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公開番号2025137315
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024057818
出願日2024-03-29
発明の名称評価方法及び評価装置
出願人ヤーマン株式会社
代理人弁理士法人IPX
主分類G01N 13/04 20060101AFI20250911BHJP(測定;試験)
要約【課題】被検膜に対して物質が浸透又は透過する程度を、比較的短時間で評価し得る評価方法、及び評価装置を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、被検膜に対して物質が浸透又は透過する程度を評価するための評価方法が提供される。この評価方法は、緩衝液を含浸した含浸体に接触させて、被検膜を配置する第1の工程と、被検膜の含浸体と反対側に、物質を配置する第2の工程と、物質を介して被検膜に対して外部刺激を付与する第3の工程と、被検膜又は含浸体から物質を回収する第4の工程と、回収された物質を定量する第5の工程とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被検膜に対して物質が浸透又は透過する程度を評価するための評価方法であって、
緩衝液を含浸した含浸体に接触させて、前記被検膜を配置する第1の工程と、
前記被検膜の前記含浸体と反対側に、前記物質を配置する第2の工程と、
前記物質を介して前記被検膜に対して外部刺激を付与する第3の工程と、
前記被検膜又は前記含浸体から前記物質を回収する第4の工程と、
回収された前記物質を定量する第5の工程とを備える、評価方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の評価方法において、
前記第3の工程において、前記外部刺激は、物理的刺激である、評価方法。
【請求項3】
請求項2に記載の評価方法において、
前記物理的刺激は、前記被検膜の前記物質と反対側に配置された電極と、前記含浸体の前記被検膜と反対側に配置された対向電極との間に通電することにより付与される電気刺激である、評価方法。
【請求項4】
請求項3に記載の評価方法において、
前記電気刺激は、前記電極と前記対向電極とが接近するように加圧した状態で付与される、評価方法。
【請求項5】
請求項1に記載の評価方法において、
前記第2の工程に先立って、前記被検膜の前記含浸体と反対側に、前記物質を配置する複数の領域を区画する区画体を配置し、
前記第2の工程において、前記複数の領域のそれぞれに配置される前記物質は、それらの種類及び量が同一であるか、又はそれらの少なくとも一方が異なっている、評価方法。
【請求項6】
請求項1に記載の評価方法において、
前記第2の工程に先立って、前記被検膜の前記含浸体と反対側に、前記物質の外側を囲んで逸流を阻止可能な逸流阻止体を配置する、評価方法。
【請求項7】
請求項1に記載の評価方法において、
前記第2の工程において、前記物質を吸収体に吸収させた状態で、前記被検膜の前記含浸体と反対側に配置する、評価方法。
【請求項8】
請求項1に記載の評価方法において、
前記被検膜は、動物の皮膚、人工皮膚、疑似皮膚、又は経皮的拡散試験用膜である、評価方法。
【請求項9】
請求項1に記載の評価方法において、
前記物質は、イオン性化合物である、評価方法。
【請求項10】
被検膜に対して物質が浸透又は透過する程度を評価するのに使用される評価装置であって、
前記被検膜を接触させた状態で配置され、緩衝液を含浸した含浸体と、
前記被検膜を前記含浸体に対して固定する固定機構と、
前記被検膜の前記含浸体と反対側に配置された前記物質を介して、前記被検膜に対して外部刺激を付与する刺激付与機構とを備える、評価装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、評価方法及び評価装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
経皮薬物送達は、非侵襲的な薬物投与法として注目されている。経皮的薬物吸収を促進するために、浸透補助剤やイオントフォレーシス等の種々の手段が開発されている。
イオントフォレーシス装置は、図9に示すように、一対の電極(陽極及び陰極)と電源とから構成されている。陽極及び陰極は、皮膚上に配置され、電源から印加電圧が陽極と陰極との間に供給される。そして、イオン化された薬物の分子は、陽極又は陰極(図示の例では、陰極)からの電気的反発力に抗して、皮膚のバリアから表皮や真皮に浸透する。
イオントフォレーシスによって、インスリン、アセチルコリン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)等の薬物を経皮的に投与することが検討されている。
【0003】
この技術は、治療への応用だけでなく、化粧品分野や美容分野への応用も検討されている。
塩田らは、イオントフォレーシスによって皮膚に吸収された酸化還元ナノ粒子が、紫外線照射によるメラニン生成を抑制することを報告した。また、Taylorらは、イオントフォレーシスを用いたアスコルビルグルコシドによる短期治療(1~2ヵ月)及び長期治療(1~54ヵ月、平均26ヵ月)が肝斑の改善につながると報告している。
これらの報告は、化粧品分野や美容分野におけるイオントフォレーシスの応用が数多くあることを示している。そして、携帯型の電動美顔器(電気美顔器)は、イオントフォレーシスの応用に特に適していると考えられる。
【0004】
ここで、経皮薬物吸収の推定には、一般に、フランツ型拡散セルを用いた方法(フランツセル法)が使用される(非特許文献1参照)。
フランツ型拡散セル(フランツセル)は、ガラス製であり、上部のドナーセルと下部のレセプターセルとから構成されている。そして、レセプターセルは、適切な緩衝液で満たされ、ドナーセルとレセプターセルとの境界には、試験用の皮膚や膜(被検膜)が配置される。この状態で、試験用化合物(ゲル、溶液、クリームのような物質)をドナーセルに流し込むか、又は膜の上に配置する。
イオントフォレーシスを行った後、レセプターセル内の緩衝液を回収し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の適切な方法を用いて分析して、皮膚又は膜を通して緩衝液中に移行した薬物の量を測定する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Calatayud-Pascual MA, Balaguer-Fernandez C, Serna-Jimenez CE, Del Rio-Sancho S, Femenia-Font A, Merino V, Lopez-Castellano A. Effect of iontophoresis on in vitro transdermal absorption of almotriptan. Int J Pharm. 2011 Sep 15;416(1):189-94.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、フランツセル法では、レセプターセルに貯留される緩衝液の量が多くなるため、微量な物質の透過を観察するのに長時間を要する。
本発明では上記事情に鑑み、被検膜に対して物質が浸透又は透過する程度を、比較的短時間で評価し得る評価方法、及び評価装置を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、被検膜に対して物質が浸透又は透過する程度を評価するための評価方法が提供される。この評価方法は、緩衝液を含浸した含浸体に接触させて、被検膜を配置する第1の工程と、被検膜の含浸体と反対側に、物質を配置する第2の工程と、物質を介して被検膜に対して外部刺激を付与する第3の工程と、被検膜又は含浸体から物質を回収する第4の工程と、回収された物質を定量する第5の工程とを備える。
【0008】
かかる態様によれば、被検膜に対して物質が浸透又は透過する程度を、比較的短時間で評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1(a)は、第1実施形態に係る評価装置を模式的に示す分解斜視図(一部の部品を省略して示す。)であり、図1(b)は、第1実施形態に係る評価装置を模式的に示す側面図(一部を断面で示す。)である。
図2(a)は、図1(b)に示す評価装置の写真であり、図2(b)は、作用ヘッドを模式的に示す側面図、図2(c)は、作用ヘッドを模式的に示す底面図である。
図3(a)は、第2実施形態に係る評価装置を模式的に示す分解斜視図(一部の部品を省略して示す。)であり、図3(b)は、第2実施形態に係る評価装置を模式的に示す側面図(一部を断面で示す。)である。
図4(a)は、第3実施形態に係る評価装置を模式的に示す分解斜視図(一部の部品を省略して示す。)であり、図4(b)は、第3実施形態に係る評価装置を模式的に示す側面図(一部を断面で示す。)である。
図5(a)は、逸流阻止体を配置しない場合の物質の逸流の状態を示す写真であり、図5(b)は、逸流阻止体を配置した場合の物質の逸流の状態を示す写真である。
図6(a)は、イオントフォレーシスの有無によるエダラボンのマウスの皮膚に対する浸透性を示すグラフであり、図6(b)は、試験溶液の塗布時間経過によるエダラボンのマウスの皮膚に対する浸透性を示すグラフであり、図6(c)は、イオントフォレーシスの有無によるエダラボンのマウスの皮膚に対する浸透量の経時的な変化を示すグラフである。
図7(a)及び図7(b)は、それぞれ試験溶液中のエダラボンの濃度による浸透性の影響を示すグラフであり、図7(c)及ぶ図7(d)は、それぞれ試験溶液のpHによる浸透性の影響を示すグラフである。
図8は、逸流阻止体の有無による浸透性の影響を示すグラフである。
図9は、イオントフォレーシスの原理を示す模式図である。
図10は、従来のフランツセルの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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