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公開番号
2025140920
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-29
出願番号
2024040572
出願日
2024-03-14
発明の名称
キトサンを含む歯科用グラスアイオノマーセメント組成物、及びその製造方法
出願人
株式会社松風
代理人
個人
主分類
A61K
6/898 20200101AFI20250919BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】
練和性や操作余裕時間に悪影響を与えることなく、高い機械的特性を安定して発現する歯科用グラスアイオノマーセメント組成物、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
(a)キトサン 0.01質量%以上1.5質量%以下、(b)酸反応性ガラス粉末 30質量%以上75質量%以下、(c)ポリアルケン酸 5質量%以上30質量%以下、(d)水 10質量%以上35質量%以下、(e)酒石酸、及び(f)酒石酸以外の水溶性多価カルボン酸化合物及び水溶性アスコルビン酸化合物からなる群より選択される1種又は2種以上の酸性化合物、を含む2剤型の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物であって、前記(e)酒石酸と前記(f)酸性化合物の合計含有量が組成物全体に対して1質量%以上10質量%以下であり、前記(e)酒石酸の含有量と前記(f)酸性化合物の含有量との質量比((e)酒石酸/(f)酸性化合物)が0.01以上99以下であり、かつ、2剤のうち少なくとも1剤が、前記(a)キトサン、前記(d)水、及び、前記(e)酒石酸及び前記(f)酸性化合物からなる群より選択される1種又は2種以上と、を含むことを特徴とする歯科用グラスアイオノマーセメント組成物とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)キトサン 0.01質量%以上1.5質量%以下、
(b)酸反応性ガラス粉末 30質量%以上75質量%以下、
(c)ポリアルケン酸 5質量%以上30質量%以下、
(d)水 10質量%以上35質量%以下、
(e)酒石酸、及び
(f)酒石酸以外の水溶性多価カルボン酸化合物及び水溶性アスコルビン酸化合物からなる群より選択される1種又は2種以上の酸性化合物、
を含む2剤型の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物であって、
前記(e)酒石酸と前記(f)酸性化合物の合計含有量が組成物全体に対して1質量%以上10質量%以下であり、
前記(e)酒石酸の含有量と前記(f)酸性化合物の含有量との質量比((e)酒石酸/(f)酸性化合物)が0.01以上99以下であり、かつ、
2剤のうち少なくとも1剤が、前記(a)キトサン、前記(d)水、及び、前記(e)酒石酸及び前記(f)酸性化合物からなる群より選択される1種又は2種以上と、を含むことを特徴とする歯科用グラスアイオノマーセメント組成物。
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【請求項2】
前記(f)酸性化合物がクエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、フマル酸、及びアコニット酸からなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物。
【請求項3】
前記(f)酸性化合物がクエン酸、及び/又はリンゴ酸である、請求項1に記載の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物。
【請求項4】
無機酸、及びモノカルボン酸を実質的に含まない請求項1~3の何れか1項に記載の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物。
【請求項5】
前記歯科用グラスアイオノマーセメント組成物は、
前記(a)キトサン、前記(c)ポリアルケン酸、前記(d)水、並びに前記(e)酒石酸と前記(f)酸性化合物の少なくとも一方を含む第1剤と、
前記(b)酸反応性ガラス粉末を含む第2剤とからなり、
前記第2剤は、前記(d)水を含む場合、前記(c)ポリアルケン酸、前記(e)酒石酸及び前記(f)酸性化合物を含まない、請求項1~3の何れか1項に記載の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物。
【請求項6】
前記歯科用グラスアイオノマーセメント組成物は、
前記(a)キトサン、前記(c)ポリアルケン酸、前記(d)水、並びに前記(e)酒石酸と前記(f)酸性化合物の少なくとも一方を含む第1剤と、
前記(b)酸反応性ガラス粉末を含む第2剤とからなり、
前記第2剤は、前記(d)水を含む場合、前記(c)ポリアルケン酸、前記(e)酒石酸及び前記(f)酸性化合物を含まない、請求項4に記載の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物。
【請求項7】
歯科用グラスアイオノマーセメント組成物の製造方法であって、
前記歯科用グラスアイオノマーセメント組成物は、
前記(a)キトサン、前記(c)ポリアルケン酸、前記(d)水、並びに前記(e)酒石酸及び前記(f)酸性化合物の少なくとも一方を含む第1剤と、
前記(b)酸反応性ガラス粉末を含む第2剤とからなり、
前記第2剤は、前記(d)水を含む場合、前記(c)ポリアルケン酸、前記(e)酒石酸及び前記(f)酸性化合物を含まず、
前記(a)キトサン、前記(d)水の一部又は全部、並びに、前記(e)酒石酸及び/又は前記(f)酸性化合物の一部又は全部を混合して混合液を製造する工程と、
前記混合液と、前記混合液を製造する工程で混合されていない前記第1剤を構成する残りの成分を混合して前記第1剤を製造する工程を含む、歯科用グラスアイオノマーセメント組成物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科充填用グラスアイオノマーセメントや歯科合着用グラスアイオノマーセメント等の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物、及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
歯科臨床において、う蝕や破折等により部分的に形態が損なわれた歯牙に対して審美的及び機能的回復を行うために、充填材料を歯牙に充填する直接修復や、合着材料を用いて歯科補綴装置を歯牙に合着、及び/又は接着させる間接修復が行われている。代表的な充填材料や合着材料の一つとして歯科用グラスアイオノマーセメントが挙げられ、その最大の特徴は歯質強化や二次う蝕の抑制をもたらすフッ化物イオンの徐放性を有することである。
【0003】
歯科用グラスアイオノマーセメントは、フルオロアルミノシリケートガラス粉末に代表される酸反応性ガラス粉末、ポリアルケン酸、及び水を主成分としており、水の存在下でポリアルケン酸等の酸性化合物が酸反応性ガラス粉末に作用することで、酸反応性ガラス粉末から多価金属イオン(Al
3+
、Ca
2+
、Sr
2+
等)が溶出し、溶出した多価金属イオンとポリアルケン酸の酸性基がイオン結合することで、ポリアルケン酸間で多価金属イオンを介した架橋構造が形成され硬化する。また、歯科用グラスアイオノマーセメントの前記主成分に、酒石酸を加えることで硬化反応を遅延させ、操作余裕時間を長くする技術は、当該分野において公知である(特許文献1)。
【0004】
一方、歯科用グラスアイオノマーセメントの機械的特性をさらに向上させるべく、種々の検討がなされている。例えば特許文献2には、歯科用グラスアイオノマーセメント組成物の粉材又は液材に多糖類のナノファイバーを添加することで、機械的特性を高める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開WO2014/050924号公報
特開2022-018774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
歯科用グラスアイオノマーセメントは、一般的に全成分中に含まれる酸反応性ガラス粉末の割合が高くなるにつれて硬化体の機械的特性が向上する。このため練和する際の液材に対する粉材の質量比、すなわち粉液比ができる限り高いほうが好ましい。しかし、粉液比が高くなるに伴い練和物の粘度が高くなるため、充分に練和されず不均一な練和物となり、却って硬化体の機械的特性の低下を引き起こす場合がある。また、粉液比を高くした際の別の影響として、操作余裕時間(練和物の塑性変形が可能な時間)が短くなりすぎて、一度に複数歯を治療する場合等、治療に時間を要する場合は操作途中で練和物が硬化してしまうことがある。このように練和性や操作余裕時間に悪影響を及ぼすことがあるため、粉液比を高くするにはある程度の限界があった。
【0007】
また、特許文献2で開示された技術では粉液比を高めずに歯科用グラスアイオノマーセメント組成物の機械的特性を向上させることができるものの、多糖類のナノファイバーは非常に凝集しやすい性質を持つため、多糖類のナノファイバーを歯科用グラスアイオノマーセメントの粉材に添加すると経時的にナノファイバー同士が凝集し、機械的特性の向上効果が徐々に失われる場合があった。また、多糖類のナノファイバーを歯科用グラスアイオノマーセメントの液材に添加すると、経時的にナノファイバーが沈降するために、使用直前に液材を振盪する必要が生じ操作が煩雑であった。さらに、液材の振盪が不充分であると機械的特性の向上効果が充分に得られない場合があった。
【0008】
そこで本発明は練和性や操作余裕時間に悪影響を及ぼすことなく、高い機械的特性を安定して発現する歯科用グラスアイオノマーセメント組成物、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、かかる課題の下に鋭意検討を行った結果、従来の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物の主成分である酸反応性ガラス粉末、ポリアルケン酸、水、及び酒石酸に加え、さらにキトサンと特定の酸性化合物を配合し、且つ各成分を特定の割合で含ませると共に、キトサンを水に予め溶解した状態で配合することで、練和性や操作余裕時間等に悪影響を及ぼすことなく特異的に機械的特性が向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、上記課題は以下の成分構成とすることにより解決される。
(a)キトサン 0.01質量%以上1.5質量%以下、
(b)酸反応性ガラス粉末 30質量%以上75質量%以下、
(c)ポリアルケン酸 5質量%以上30質量%以下、
(d)水 10質量%以上35質量%以下、
(e)酒石酸、及び
(f)酒石酸以外の水溶性多価カルボン酸化合物及び水溶性アスコルビン酸化合物からなる群より選択される1種又は2種以上の酸性化合物、
を含む2剤型の歯科用グラスアイオノマーセメント組成物であって、
前記(e)酒石酸と前記(f)酸性化合物の合計含有量が組成物全体に対して1質量%以上10質量%以下であり、
前記(e)酒石酸の含有量と前記(f)酸性化合物の含有量との質量比((e)酒石酸/(f)酸性化合物)が0.01以上99以下であり、かつ、
2剤のうち少なくとも1剤が、前記(a)キトサン、前記(d)水、及び、前記(e)酒石酸及び前記(f)酸性化合物からなる群より選択される1種又は2種以上と、を含むことを特徴とする歯科用グラスアイオノマーセメント組成物。
(【0011】以降は省略されています)
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