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公開番号2025135803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024033781
出願日2024-03-06
発明の名称建築物とその施工方法
出願人株式会社フジタ
代理人個人,個人
主分類E02D 5/20 20060101AFI20250911BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】建物の地下部の構成部材に対して、ソイルセメント柱列式連続壁が接合されてなる建築物に関し、ソイルセメントを難透水層(不透水層を含む)に根入れして地下水の回り込みを防止しながら、ソイルセメントの支持力を高めることのできる、建築物とその施工方法を提供すること。
【解決手段】地盤G内にあって建物10の備える地下部11の構成部材15,17と、建物10の周囲に設けられているソイルセメント柱列式連続壁20とが接合され、ソイルセメント柱列式連続壁20は、ソイルセメント30の内部に鋼製の芯材40が埋設されている建築物200であり、ソイルセメント30は、その下端35が難透水層GCに根入れされ、下端35の上方において、側方に広がる拡底部30Aを備えている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
地盤内にあって建物の備える地下部の構成部材と、該建物の周囲に設けられているソイルセメント柱列式連続壁とが接合され、該ソイルセメント柱列式連続壁は、ソイルセメントの内部に鋼製の芯材が埋設されている、建築物であって、
前記ソイルセメントは、その下端が難透水層に根入れされ、該下端の上方において、側方に広がる拡底部を備えていることを特徴とする、建築物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記拡底部の側面視形状は、前記ソイルセメントの側方に延びる該拡底部の下端の長さが最も長く、該拡底部の上端が該ソイルセメントの側面上にあり、該下端と該上端を繋ぐ線形が、直線、もしくは湾曲線、もしくは直線と湾曲線の組合せのいずれか一種であることを特徴とする、請求項1に記載の建築物。
【請求項3】
前記拡底部は、前記難透水層の以浅にある砂層もしくは硬質砂層に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の建築物。
【請求項4】
前記芯材における前記拡底部に対応する位置に、該拡底部の方向に延びる直線状の突起が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建築物。
【請求項5】
前記突起がスタッドジベルであることを特徴とする、請求項4に記載の建築物。
【請求項6】
前記芯材における前記拡底部に対応する位置に、2本の軸部材の一端同士が第1回動部を介して回動自在に組み付けられ、該2本の軸部材のそれぞれの他端が該芯材の異なる上下位置にある2つの第2回動部を介して回動自在に取り付けられており、
前記第1回動部に取り付けられている線材を地上から引き上げることにより、前記2本の軸部材が側方に展開して、それらの一部が前記拡底部の内部に入り込むようになっていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建築物。
【請求項7】
前記芯材の下端は、前記ソイルセメントの下端よりも上方に位置し、双方の該下端の間に所定の離間が設定されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建築物。
【請求項8】
地盤内にあって建物の備える地下部の構成部材と、該建物の周囲に設けられているソイルセメント柱列式連続壁とが接合されている、建築物の施工方法であって、
削孔内のソイルセメントの内部に、建物側の第1フランジと、前記建物と反対側の第2フランジと、ウェブとを備えるH形鋼によって形成されている芯材を建て込むことにより、ソイルセメント柱列式連続壁を施工する、A工程と、
前記ソイルセメント柱列式連続壁の上端にあるソイルセメントを切削して、前記第1フランジの一部を露出させ、前記第1フランジの露出部にスタッドジベルを接合する、B工程と、
前記建物のうち、前記第1フランジと当接する前記構成部材を施工し、該構成部材に前記スタッドジベルを埋設することにより、該地下部の該構成部材と前記ソイルセメント柱列式連続壁とを相互に接合する、C工程と、を有し、
前記A工程において、
前記ソイルセメントの先端を難透水層に根入れし、
前記ソイルセメントの前記先端の上方において、側方に広がる拡底部を施工することを特徴とする、建築物の施工方法。
【請求項9】
前記拡底部を、前記難透水層の以浅にある砂層もしくは硬質砂層に対応する位置に施工することを特徴とする、請求項8に記載の建築物の施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物とその施工方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
山留め壁には、親杭横矢板壁や鋼製矢板壁等の既製矢板壁と、柱列山留め壁や連続地中壁等の場所打ち壁とがあり、柱列山留め壁には、場所打ち鉄筋コンクリート柱列山留め壁や鋼管柱列山留め壁、ソイルセメント柱列山留め壁(ソイルセメント柱列式連続壁)等がある。
【0003】
例えば上記するソイルセメント柱列式連続壁は仮設構造物である一方、本設構造物である建物の備える地下部の側壁と連結されることにより、ソイルセメント柱列式連続壁を本設構造物である建築物の基礎の一部として利用する形態も存在する。このように、ソイルセメント柱列式連続壁を山留め壁としてのみならず、本設構造物の基礎の一部としても利用することにより、本設構造物の基礎の構造をよりシンプルにでき、例えば基礎のコンクリート数量や鉄筋数量を低減できることから、施工コストの大幅な削減を図ることができる。例えば、特許文献1には、ソイルセメント柱列壁の構築後に建物の地下構造を施工する際に、ソイルセメント柱列壁にシアコネクタ等を取り付け、ソイルセメント柱列壁と建物の地下構造とを一体に構築する方法が提案されている。
【0004】
ここで、上記するソイルセメント柱列式連続壁を本設構造物である建築物の基礎の一部として利用する形態の具体的な構成を、図1を参照して説明する。図1は、従来の建築物の一例を示す縦断面図である。
【0005】
図示例の建築物100は、地盤G内にある建物10の備える地下部11の側壁15及び基礎梁17と、建物10の周囲に施工されているソイルセメント柱列式連続壁20とが接合されることにより、構成されている。ここで、図示例の地盤Gは、上方から順に、砂層GA、硬質砂層GB、及び粘土層GCが広がっており、地下水位が高い施工エリアである。例えば平面視矩形の建物10の地下部11の側壁15の周囲に、平面視矩形枠状のソイルセメント柱列式連続壁20が造成され、複数箇所にて双方が接合される。図1は、建物10の側壁15と基礎梁17、柱16の一部のみを取り出して図示している。
【0006】
ソイルセメント柱列式連続壁20は、平面視円形のソイルセメント30の一部が相互にラップするようにして造成され、平面視円形の削孔G1内にあるソイルセメント30の内部には、ウェブ41と、建物10側にある第1フランジ42と、建物10と反対側の第2フランジ43とを有する、H形鋼により形成される芯材40が埋設されている。
【0007】
ソイルセメント30に埋設される芯材40のうち、上方の建物10側の第1フランジ42には、複数のシアコネクタ50が溶接等により接合されて側方に張り出し、張り出しているシアコネクタ50が地下部11の側壁15や基礎梁17に埋設されることにより、建物10とソイルセメント柱列式連続壁20の一体化が図られている。建物10の自重や、建物が地震時に変位した際に生じる押込力N1は、建物10からシアコネクタ50を介して芯材40に伝達される。
【0008】
芯材40に伝達された押込力N1は、芯材40の先端や周面を介して芯材40の周囲のソイルセメント30に伝達され、ソイルセメント30の先端支持力やソイルセメント30とその周囲の地盤Gとの間の周面摩擦力を介して押込力N1が地盤Gに伝達されることにより、ソイルセメント柱列式連続壁20の支持力が確保される。ここで、図示を省略するが、複数のシアコネクタが溶接等により接合されてウェブ41の側方に張り出し、ソイルセメント30の内部に埋設されている形態もあり、この形態によれば、押込力N1を芯材40の周囲のソイルセメント30へ伝達する伝達性が一層向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第4466418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、図示例のように地下水位が高いケースでは、ソイルセメント柱列式連続壁20に止水性が期待されることになるが、芯材40の下端付近にある地盤が透水性の砂層GAや硬質砂層GB砂等である場合は、ソイルセメント30のみを下方にある難透水層(もしくは不透水層)である粘土層GCまで伸ばし、地下水のX1方向への回り込みを防止する対策が講じられることになる。
(【0011】以降は省略されています)

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