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公開番号2025140152
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024039347
出願日2024-03-13
発明の名称排水の処理方法およびその利用
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類C02F 1/52 20230101AFI20250919BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】有機物成分および窒素化合物成分の両方を効率よく除去可能な、排水の処理方法を提供する。
【解決手段】陰イオン界面活性剤の濃度が0~1500mg/Lの排水を得る工程(A)、得られた排水を無機凝集剤で処理する工程(B)、および、工程(B)で得られた排水をアニオン系高分子凝集剤で処理する工程(C)、を含み、工程(B)における無機凝集剤添加後の排水のpHが4.30~5.50である、排水の処理方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
微生物からポリヒドロキシアルカノエートを生産する際に生じる排水の処理方法であって、
陰イオン界面活性剤の濃度が0~1500mg/Lの排水を得る工程(A)、
前記工程(A)で得られた排水を無機凝集剤で処理する工程(B)、および、
前記工程(B)で得られた排水をアニオン系高分子凝集剤で処理する工程(C)、を含み、
前記工程(B)において、前記無機凝集剤添加後の排水のpHが4.30~5.50である、排水の処理方法。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記無機凝集剤が、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、およびポリ硫酸第二鉄からなる群より選択される、いずれか1種以上を含む、請求項1に記載の排水の処理方法。
【請求項3】
前記微生物からポリヒドロキシアルカノエートを生産する際に生じる排水が、以下の工程(a)~(c)のいずれか1以上の工程において生じた排水である、請求項1に記載の排水の処理方法:
ポリヒドロキシアルカノエートを生産する微生物を培養する工程(a)、
前記ポリヒドロキシアルカノエートを含む微生物の破砕および/または可溶化処理を実施する工程(b)、
前記工程(b)で得られた処理液からポリヒドロキシアルカノエートを分離する工程(c)。
【請求項4】
前記工程(A)で得られる排水のpHが8.00~12.00である、請求項1に記載の排水の処理方法。
【請求項5】
前記工程(B)における前記無機凝集剤の使用量が、以下の式を満たす、請求項1に記載の排水の処理方法:
前記工程(B)における前記無機凝集剤の使用量/前記工程(A)で得られる排水中のCOD濃度=0.30~0.50。
【請求項6】
前記工程(A)で得られる排水中のCOD濃度が1000~70000mg/Lであり、T-N濃度が10~3600mg/Lである、請求項1に記載の排水の処理方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の排水の処理方法を一工程として含む、ポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物からポリヒドロキシアルカノエートを生産する際に生じる排水の処理方法およびその利用に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
生分解性プラスチックは、土中または水中の微生物等により完全に生分解され、自然界の炭素循環プロセスに取り込まれるため、生態系への悪影響がほとんどない環境調和型のプラスチック材料として、積極的な使用が望まれている。生分解性プラスチックの中でもPHA等の植物由来の生分解性プラスチックが注目されている。PHAは、脂肪族ポリエステル(熱可塑性ポリエステル)の一種であり、微生物によって植物由来の天然の有機酸や油脂を炭素源として生産することが可能である。
【0003】
微生物を利用したPHAの製造プロセスにおいては、微生物の菌体残渣等に由来する有機物成分および窒素化合物成分を多量に含む排水が発生する。このような微生物を利用したPHAの製造プロセスにおいて生じる排水を処理する方法の一つとして、かかる排水を生物処理および凝集処理する方法が知られている(特許文献1、2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-132279号
特開2023-132280号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の生物処理および凝集処理による微生物を利用したPHAの製造プロセスにおいて生じる排水の処理方法は、排水中の有機物成分(COD)を処理するにあたっては優れた方法であったが、一方で、排水中の窒素化合物成分(T-N)の処理効率の観点からは、別途脱窒処理が必要となる場合があるなど、改善の余地があった。
【0006】
上記のような状況にあって、本発明の一態様は、微生物を利用したPHAの製造プロセスで生じる排水中の有機物成分および窒素化合物成分の両方を効率よく除去可能な、排水の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、微生物を利用したPHAの製造プロセスで生じする排水について、無機凝集剤およびアニオン系高分子凝集剤による2段階の凝集処理を、特定条件で実施することにより、PHAの製造プロセスで生じる排水中の有機物成分および窒素化合物成分の両方を効率よく除去できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明の一態様は、以下の構成を含む。
〔1〕微生物からポリヒドロキシアルカノエートを生産する際に生じる排水の処理方法であって、陰イオン界面活性剤の濃度が0~1500mg/Lの排水を得る工程(A)、前記工程(A)で得られた排水を無機凝集剤で処理する工程(B)、および、前記工程(B)で得られた排水をアニオン系高分子凝集剤で処理する工程(C)、を含み、前記工程(B)において、前記無機凝集剤添加後の排水のpHが4.30~5.50である、排水の処理方法。
〔2〕前記無機凝集剤が、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、およびポリ硫酸第二鉄からなる群より選択される、いずれか1種以上を含む、〔1〕に記載の排水の処理方法。
〔3〕前記微生物からポリヒドロキシアルカノエートを生産する際に生じる排水が、以下の工程(a)~(c)のいずれか1以上の工程において生じた排水である、〔1〕または〔2〕に記載の排水の処理方法:ポリヒドロキシアルカノエートを生産する微生物を培養する工程(a)、前記ポリヒドロキシアルカノエートを含む微生物の破砕および/または可溶化処理を実施する工程(b)、前記工程(b)で得られた処理液からポリヒドロキシアルカノエートを分離する工程(c)。
〔4〕前記工程(A)で得られる排水のpHが8.00~12.00である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の排水の処理方法。
〔5〕前記工程(B)における前記無機凝集剤の使用量が、以下の式を満たす、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の排水の処理方法:前記工程(B)における前記無機凝集剤の使用量/前記工程(A)で得られる排水中のCOD濃度=0.30~0.50。
〔6〕前記工程(A)で得られる排水中のCOD濃度が1000~70000mg/Lであり、T-N濃度が10~3600mg/Lである、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の排水の処理方法。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の排水の処理方法を一工程として含む、ポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、微生物を利用したPHAの製造プロセスで生じる排水中の有機物成分および窒素化合物成分の両方を効率よく除去可能な、排水の処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の一形態について、以下に詳細に説明する。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
(【0011】以降は省略されています)

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