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公開番号
2025135287
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-18
出願番号
2024033052
出願日
2024-03-05
発明の名称
異常診断装置
出願人
大阪瓦斯株式会社
代理人
弁理士法人R&C
主分類
H01M
8/04664 20160101AFI20250910BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】燃料電池装置で発生する異常の内容を適切に診断できる異常診断装置の提供。
【解決手段】異常診断装置が、出力電圧が所定の低下状態であるという第1判定条件が満たされ、且つ、所定の目標原燃料流量に対する原燃料流量の乖離量が設定値以上であるという第2判定条件が満たされる場合、原燃料供給路を介した原燃料の供給系統の異常、又は、ホットモジュールの異常が発生していると判定する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
施設に設置される燃料電池装置から情報通信回線を介して受信した情報に基づいて前記燃料電池装置で発生する異常の内容を診断する異常診断装置であって、
前記燃料電池装置は、外側容器、及び、当該外側容器の内部の外側容器内空間に設けられる内側容器を有するホットモジュールを備え、
前記ホットモジュールは、前記内側容器の内部の内側空間に、供給される改質用水を気化させる気化器、原燃料を前記気化器から供給される水蒸気を用いて水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質器、前記改質器で生成された前記燃料ガスを用いて発電する複数の燃料電池セルを有するセルスタック、及び、前記セルスタックから排出されるオフガスを燃焼する燃焼部、を有し、前記内側容器には外部から前記内側空間への空気の供給に用いられる給気口と前記内側空間から外部への排気に用いられる排気口とが設けられ、
前記燃料電池装置は、前記内側空間の外部から前記改質器へ供給される前記原燃料が流れる原燃料供給路と、前記原燃料供給路を介して前記改質器に前記原燃料を供給する原燃料ブロアと、前記原燃料供給路を介して前記改質器に供給される前記原燃料の単位時間当たりの流量を測定する原燃料流量測定器と、前記内側容器の外部から前記給気口へ供給される空気が流れる空気供給路と、前記空気供給路及び前記給気口を介して前記内側空間に空気を供給する空気ブロアと、前記セルスタックの出力電圧を測定する出力電圧測定器と、前記燃料電池装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記出力電圧が所定の低下状態であるという第1判定条件が満たされ、且つ、所定の目標原燃料流量に対する前記原燃料流量測定器が測定する原燃料流量の乖離量が設定値以上であるという第2判定条件が満たされる場合、前記原燃料供給路を介した前記原燃料の供給系統の異常、又は、前記ホットモジュールの異常が発生していると判定する異常診断装置。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
施設に設置される燃料電池装置から情報通信回線を介して受信した情報に基づいて前記燃料電池装置で発生する異常の内容を診断する異常診断装置であって、
前記燃料電池装置は、外側容器、及び、当該外側容器の内部の外側容器内空間に設けられる内側容器を有するホットモジュールを備え、
前記ホットモジュールは、前記内側容器の内部の内側空間に、供給される改質用水を気化させる気化器、原燃料を前記気化器から供給される水蒸気を用いて水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質器、前記改質器で生成された前記燃料ガスを用いて発電する複数の燃料電池セルを有するセルスタック、及び、前記セルスタックから排出されるオフガスを燃焼する燃焼部、を有し、前記内側容器には外部から前記内側空間への空気の供給に用いられる給気口と前記内側空間から外部への排気に用いられる排気口とが設けられ、
前記燃料電池装置は、前記内側空間の外部から前記改質器へ供給される前記原燃料が流れる原燃料供給路と、前記原燃料供給路を介して前記改質器に前記原燃料を供給する原燃料ブロアと、前記内側容器の外部から前記給気口へ供給される空気が流れる空気供給路と、前記空気供給路及び前記給気口を介して前記内側空間に空気を供給する空気ブロアと、前記空気ブロアによって前記内側空間に供給される空気の単位時間当たりの流量を測定する空気流量測定器を備え、前記セルスタックの出力電圧を測定する出力電圧測定器と、前記燃料電池装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記出力電圧が所定の低下状態であるという第1判定条件が満たされ、且つ、所定の目標空気流量に対する前記空気流量測定器が測定する空気流量の乖離量が設定値以上であるという第3判定条件が満たされる場合、前記空気供給路を介した空気の供給系統の異常、又は、前記ホットモジュールの異常が発生していると判定する異常診断装置。
【請求項3】
前記燃料電池装置は、前記セルスタックの出力電力を所望の交流電力に変換する電力変換回路部と、前記原燃料供給路を介して前記改質器に供給される前記原燃料の単位時間当たりの流量を測定する原燃料流量測定器と、前記空気ブロアによって前記内側空間に供給される空気の単位時間当たりの流量を測定する空気流量測定器と、前記セルスタックの出力電流を測定する出力電流測定器とを備え、
前記第1判定条件が満たされ、且つ、所定の目標原燃料流量に対する前記原燃料流量測定器が測定する原燃料流量の乖離量が設定値以上であるという第2判定条件が満たされず、且つ、所定の目標空気流量に対する前記空気流量測定器が測定する空気流量の乖離量が設定値以上であるという第3判定条件が満たされず、且つ、前記出力電流がゼロの状態が連続しているという第4判定条件が満たされる場合、前記電力変換回路部の異常が発生していると判定する請求項1又は2に記載の異常診断装置。
【請求項4】
前記燃料電池装置は、前記セルスタックの出力電力を所望の交流電力に変換する電力変換回路部と、前記原燃料供給路を介して前記改質器に供給される前記原燃料の単位時間当たりの流量を測定する原燃料流量測定器と、前記空気ブロアによって前記内側空間に供給される空気の単位時間当たりの流量を測定する空気流量測定器と、前記セルスタックの出力電流を測定する出力電流測定器とを備え、
前記第1判定条件が満たされ、且つ、所定の目標原燃料流量に対する前記原燃料流量測定器が測定する原燃料流量の乖離量が設定値以上であるという第2判定条件が満たされず、且つ、所定の目標空気流量に対する前記空気流量測定器が測定する空気流量の乖離量が設定値以上であるという第3判定条件が満たされず、且つ、前記出力電流がゼロの状態が連続しているという第4判定条件が満たされない場合、前記ホットモジュールの異常が発生していると判定する請求項1又は2に記載の異常診断装置。
【請求項5】
前記燃料電池装置は、前記水蒸気改質に用いる前記改質用水を貯える改質用水タンクと、前記気化器に供給される前記改質用水が流れる改質用水供給路と、前記改質用水タンクに貯えている前記改質用水を前記改質用水供給路を介して前記気化器に供給する改質用水ポンプと、前記改質器の温度を測定する改質器温度測定器とを備え、
前記第1判定条件が満たされ、且つ、前記第2判定条件が満たされず、且つ、前記第3判定条件が満たされず、且つ、前記第4判定条件が満たされず、且つ、一定出力で発電している間での前記改質器温度測定器が測定する前記改質器の温度が所定の高温状態であるという第5判定条件が満たされる場合、前記改質用水ポンプの異常に起因する前記ホットモジュールの異常が発生していると判定する請求項4に記載の異常診断装置。
【請求項6】
前記燃料電池装置は、前記内側空間から前記排気口を介して排出される、前記燃焼部での燃焼により発生したガスを含む排出ガスの温度を測定する排出ガス温度測定器を備え、
前記第1判定条件が満たされ、且つ、前記第2判定条件が満たされず、且つ、前記第3判定条件が満たされず、且つ、前記第4判定条件が満たされず、且つ、前記第5判定条件が満たされず、且つ、前記排出ガス温度測定器が測定する前記排出ガスの温度が所定の高温状態であるという第6判定条件が満たされる場合、前記ホットモジュールの内部でのガスリークに起因する前記ホットモジュールの異常が発生していると判定する請求項5に記載の異常診断装置。
【請求項7】
前記燃料電池装置は、前記内側空間から前記排気口を介して排出される、前記燃焼部での燃焼により発生したガスを含む排出ガスの温度を測定する排出ガス温度測定器を備え、
前記第1判定条件が満たされ、且つ、前記第2判定条件が満たされず、且つ、前記第3判定条件が満たされず、且つ、前記第4判定条件が満たされず、且つ、前記第5判定条件が満たされず、且つ、前記排出ガス温度測定器が測定する前記排出ガスの温度が所定の高温状態であるという第6判定条件が満たされない場合、前記改質用水ポンプの異常及びガスリークとは別の要因による前記ホットモジュールの異常が発生していると判定する請求項5に記載の異常診断装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設に設置される燃料電池装置から情報通信回線を介して受信した情報に基づいて燃料電池装置で発生する異常の内容を診断する異常診断装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2016-184319号公報)には、発電システムの故障部位を診断及び特定でき、故障時の誤診断を抑えられるシステムが記載されている。
具体的には、特許文献1に記載のシステムでは、発電システムが故障した場合、発電装置の各部位に設けられた複数の検出手段それぞれでの検出信号履歴を含む故障データが生成される。そして、データベースに記録された過去故障時データの中から、今回の故障時の故障データと相関関係が強い相関故障時データが選択される。更に、選択された相関故障時データに対応付けられた故障診断結果及び故障対応記録が出力される。このように、特許文献1に記載のシステムでは、今回の故障が発生した場合に検出される検出信号履歴を含む故障時データと相関関係が強い過去故障時データを特定し、今回の故障も、その相関関係が強い過去故障時データと同様の故障原因によって発生したものと見なしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-184319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
相関関係の強さという統計的な手法によらずに、燃料電池装置の動作状態を診断する手法も求められている。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池装置で発生する異常の内容を適切に診断できる異常診断装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る異常診断装置の特徴構成は、施設に設置される燃料電池装置から情報通信回線を介して受信した情報に基づいて前記燃料電池装置で発生する異常の内容を診断する異常診断装置であって、
前記燃料電池装置は、外側容器、及び、当該外側容器の内部の外側容器内空間に設けられる内側容器を有するホットモジュールを備え、
前記ホットモジュールは、前記内側容器の内部の内側空間に、供給される改質用水を気化させる気化器、原燃料を前記気化器から供給される水蒸気を用いて水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質器、前記改質器で生成された前記燃料ガスを用いて発電する複数の燃料電池セルを有するセルスタック、及び、前記セルスタックから排出されるオフガスを燃焼する燃焼部、を有し、前記内側容器には外部から前記内側空間への空気の供給に用いられる給気口と前記内側空間から外部への排気に用いられる排気口とが設けられ、
前記燃料電池装置は、前記内側空間の外部から前記改質器へ供給される前記原燃料が流れる原燃料供給路と、前記原燃料供給路を介して前記改質器に前記原燃料を供給する原燃料ブロアと、前記原燃料供給路を介して前記改質器に供給される前記原燃料の単位時間当たりの流量を測定する原燃料流量測定器と、前記内側容器の外部から前記給気口へ供給される空気が流れる空気供給路と、前記空気供給路及び前記給気口を介して前記内側空間に空気を供給する空気ブロアと、前記セルスタックの出力電圧を測定する出力電圧測定器と、前記燃料電池装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記出力電圧が所定の低下状態であるという第1判定条件が満たされ、且つ、所定の目標原燃料流量に対する前記原燃料流量測定器が測定する原燃料流量の乖離量が設定値以上であるという第2判定条件が満たされる場合、前記原燃料供給路を介した前記原燃料の供給系統の異常、又は、前記ホットモジュールの異常が発生していると判定する点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、異常診断装置は、出力電圧が所定の低下状態であるという第1判定条件が満たされ、且つ、所定の目標原燃料流量に対する原燃料流量の乖離量が設定値以上であるという第2判定条件が満たされる場合、原燃料供給路を介した原燃料の供給系統(即ち、原燃料供給路及びその途中に設けられている機器など)の異常、又は、ホットモジュールの異常が発生していると判定する。つまり、異常診断装置は、セルスタックの出力電圧に現れる異常についての診断結果を自動で決定できる。
【0008】
例えば、燃料電池装置が有する機器の動作や測定結果等に異常が現れたという事実のみに基づいてメンテナンス担当者などが出動した場合、その場でメンテナンス担当者がその異常についての診断結果を下す必要がある。ところが本特徴構成では、異常診断装置がその異常についての診断結果の特定を自動で行うため、メンテナンス担当者などはその診断結果に応じた準備を事前に行った上で出動できる。
従って、燃料電池装置で発生する異常の内容を適切に診断できる異常診断装置を提供できる。
【0009】
本発明に係る異常診断装置の別の特徴構成は、施設に設置される燃料電池装置から情報通信回線を介して受信した情報に基づいて前記燃料電池装置で発生する異常の内容を診断する異常診断装置であって、
前記燃料電池装置は、外側容器、及び、当該外側容器の内部の外側容器内空間に設けられる内側容器を有するホットモジュールを備え、
前記ホットモジュールは、前記内側容器の内部の内側空間に、供給される改質用水を気化させる気化器、原燃料を前記気化器から供給される水蒸気を用いて水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質器、前記改質器で生成された前記燃料ガスを用いて発電する複数の燃料電池セルを有するセルスタック、及び、前記セルスタックから排出されるオフガスを燃焼する燃焼部、を有し、前記内側容器には外部から前記内側空間への空気の供給に用いられる給気口と前記内側空間から外部への排気に用いられる排気口とが設けられ、
前記燃料電池装置は、前記内側空間の外部から前記改質器へ供給される前記原燃料が流れる原燃料供給路と、前記原燃料供給路を介して前記改質器に前記原燃料を供給する原燃料ブロアと、前記内側容器の外部から前記給気口へ供給される空気が流れる空気供給路と、前記空気供給路及び前記給気口を介して前記内側空間に空気を供給する空気ブロアと、前記空気ブロアによって前記内側空間に供給される空気の単位時間当たりの流量を測定する空気流量測定器を備え、前記セルスタックの出力電圧を測定する出力電圧測定器と、前記燃料電池装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記出力電圧が所定の低下状態であるという第1判定条件が満たされ、且つ、所定の目標空気流量に対する前記空気流量測定器が測定する空気流量の乖離量が設定値以上であるという第3判定条件が満たされる場合、前記空気供給路を介した空気の供給系統の異常、又は、前記ホットモジュールの異常が発生していると判定する点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、異常診断装置は、出力電圧が所定の低下状態であるという第1判定条件が満たされ、且つ、所定の目標空気流量に対する空気流量の乖離量が設定値以上であるという第3判定条件が満たされる場合、空気供給路を介した空気の供給系統(即ち、空気供給路及びその途中に設けられている機器など)の異常、又は、ホットモジュールの異常が発生していると判定する。つまり、異常診断装置は、セルスタックの出力電圧に現れる異常についての診断結果を自動で決定できる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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