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公開番号
2025135394
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-18
出願番号
2024033214
出願日
2024-03-05
発明の名称
ハニカム構造体
出願人
日本碍子株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C04B
38/00 20060101AFI20250910BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】優れたPM捕集性能、低い圧力損失、触媒担持時の優れた触媒塗布性、灰詰まりが発生しにくいこと、及び優れた機械的強度をすべて満足するハニカム構造体を提供する。
【解決手段】複数の導入セルと、少なくとも一つの導入セルに隔壁を挟んで隣接する複数の排出セルとを備える柱体状のハニカム構造体であって、複数の排出セルのそれぞれの開口面積(C
out
)に対する複数の導入セルのそれぞれの開口面積(C
in
)の比、隔壁の厚み(WT)、複数の導入セル及び複数の排出セルの合計数に基づくセル密度(CD)、目封止部の深さ(PD)、隔壁を挟んで隣接し合う導入セル及び排出セルの重心同士を結ぶ線分の中点と線分が横切る前記隔壁の中央との距離(OF)が所定の条件を満たし、且つ、2≦OF×CD/(WT×PD)≦7を満たすハニカム構造体。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
外周側壁と、外周側壁の内周側に配置され、入口端面から出口端面まで延び、入口端面に開口部を有し、出口端面に目封止部を有する複数の導入セルと、外周側壁の内周側に配置され、入口端面から出口端面まで延び、入口端面に目封止部を有し、出口端面に開口部を有し、前記複数の導入セルのうち少なくとも何れか一つの導入セルに隔壁を挟んで隣接する複数の排出セルとを備える柱体状のハニカム構造体であって、
前記複数の排出セルのそれぞれの開口面積(C
out
)に対する前記複数の導入セルのそれぞれの開口面積(C
in
)の比が、1<C
in
/C
out
≦2.5を満たし、
前記隔壁の厚み(WT)が0.18~0.25mmであり、
前記複数の導入セル及び前記複数の排出セルの合計数に基づくセル密度(CD)が49~70個/cm
2
であり、
前記目封止部の深さ(PD)が4~7mmであり、
前記ハニカム構造体の前記複数の導入セル及び前記複数の排出セルの延びる方向に垂直な断面において、前記隔壁を挟んで隣接し合う前記導入セル及び前記排出セルの重心同士を結ぶ線分の中点と、当該線分が横切る前記隔壁の中央との距離(OF)が、0.075~0.110mmであり、
2≦OF×CD/(WT×PD)≦7を満たす、
ハニカム構造体。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
前記隔壁の気孔率が52~61%である請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記隔壁の平均細孔径が6~10μmである請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
前記複数の導入セルのそれぞれの開口形状は、外周側壁に隣接するものを除き、すべて六角形又は八角形である請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項5】
前記隔壁がコージェライト、炭化珪素、珪素-炭化珪素複合材料、窒化珪素、ムライト、アルミナ及びチタン酸アルミニウムから選択される一種又は二種以上を含有する請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項6】
隔壁に触媒が担持されている請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はハニカム構造体に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガスには、環境汚染の原因となる炭素を主成分とするススや、カルシウム(Ca)等の燃え残りとして発生する灰(アッシュ)等の粒子状物質(PM)が多量に含まれている。この粒子状物質は、発がん性が認められているので、その大気放出の防止が必須である。現在では、欧州を中心に従来の重量による量規制に加えPM個数を規制する厳しい規制が課せられている。そのため、一般的にディーゼルエンジン等の排気系には、パティキュレートを捕集するためのフィルタ(Diesel Particulate Filter:DPF)が搭載されている。また近年ではガソリンエンジンから排出されるパティキュレートも問題視されており、ガソリンエンジンにもフィルタ(Gasoline Particulate Filter:GPF)が搭載されるようになってきている。
【0003】
フィルタとしては、多孔質の隔壁を排ガスが通過するように設計したウォールフロー型のフィルタが有効である。具体的には、ウォールフロー型のフィルタは、多孔質の隔壁を介して隣接している多数の導入セルと多数の排出セルを有しており、排ガスが隔壁を通過する間にPMを捕獲するハニカム構造体によって構成可能である。隔壁の表面には目的に応じた触媒を担持させることもできる。
【0004】
ハニカム構造体によって構成されるウォールフロー型のフィルタには、優れたPM捕集性能、低い圧力損失、触媒担持時の優れた触媒性能、灰詰まりが発生しにくいこと、及び優れた機械的強度といった種々の特性が要求される。
【0005】
特開2023-147536号公報(特許文献1)には、流入セルの断面形状、流入セルの断面積に対する流出セルの断面積の比、隔壁の厚さ、セル密度、目封止部の形状、隔壁の気孔率などを所定の範囲に制御することで、圧力損失であるとともに、目封止部の耐エロージョン性に優れ、更に耐熱衝撃性にも優れたハニカムフィルタが得られることが記載されている。
【0006】
特許第7353217号公報(特許文献2)には、隔壁の気孔率、隔壁の平均細孔径、隔壁の細孔径分布、隔壁の厚さなどを所定の範囲に制御することで、捕集性能に優れ、且つ、圧力損失を低減することのできるハニカムフィルタが得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2023-147536号公報
特許第7353217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のハニカム構造体においては、優れたPM捕集性能、低い圧力損失、触媒担持時の優れた触媒性能、灰詰まりが発生しにくいこと、及び優れた機械的強度をすべて満足することはできなかった。特許文献1には、目封止部の耐エロージョン性に優れ、更に耐熱衝撃性にも優れたハニカムフィルタが記載されているものの、触媒塗布性という点で改善の余地が残されている。特許文献2には、隔壁の気孔率、隔壁の平均細孔径、隔壁の細孔径分布、隔壁の厚さなどを所定の範囲に制御することで、捕集性能に優れ、且つ、圧力損失を低減することのできるハニカムフィルタが記載されているものの、触媒塗布性という点で改善の余地が残されている。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、一実施形態において、優れたPM捕集性能、低い圧力損失、触媒担持時の優れた触媒塗布性、灰詰まりが発生しにくいこと、及び優れた機械的強度をすべて満足するハニカム構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者が上記課題を解決するべく鋭意検討し、以下に例示される本発明を完成させた。
[態様1]
外周側壁と、外周側壁の内周側に配置され、入口端面から出口端面まで延び、入口端面に開口部を有し、出口端面に目封止部を有する複数の導入セルと、外周側壁の内周側に配置され、入口端面から出口端面まで延び、入口端面に目封止部を有し、出口端面に開口部を有し、前記複数の導入セルのうち少なくとも何れか一つの導入セルに隔壁を挟んで隣接する複数の排出セルとを備える柱体状のハニカム構造体であって、
前記複数の排出セルのそれぞれの開口面積(C
out
)に対する前記複数の導入セルのそれぞれの開口面積(C
in
)の比が、1<C
in
/C
out
≦2.5を満たし、
前記隔壁の厚み(WT)が0.18~0.25mmであり、
前記複数の導入セル及び前記複数の排出セルの合計数に基づくセル密度(CD)が49~70個/cm
2
であり、
前記目封止部の深さ(PD)が4~7mmであり、
前記ハニカム構造体の前記複数の導入セル及び前記複数の排出セルの延びる方向に垂直な断面において、前記隔壁を挟んで隣接し合う前記導入セル及び前記排出セルの重心同士を結ぶ線分の中点と、当該線分が横切る前記隔壁の中央との距離(OF)が、0.075~0.110mmであり、
2≦OF×CD/(WT×PD)≦7を満たす、
ハニカム構造体。
[態様2]
前記隔壁の気孔率が52~61%である態様1に記載のハニカム構造体。
[態様3]
前記隔壁の平均細孔径が6~10μmである態様1又は2に記載のハニカム構造体。
[態様4]
前記複数の導入セルのそれぞれの開口形状は、外周側壁に隣接するものを除き、すべて六角形又は八角形である態様1~3の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様5]
前記隔壁がコージェライト、炭化珪素、珪素-炭化珪素複合材料、窒化珪素、ムライト、アルミナ及びチタン酸アルミニウムから選択される一種又は二種以上を含有する態様1~4の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様6]
隔壁に触媒が担持されている態様1~5の何れかに記載のハニカム構造体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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