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公開番号2025132508
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024030136
出願日2024-02-29
発明の名称膜状起伏ゲート
出願人豊国工業株式会社
代理人弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類E02B 7/20 20060101AFI20250903BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】越流時、引き上げ姿勢の膜体の径間方向両端からの越流を抑制すると共に、安価で、且つその強度を確保できる膜体の固定構造を備えることで、信頼性を向上させる膜状起伏ゲートを提供する。
【解決手段】膜状起伏ゲート1は、膜体10の吊上金具16を含む下流側端部には、倒伏状態にて、下流側を開放する越流凹部55が形成され、膜体10を引き上げた際、越流凹部55の底面が、膜体10の径間方向両端と水路5の一対の側壁面4、4との径間方向両端固定位置よりも低い位置に配置される。これにより、越流時、引き上げ姿勢の膜体10の径間方向両端からの越流を抑制でき、その結果、引き上げ時に、膜体10の径間方向両側で折り返された部位の劣化や損傷を抑制することができ、ひいては信頼性を向上させることができる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
正面視コ字状の水路の径間方向に亘って配置された可撓性を有する膜体の上流側端部が前記水路の上流側に固定されると共に、前記膜体の径間方向両端部が前記水路の一対の側壁面にそれぞれ固定され、前記膜体の下流側端部が昇降自在で、且つ水路方向に沿って移動自在に構成される膜状起伏ゲートであって、
前記膜体の下流側端部を吊上金具を介して上昇させつつ、前記水路の上流側に移動させることで止水または堰上げする構成であり、
前記膜体の前記吊上金具を含む下流側端部には、倒伏状態にて、下流側を開放する越流凹部が形成され、
前記膜体を引き上げた際、前記越流凹部の底面が、前記膜体の径間方向両端部と前記水路の一対の側壁面との径間方向両端固定位置よりも低い位置に配置されることを特徴とする膜状起伏ゲート。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記径間方向両端固定位置は、前記膜体の下流側端部を前記吊上金具を介して上昇させつつ前記水路の上流側に移動させる過程において、前記吊上金具の径間方向両端部の移動軌跡よりも上方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の膜状起伏ゲート。
【請求項3】
前記径間方向両端固定位置は、前記膜体の引き上げ時、前記吊上金具よりも上方で水平方向に延び、
前記膜体の上流側端部と、前記水路の底面及び一対の側壁面との上流端固定位置は、前記径間方向両端固定位置から下方に正面視コ字状を呈するように延びることを特徴とする請求項1に記載の膜状起伏ゲート。
【請求項4】
前記膜体の端部と前記吊上金具との固定構造、及び前記膜体の端部と前記水路の内壁面との固定構造は、前記膜体の端部が断面楔形状の芯材に巻き付けられてなる楔状端部が、固定対象の膜体固定部に設けた楔形状の収容空間に固定されて構成されることを特徴とする請求項1に記載の膜状起伏ゲート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、正面視コ字状の水路の径間方向に亘って配置された可撓性を有する膜体を起伏させることで止水、堰上げまたは通水可能とする膜状起伏ゲートに関するものである。
なお、堰上げとは、ゲートを起立させることにより上流水位を上昇させ、単なる止水だではなく、水位が膜体天端を超えた場合には、越流して通水する状態も含むことである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来の膜状起伏ゲートとして、特許文献1には、膜体(シート)の上流側端部を水路の底部に固定して、その下流側端部に水路の幅方向(径間方向)に亘って設けられた棒体を上流側からウインチで吊り上げることで、堰上げ、堰下げする構造を採用したシート状堰が開示されている。この特許文献1に記載のシート状堰は、施工された水路に容易に取付が可能となる特徴があり、短時間で施工できる簡易な起伏ゲートとして使用されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のシート状堰では、止水する際、水路の側壁面において膜体が折り返されて複雑に変形する影響により、この部分から漏水が発生する等の課題がある。詳しくは、特許文献1に記載のシート状堰では、膜体を吊り上げるにしたがって、膜体の下流側端部が吊上げ点として、上流側に、且つ上方に移動する。これに伴い、水路の側壁面に沿って配置された膜体の径間方向両側の部位が、水路の底部に沿って配置された膜体の上方への移動に追従して折り畳まれながら変形していく。その際、水路内の水位上昇により、この変形した部分にも上流側からの水圧が作用して、さらなる変形が生じることになる。そして、このような変形により、水路の側壁面に沿って配置された膜体の径間方向両側の部位が、膜体の吊上げ点よりも低い位置に配される場合が生じて、この部分から漏水が発生する課題がある。
【0004】
また、膜体の機能は止水または堰上げすると共に、膜体に作用する水圧により膜体に発生する張力を安全に水路の底部や、膜体の吊り上げ部位に伝達する必要がある。このため、例えば、膜体の材料としてゴム引き布が採用されている。ゴム引き布は、繊維をゴムでコーティングした材料であって、コーティングしたゴムにより止水すると共に、内部の繊維により水圧による張力を伝達する構成となっている。膜体は、上述したように、発生する張力を水路の底部や、吊り上げ部位に伝達する必要があるが、そこで、膜体の上流側端部を水路の底部に固定する固定構造や、膜体の吊り上げ部位を吊り上げ支持する支持構造としては、一般に、取付金具および取付ボルトを用いて、膜体を水平圧着する方式が採用されている。しかしながら、膜体を、取付金具および取付ボルトを用いて、水平圧着した場合には、膜体の変形等の影響により、膜体に作用する張力を、取付金具に対して均等に伝達することが困難になる等の問題が発生する。
【0005】
すなわち、前述のゴム引き布の事例では、ゴムの経年変形により初期の圧着力が保てず抜けが発生する不具合が発生している。また、膜体の局部に荷重が集中して、膜体が損傷する不具合も発生している。これに対処するために、取付金具の圧着面に凹凸を設けたり、取付金具の剛性を高めたり、多数のボルトを配置するなどの工夫が成されているが、コストアップやボルト配置のために膜体の孔が増えて、逆に強度的な弱点となる問題が発生している。
【0006】
これらの課題に対して対策すべく、特許文献2に記載された膜状起伏ゲートが提案されている。特許文献2に記載の膜状起伏ゲートは、特に、水路の側壁面に沿って配置された膜体の径間方向両側の部位が、膜体の吊上げ点よりも低い位置に配される場合が生じて、この部分から漏水が発生する課題に対して、膜体の径間方向両端部と水路の一対の側壁面との最も上側の最上固定点が、膜体の下流側端部を最大限上昇させた最上昇点よりも上方に位置する構成とすることにより、止水時における漏水を抑制することが可能となる。
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の膜状起伏ゲートでは、越流する堰として機能させる場合、越流量が大きくなり越流水深が深くなると、水路の径間方向全幅に亘って越流が発生する。つまり、特許文献2に記載の膜状起伏ゲートにおいても、引き上げ時、膜体の径間方向両側で、折り返された部位の最上部分から越流が生じる。この越流、及びこれに起因した流れの乱れに晒された膜体の径間方向両側は、その劣化や損傷が発生しやすくなり、耐久性が懸念される。また、これに起因する流況の乱れは、水路のライニングにおいて偏った摩耗等の発生や、水路の下流側への悪影響も懸念される。さらに、膜体の引き上げ時に、膜体の径間方向両側の一部が、水路の一対の側壁面に設けられた取付金具と接触して損傷する等、耐久性が損なわれる懸念もある。
【0008】
また、特許文献2に記載の膜状起伏ゲートは、膜体端部の固定に関する課題に対して、膜体の上流側端部は上流側に向かってその厚みが厚くなる楔状に形成され、また、その下流側に設けられる吊り上げ端部は下流側に向かってその厚みが厚くなる楔状に形成され、上流側端部及び吊り上げ端部をそれぞれクランプする各クランプ部材は、楔状に形成された上流側端部及び吊り上げ端部の傾斜面に当接する傾斜部を有することで課題を解決して有効であるが、膜体の上流側端部及び吊り上げ端部をそれぞれ楔状に成型することでコストアップとなる課題が生じている。また、クランプ部材を取り付けるボルトが膜体を貫通する構成となっており、膜体へのボルト孔加工が必要となり、このボルト孔部分は漏水箇所になりやすく、しかも、加工作業の手間も要する(コストアップ)課題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平11-229357号公報
特開2022-143971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そして、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、越流時、引き上げ姿勢の膜体の径間方向両端からの越流を抑制すると共に、安価で、且つその強度を確保できる膜体の固定構造を備えることで、信頼性を向上させた膜状起伏ゲートを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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