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公開番号2025134440
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2024032337
出願日2024-03-04
発明の名称浮体式原子力発電システム
出願人Advanced Float株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G21C 1/00 20180101AFI20250909BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】本願は、浮体の利点を原子炉の冷却に生かすことが可能な浮体式原子力発電システムを開示する。
【解決手段】原子炉と、原子炉の熱によって発生した蒸気で駆動するタービン発電機と、原子炉とタービン発電機が配置されており、海上に係留される浮体と、非常時に原子炉がある圧力容器内または格納容器内で発生した蒸気を貯蔵水の冷熱で凝縮させ、復水として圧力容器内または格納容器内へ戻す復水器と、貯蔵水を蓄える貯水部と、を備え、貯水部は、少なくとも底部が浮体の喫水線より低く設定されており、且つ、浮体周辺の水を直接的または間接的に流入させるための連通弁が設けられている、浮体式原子力発電システムである。
【選択図】図6

特許請求の範囲【請求項１】
原子炉と、
前記原子炉の熱によって発生した蒸気で駆動するタービン発電機と、
前記原子炉と前記タービン発電機が配置されており、海上に係留される浮体と、
非常時に前記原子炉がある圧力容器内または格納容器内で発生した蒸気を貯蔵水の冷熱で凝縮させ、復水として前記圧力容器内または前記格納容器内へ戻す復水器と、
前記貯蔵水を蓄える貯水部と、を備え、
前記貯水部は、少なくとも底部が前記浮体の喫水線より低く設定されており、且つ、前記浮体周辺の水を直接的または間接的に流入させるための連通弁が設けられている、
浮体式原子力発電システム。
続きを表示（約 320 文字）【請求項２】
前記浮体は、二重船殻構造によって前記浮体の側面部分に形成される側面バラストタンクを少なくとも有しており、
前記貯水部は、前記連通弁として、前記貯水部内と前記側面バラストタンクとを連通する第１連通弁を有する、
請求項１に記載の浮体式原子力発電システム。
【請求項３】
前記貯水部は、前記連通弁として、前記浮体の周囲の水を前記貯水部内流入させる第２連通弁を有する、
請求項１に記載の浮体式原子力発電システム。
【請求項４】
前記復水器は、前記浮体において少なくとも前記原子炉より高い位置に設置される、
請求項１から３の何れか一項に記載の浮体式原子力発電システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、浮体式原子力発電システムに関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
原子力発電システムには、地上に設置する形態のみならず、海上に浮かべる浮体式の形態も提案されている（例えば、特許文献１－３を参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開昭６３－１５１８９８号公報
特開昭６３－１５１８９９号公報
特開昭５２－１４９５８９号公報
【非特許文献】
【０００４】
Buongiorno, J. et al. “The Offshore Floating Nuclear Plant Concept.” Nuclear Technology 194.1 (2016)
浮場式原子力発電所浮体構造物の地震応答特性（その２）－底部に空気室を有する浮体の上下免震特性－電力中央研究所萩原豊他、1987/8/1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
原子力発電システムを海上に浮かべる場合、浮体の周囲は海に囲まれるため、本来的には原子炉の冷却に有利な環境である。しかし、原子炉は、放射性物質が環境へ放出されるのを防ぐために格納容器等で厳重に保護されている。このため、陸上に設置される原子力発電システムをそのまま海上に浮かべても、浮体の周囲が海に囲まれていることの利点を原子炉の冷却に生かすことができない。
【０００６】
そこで、本願は、浮体の利点を原子炉の冷却に生かすことが可能な浮体式原子力発電システムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するため、本発明では、非常時に原子炉がある圧力容器内または格納容器内で発生した蒸気を凝縮させて復水に戻すための貯蔵水を蓄える貯水部を、少なくとも底部が浮体の喫水線より低くなるように設定し、且つ、浮体周辺の水を直接的または間接的に流入させるための連通弁を設けることにした。
【０００８】
詳細には、本発明は、原子炉と、原子炉の熱によって発生した蒸気で駆動するタービン発電機と、原子炉とタービン発電機が配置されており、海上に係留される浮体と、非常時に原子炉がある圧力容器内または格納容器内で発生した蒸気を貯蔵水の冷熱で凝縮させ、復水として圧力容器内または格納容器内へ戻す復水器と、貯蔵水を蓄える貯水部と、を備え、貯水部は、少なくとも底部が浮体の喫水線より低く設定されており、且つ、浮体周辺の水を直接的または間接的に流入させるための連通弁が設けられている、浮体式原子力発電システムである。
【０００９】
上記の浮体式原子力発電システムであれば、非常時に原子炉がある圧力容器内または格納容器内で発生した蒸気を凝縮させて復水に戻すための貯蔵水を蓄える貯水部の底部が、浮体の喫水線より低くなるように設定されており、且つ、浮体周辺の水を直接的または間
接的に流入させるための連通弁が設けられているため、貯水部の貯蔵水が減少しても、連通弁を開くだけで浮体周辺の水を直接的または間接的に貯水部へ流入させることが可能である。よって、このような浮体式原子力発電システムであれば、浮体の利点を原子炉の冷却に生かすことが可能であると言える。
【００１０】
なお、浮体は、二重船殻構造によって浮体の側面部分に形成される側面バラストタンクを少なくとも有しており、貯水部は、連通弁として、貯水部内と側面バラストタンクとを連通する第１連通弁を有するものであってもよい。これによれば、貯水部の貯蔵水が減少した場合に、第１連通弁を開くだけで側面バラストタンク内のバラスト水を貯水部へ流入させることが可能である。よって、このような浮体式原子力発電システムであれば、浮体の利点を原子炉の冷却に生かすことが可能であると言える。
（【００１１】以降は省略されています）

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