、着色ゲル粒子を含有する小柄多彩模様仕上げの汚染性を改善する技術として、多色性塗料にクリヤー塗料を上塗りする手法(特許文献1)、また、多色性塗料中の塗膜形成用樹脂に対する着色ゲル粒子の比率を引き下げる手法(特許文献2)、さらには、多色性塗料の塗膜形成用樹脂に親水性モノマーを使用する手法(特許文献3)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平9-57186号公報
特開2004-277653号公報
特開2019-19269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は小柄多彩模様塗料に上塗りするクリヤー塗料の低汚染性に依存するものであるため、小柄多彩模様塗料自体の低汚染性の本質的な改善にはなっておらず、クリヤー塗料を塗装する工程も増える。また、特許文献2の手法も、単に小柄多彩模様塗料の塗膜形成成分中の樹脂比率に依存するものであり、低汚染性の本質的な改善にはなっていない
【0006】
一般的に、低汚染性を本質的に改善する手法としては、自動車の表面コーティング剤のように、塗膜表面を親水化する手法と、これとは逆に撥水化する手法が知られている。いずれも降雨のような自然洗浄作用や水洗等による強制洗浄作用を補助するものであり、前者は、洗浄作用時に塗膜の表面を水膜で覆い、付着汚染物を水膜中に分散させて拡散し、水膜とともに付着汚染物を流出させる。後者は、塗膜の表面を撥水化することで、洗浄作用時に弾いた水滴中に付着汚染物を内包し、水滴の滑落とともに付着汚染物を除去するものである。これら以外に、塗膜表面に疎水性の微小な突起物を緊密に配列することで撥水性を発現する効果(ロータス効果)も知られているが、実施技術の難易度が高い。
【0007】
特許文献3は塗膜表面を親水化する手法であるが、この手法では塗膜の劣化因子である水の影響を受けやすくなるため、塗膜の耐水性や耐候性が低下し、塗膜の耐久性に悪影響を及ぼすことがある。このため、塗膜の耐久性を最優先する建物壁面の塗装では、降雨等の洗浄作用により付着汚染物の除去を促す手法として、塗膜表面の撥水化が好ましい。
【0008】
また、以前は塗膜表面の撥水性を評価する指標として静的接触角が一般的であった。しかし、現在では水滴の滑落しやすさ(水滴滑落性)を評価するには、水滑落角のほうが静的接触角よりも妥当とされており、付着汚染物の除去性を評価する指標としても有用である。ここで、水滑落角とは、規定質量の水滴を水平な固体表面上に滴下し、この固体試料を徐々に傾けていき、水滴が下方に滑り出し始める傾斜角である。例えば、20μLの水滴を滴下した場合の水滑落角は、水滑落角(水20μL)と表記する。そして、静的接触角を大きくすれば水滑落角が小さくなる傾向は見られるものの、静的接触角の高い表面が必ずしも水滑落角が低くなるとは限らない。
【0009】
そこで、本発明は上記課題を解決するものであり、既設建物の壁面に下地塗料を塗布した後、水滴滑落性の良好な着色粒状物含有クリヤー塗料を上塗りすることで、形成した多色性塗膜の付着汚染物が降雨等の洗浄作用により除去され、御影石調の高意匠な外観を長期間維持することを特徴とする多色性塗膜の形成方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのための手段として、本発明の着色粒状物含有クリヤー塗料は撥水性であるワックスを含有する。ワックスには、塗膜の乾燥が進行するにつれて塗膜表層に配向する性質があるため、塗膜の水滑落角を低下させることができる。本発明の着色粒状物含有クリヤー塗料は、塗膜の水滑落角(水20μL)が0.5~30度であるため、良好な水滴滑落性を有する。さらに、本発明の着色粒状物含有クリヤー塗料に含有するワックスは、融点が80℃以上であるため、壁面の温度が上昇しても融解しにくい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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