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公開番号2025133404
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024031337
出願日2024-03-01
発明の名称米飯の製造方法
出願人個人,個人
代理人弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
主分類A23L 7/10 20160101AFI20250904BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】製造工程を長期化せずに米飯の長期間保存の確実性を更に高める。
【解決手段】米を米重量に対して30~33%重量の水を浸漬させる浸漬工程(S1)と、浸漬工程後の米をその90~100%の重量の水を加えて炊飯する炊飯工程(S2)と、炊飯工程後の米飯を中心温度40~50℃に冷却する第1冷却工程(S3)と、冷却工程を終えて中心温が40~50℃である米飯に大豆由来のβアミラーゼ酵素製剤を米飯の重量に対して1.0~1.8%重量で加えて混ぜる撹拌工程(S4)と、撹拌工程後の米飯を20℃以下まで冷却する第2冷却工程(S5)と、包装工程後の米飯を60~70℃で9~13時間保管する殺菌工程(S6)と、殺菌工程後の米飯を密閉包装する包装工程(S7)と、包装工程後の米飯をその中心温度を100~110℃に保って10~15分の時間保管する滅菌工程(S8)とを実施する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
うるち米又は餅米からなる研ぐ前の米を水に少なくとも120分間浸漬させて、当該米に、浸漬前の米重量に対して30~33%重量の水を浸漬させる浸漬工程と、
前記浸漬工程を終えた米を、前記浸漬工程を終えた米の90~100%の重量からなる水を加えて炊飯する炊飯工程と、
前記炊飯工程を終えた米飯を、当該米飯の中心温度が40~50℃になるまで冷却する第1冷却工程と、
前記冷却工程を終えて40~50℃となっている米飯に、
(i)酵素製剤として大豆由来のβアミラーゼ酵素製剤を、米飯の重量に対して1.0~1.8%重量で加えて、当該βアミラーゼ酵素製剤を米飯にむらなく混ぜる撹拌、
又は(ii)酵素製剤として微生物由来のβアミラーゼ酵素製剤を、米飯の重量に対して1.6~2.2%重量で加えて、当該βアミラーゼ酵素製剤を米飯にむらなく混ぜる撹拌、のいずれかからなる撹拌工程と、
前記撹拌工程を終えた米飯を、前記撹拌工程を終えた時点から20~30分以内に20℃以下まで冷却する第2冷却工程と、
前記撹拌工程を終えた米飯を低温殺菌庫に入れて、
(iii)前記(i)の撹拌工程を経た場合には、庫内温度60~70℃で9~13時間保管し、
又は(iv)前記(ii)の撹拌工程を経た場合には、庫内温度53~60℃で11~14時間保管する殺菌工程と、
前記殺菌工程を終えた米飯を密閉して包装する包装工程と、
前記包装工程を終えた米飯を、
(v)前記(iii)の殺菌工程を経た場合には、米飯の中心温度を100~110℃に保った上で10~15分の時間だけ保管し、
又は(vi)前記(iv)の殺菌工程を経た場合には、米飯の中心温度を90~100℃に保った上で10~30分の時間だけ保管する、滅菌工程と、を備える米飯の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記撹拌工程では、前記(ii)の条件で、前記第1冷却工程を終えた米飯に、微生物由来の前記βアミラーゼを、米飯の重量に対して1.6~2.2%重量で加えて撹拌し、
前記殺菌工程では、前記(iv)の条件で、前記第2冷却工程を終えた米飯を低温殺菌庫に入れて、庫内温度53~60℃で11~14時間保管し、
前記包装工程では、前記殺菌工程を終えた米飯を、バリアナイロンポリ三方シール袋を用いて包装し、
前記滅菌工程では、前記(vi)の条件で、前記包装工程を終えた米飯を、90~100℃に保った上で10~30分の時間だけ保管する、請求項1に記載の米飯の製造方法。
【請求項3】
前記撹拌工程では、前記(i)の条件で、前記第1冷却工程を終えた米飯に、大豆由来のβアミラーゼを、米飯の重量に対して1.0~1.8%重量で加えて撹拌し、
前記殺菌工程では、前記(iii)の条件で、前記第2冷却工程を終えた米飯を低温殺菌庫に入れて、庫内温度60~70℃で9~13時間保管し、
前記包装工程では、前記殺菌工程を終えた米飯を、バリアナイロンポリ三方シール袋を用いて包装し、
前記滅菌工程では、前記(v)の条件で、前記包装工程を終えた米飯を、100~110℃に保った上で10~15分の時間だけ保管する、請求項1に記載の米飯の製造方法。
【請求項4】
前記撹拌工程では、前記(i)の条件で、前記第1冷却工程を終えた米飯に、大豆由来のβアミラーゼを、米飯の重量に対して1.0~1.8%重量で加えて撹拌し、
前記包装工程では、前記殺菌工程を終えた米飯を、アルミ4層フィルムを用いて包装し、
前記殺菌工程では、前記(iii)の条件で、前記包装工程を終えた米飯を低温殺菌庫に入れて、庫内温度60~70℃で9~13時間保管し、
前記滅菌工程では、前記(v)の条件に代えて、前記包装工程を終えた米飯を、レトルト釜に入れて米飯の中心温度が115~125℃となる状態で22~27分保管する、請求項1に記載の米飯の製造方法。
【請求項5】
前記撹拌工程では、前記(ii)の条件で、前記第1冷却工程を終えた米飯に、微生物由来の前記βアミラーゼを、米飯の重量に対して1.6~2.2%重量で加えて撹拌し、
前記殺菌工程では、前記(iv)の条件で、前記第2冷却工程を終えた米飯を低温殺菌庫に入れて、庫内温度53~60℃で11~14時間保管し、
前記包装工程では、前記殺菌工程を終えた米飯を、アルミ4層フィルムを用いて包装し、
前記滅菌工程では、前記(vi)の条件に代えて、前記包装工程を終えた米飯を、107~113℃の温度に保った上で8~12分の時間だけ保管する、請求項1に記載の米飯の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
長期間保存が可能な非常食として、乾パン、缶詰、レトルト食品、インスタント食品などが知られている。長期間保存が可能で、色味などが損なわれず、水や加熱器具が確保できない場合であっても食することが可能な米飯及びその製造方法が提案されている。当該米飯は、水及び食品添加物酸味料製剤に米を浸漬させる浸漬工程と、浸漬工程を終えた米及び食品添加物酸味料製剤を含む水を炊飯する炊飯工程と、炊飯工程を終えた米飯を所定温度に保った状態で米飯に対して所定量の酵素製剤を添加する酵素添加工程と、酵素添加工程を終えて酵素製剤を含む米飯を耐熱トレーに入れて密閉する密閉工程と、密閉工程を終えて密閉された耐熱トレー内にある米飯を所定温度条件下で一定時間保存して熟成させる熟成工程と、熟成工程を終えた耐熱トレー内の米飯を、当該米飯の中心の温度を所定温度に保った状態で所定時間だけ加熱する滅菌工程とからなる製造方法により製造される。
【0003】
そして、下記特許文献1では、米飯の製造方法であって、製造工程を長期化することなく、長期間保存のための殺菌を可能にするものが提案されている。また、下記特許文献2では、米飯の製造方法であって、製造工程を長期化することなく、更に食感を良くして一定期間保存するための殺菌を可能にする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6667767号公報
特許第6678950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1及び特許文献2に記載された製造方法によれば、水及び加熱器具を必要とせずに食せる状態で長期間保存が可能な米飯を製造できるが、常温で長期間保存可能な米飯の製造を更に確実に安定して行えるようにすることが望まれる。
【0006】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、常温で長期間保存可能な米飯の製造を更に確実に安定して行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る米飯の製造方法は、うるち米又は餅米からなる研ぐ前の米を水に少なくとも120分間浸漬させて、当該米に、浸漬前の米重量に対して30~33%重量の水を浸漬させる浸漬工程と、前記浸漬工程を終えた米を、前記浸漬工程を終えた米の90~100%の重量からなる水を加えて炊飯する炊飯工程と、前記炊飯工程を終えた米飯を、当該米飯の中心温度が40~50℃になるまで冷却する第1冷却工程と、前記冷却工程を終えて40~50℃となっている米飯に、(i)酵素製剤として大豆由来のβアミラーゼ酵素製剤を、米飯の重量に対して1.0~1.8%重量で加えて、当該βアミラーゼ酵素製剤を米飯にむらなく混ぜる撹拌、又は(ii)酵素製剤として微生物由来のβアミラーゼ酵素製剤を、米飯の重量に対して1.6~2.2%重量で加えて、当該βアミラーゼ酵素製剤を米飯にむらなく混ぜる撹拌、のいずれかからなる撹拌工程と、前記撹拌工程を終えた米飯を、前記撹拌工程を終えた時点から20~30分以内に20℃以下まで冷却する第2冷却工程と、前記撹拌工程を終えた米飯を低温殺菌庫に入れて、(iii)前記(i)の撹拌工程を経た場合には、庫内温度60~70℃で9~13時間保管し、又は(iv)前記(ii)の撹拌工程を経た場合には、庫内温度53~60℃で11~14時間保管する殺菌工程と、前記殺菌工程を終えた米飯を密閉して包装する包装工程と、前記包装工程を終えた米飯を、(v)前記(iii)の殺菌工程を経た場合には、米飯の中心温度を100~110℃に保った上で10~15分の時間だけ保管し、又は(vi)前記(iv)の殺菌工程を経た場合には、米飯の中心温度を90~100℃に保った上で10~30分の時間だけ保管する、滅菌工程と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、常温で長期間保存可能な米飯の製造を更に確実に安定して行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明に係る米飯の製造方法に用いる製造ラインの一例を示す図である。
本発明に係る米飯の製造方法の第1実施形態を示すフローチャートである。
成形後の米飯を耐熱性フィルムで包装した状態の例を示す図である。
耐熱性フィルムにより包まれた状態の成形米飯をバリアナイロンポリ三方シール袋に入れる様子を示す斜視図である。
本発明の第2実施形態に係る短期保存が可能でアレルギーフリーの米飯の製造方法を示すフローチャートである。
本発明の第3実施形態に係る短期保存が可能な米飯の製造方法を示すフローチャートである。
本発明の第4実施形態に係る長期保存が可能な米飯の製造方法を示すフローチャートである。
本発明の第5実施形態に係る長期保存が可能でアレルギーフリーの米飯の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る米飯の製造方法を説明する。ここでいう米飯には、うるち米及び餅米のいずれからなるものも含まれる。また、米飯の長期間保存の期間を2つに区分し、それぞれの保存期間について説明を行う。約3か月の保存期間を「中期」とし、3か月を超えて5年までの保存期間を「長期」とする。すなわち、「長期間保存」には、「中期」及び「長期」が含まれる。また、中期及び長期で保存する米飯の製造に必要な酵素として、「大豆由来のβアミラーゼ」を用いる場合と、アレルギーフリーに対応した「微生物由来のβアミラーゼ」を用いる場合の両方について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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