TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025132268
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-10
出願番号
2024029700
出願日
2024-02-29
発明の名称
水電解装置の運転方法、水電解装置用の制御装置及び水素製造設備
出願人
三菱重工業株式会社
代理人
SSIP弁理士法人
主分類
C25B
15/00 20060101AFI20250903BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】水電解装置の運転停止後の運転再開時に製品水素ガスの供給を早期に再開可能とする。
【解決手段】水電解装置の運転方法は、水を電気分解するための電解槽と、前記電解槽で生成された水素が導かれる水素セパレータと、前記電解槽で生成された酸素が導かれる酸素セパレータと、前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータからのガスを排出するためのベントライン及び前記ベントラインに設けられるベント弁と、を含む水電解装置の運転方法であって、前記電解槽での水の電気分解を停止するステップと、前記電気分解を停止してからの前記水素セパレータ内のガス中酸素濃度又は前記酸素セパレータ内のガス中水素濃度の上昇量を示す第1指標が第1閾値を超えたか否かを判定するステップと、を備え、前記第1指標が前記第1閾値を超えた場合には、前記ベント弁を開けて前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータの圧力を第1規定値まで低下させる。
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
水を電気分解するための電解槽と、
前記電解槽で生成された水素が導かれる水素セパレータと、
前記電解槽で生成された酸素が導かれる酸素セパレータと、
前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータからのガスを排出するためのベントライン及び前記ベントラインに設けられるベント弁と、
を含む水電解装置の運転方法であって、
前記電解槽での水の電気分解を停止するステップと、
前記電気分解を停止してからの前記水素セパレータ内のガス中酸素濃度又は前記酸素セパレータ内のガス中水素濃度の上昇量を示す第1指標が第1閾値を超えたか否かを判定するステップと、
を備え、
前記第1指標が前記第1閾値を超えた場合には、前記ベント弁を開けて前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータの圧力を第1規定値まで低下させる
水電解装置の運転方法。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記電解槽での水の電気分解を再開するステップをさらに備え、
前記第1指標が前記第1閾値を超える前に水の電気分解を再開する場合には、前記電気分解の停止以降前記ベント弁が閉じた状態を維持したまま水の電気分解を再開し、
前記第1指標が前記第1閾値を超えてから水の電気分解を再開する場合には、前記第1指標が前記第1閾値を超えた後、前記ベント弁を開けて前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータの圧力を前記第1規定値まで低下させてから水の電気分解を再開する
請求項1に記載の水電解装置の運転方法。
【請求項3】
前記第1指標は、前記電気分解を停止してからの経過時間、又は、前記水電解装置内の水の温度を含む
請求項1または2に記載の水電解装置の運転方法。
【請求項4】
前記第1指標が前記第1閾値を超えた後、前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータの圧力を前記第1規定値まで低下させてから前記ベント弁を閉じた状態を維持するステップと、
前記圧力が前記第1規定値に到達してからの前記水素セパレータ内のガス中酸素濃度又は前記酸素セパレータ内のガス中水素濃度の上昇量を示す第2指標が第2閾値を超えたか否かを判定するステップと、
を備え、
前記第2指標が前記第2閾値を超えた場合には、前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータ内のガスの少なくとも一部を不活性ガスで置換する置換ステップを実施する
請求項1又は2に記載の水電解装置の運転方法。
【請求項5】
前記第2指標が前記第2閾値を超える前に水の電気分解を再開する場合には、前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータ内のガスを不活性ガスで置換せずに水の電気分解を再開し、
前記第2指標が前記第2閾値を超えてから水の電気分解を再開する場合には、前記第2指標が前記第2閾値を超えた後、前記置換ステップを実施してから水の電気分解を再開する
請求項4に記載の水電解装置の運転方法。
【請求項6】
前記第2指標は、前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータの圧力が前記第1規定値に到達してからの経過時間、又は、前記水電解装置内の水の温度を含む
請求項4に記載の水電解装置の運転方法。
【請求項7】
前記置換ステップでは、前記ベント弁を開放して前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータ内の圧力を低下させ、その後、前記ベント弁を閉じた状態で前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータに不活性ガスを供給して前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータ内の圧力を第2規定値まで上昇させる
請求項4に記載の水電解装置の運転方法。
【請求項8】
前記置換ステップでは、前記ベント弁を開放し、前記ベント弁を開けたままで前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータに不活性ガスを供給する
請求項4に記載の水電解装置の運転方法。
【請求項9】
前記置換ステップでの前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータ内のガスの少なくとも一部の不活性ガスでの置換が完了したか否かを判定するステップと、
前記置換が完了してからの前記水素セパレータ内のガス中酸素濃度又は前記酸素セパレータ内のガス中水素濃度の上昇量を示す第3指標が第3閾値を超えたか否かを判定するステップと、
を備え、
前記第3指標が前記第3閾値を超えた場合には、前記置換ステップを再度実施する
請求項4に記載の水電解装置の運転方法。
【請求項10】
前記第3指標が前記第3閾値を超えてから水の電気分解を再開する場合には、前記第3指標が前記第3閾値を超えた後、前記置換ステップを再度実施してから水の電気分解を再開する
請求項9に記載の水電解装置の運転方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、水電解装置の運転方法、水電解装置用の制御装置及び水素製造設備に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
水素を製造するために用いられる水電解装置では、陽極室や陰極室等において水素ガスと酸素ガスの濃度比が所定範囲内であると爆発リスクが生じる。例えばこのような問題を回避するため、酸素ガスが生成される陽極側のガスへの水素ガスの混入、あるいは、水素ガスが生成される陰極側のガスへの酸素ガスの混入を抑制するための運転方法が提案されている。
【0003】
特許文献1には、水電解モジュール(水電解装置)での水の電気分解を停止した後に、陰極室及び陰極側の気液分離器内の水素ガスを大気に放出するとともに陰極室に水を供給することが記載されている。このようにして、陰極室内の水素ガス量を減少させるとともに陰極室に供給された水によって陰極室から陽極室への水素ガスの移動を防ぐことで、電気分解の停止中に陽極側の酸素ガスに陰極側の水素ガスが混入するのを抑制するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-186418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、水電解装置の停止中において、陰極側のガス中の酸素ガス濃度又は陽極側のガス中の水素ガス濃度が上昇して爆発リスクが高まると、水電解装置の運転を再開しようとしても、これらのガス中酸素/水素濃度等に応じて設定されたインターロックが作動して緊急停止(トリップ)となってしまい、水電解装置の運転を再開して製品水素ガスが供給可能となるまでに時間を要する場合がある。この点、特許文献1記載の方法では、水電解装置の停止中に、陽極側の酸素ガスへの水素ガスの混入を抑制するようになっているため、陽極側のガス中水素濃度の上昇が抑制され、上述のトリップを回避できる可能性がある。
【0006】
一方、特許文献1に記載の方法では、水電解装置での水の電気分解の停止時に、陰極室内の水素ガスを大気に放出するとともに陰極室に水を供給するため、その後に水電解装置の運転を再開するときには、陰極室から水を排出したり、陰極側の気液分離器の圧力を上昇させたりする必要があるため、製品水素ガスを供給可能となるまでに長時間を要することになる。
【0007】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、水電解装置の運転停止後の運転再開時に、製品水素ガスの供給を早期に再開可能な水電解装置の運転方法、水電解装置用の制御装置及び水素製造設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の少なくとも一実施形態に係る水電解装置の運転方法は、
水を電気分解するための電解槽と、
前記電解槽で生成された水素が導かれる水素セパレータと、
前記電解槽で生成された酸素が導かれる酸素セパレータと、
前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータからのガスを排出するためのベントライン及び前記ベントラインに設けられるベント弁と、
を含む水電解装置の運転方法であって、
前記電解槽での水の電気分解を停止するステップと、
前記電気分解を停止してからの前記水素セパレータ内のガス中酸素濃度又は前記酸素セパレータ内のガス中水素濃度の上昇量を示す第1指標が第1閾値を超えたか否かを判定するステップと、
を備え、
前記第1指標が前記第1閾値を超えた場合には、前記ベント弁を開けて前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータの圧力を第1規定値まで低下させる。
【0009】
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る水電解装置用の制御装置は、
水を電気分解するための電解槽と、
前記電解槽で生成された水素が導かれる水素セパレータと、
前記電解槽で生成された酸素が導かれる酸素セパレータと、
前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータからのガスを排出するためのベントライン及び前記ベントラインに設けられるベント弁と、
を含む水電解装置用の制御装置であって、
前記電解槽での水の電気分解を停止してからの前記水素セパレータ内のガス中酸素濃度又は前記酸素セパレータ内のガス中水素濃度の上昇量を示す第1指標を取得するように構成された指標取得部と、
前記第1指標が第1閾値を超えたか否かを判定するように構成された判定部と、
を備え、
前記判定部によって前記第1指標が前記第1閾値を超えたと判断された場合に、前記ベント弁を開けて前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータの圧力を第1規定値まで低下させるように構成される。
【0010】
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る水素製造設備は、
水を電気分解するための電解槽と、
前記電解槽で生成された水素が導かれる水素セパレータと、
前記電解槽で生成された酸素が導かれる酸素セパレータと、
前記水素セパレータ又は前記酸素セパレータからのガスを排出するためのベントライン及び前記ベントラインに設けられるベント弁と、
を含む水電解装置と、
前記水電解装置を制御するための上述の制御装置と、
を備える。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
三菱重工業株式会社
復水器
1か月前
三菱重工業株式会社
ポンプ
23日前
三菱重工業株式会社
回転機械
8日前
三菱重工業株式会社
加圧容器
8日前
三菱重工業株式会社
冷却システム
16日前
三菱重工業株式会社
位置計測方法
13日前
三菱重工業株式会社
搬送システム
10日前
三菱重工業株式会社
水素製造装置
15日前
三菱重工業株式会社
排熱システム
8日前
三菱重工業株式会社
フォークリフト
10日前
三菱重工業株式会社
電動ターボ機械
27日前
三菱重工業株式会社
コンプレッサ装置
8日前
三菱重工業株式会社
コールドプレート
8日前
三菱重工業株式会社
排熱回収システム
1日前
三菱重工業株式会社
放射性物質移送容器
6日前
三菱重工業株式会社
電動コンプレッサ装置
29日前
三菱重工業株式会社
鋳造方法および鋳造品
1か月前
三菱重工業株式会社
対向ピストンエンジン
1か月前
三菱重工業株式会社
推進薬プラントシステム
10日前
三菱重工業株式会社
炭化炉及びその制御方法
13日前
三菱重工業株式会社
電解セル、及び電解装置
23日前
三菱重工業株式会社
電解セル、及び電解装置
23日前
三菱重工業株式会社
電解セル、及び電解装置
1か月前
三菱重工業株式会社
燃焼器及びガスタービン
1か月前
三菱重工業株式会社
計測装置、及び積層造形装置
今日
三菱重工業株式会社
計測装置、及び積層造形装置
今日
三菱重工業株式会社
液浸冷却装置及びその運用方法
29日前
三菱重工業株式会社
蓋操作装置、細胞培養システム
1か月前
三菱重工業株式会社
制御システム、および制御方法
1か月前
三菱重工業株式会社
細胞培養設備、細胞培養システム
1か月前
三菱重工業株式会社
情報処理装置および情報処理方法
9日前
三菱重工業株式会社
蓄熱空調システムおよび制御方法
1か月前
三菱重工業株式会社
燃料噴射装置および往復動内燃機関
16日前
三菱重工業株式会社
計算方法、解析装置及びプログラム
1か月前
三菱重工業株式会社
液浸冷却システム及びその制御方法
1か月前
三菱重工業株式会社
水素製造プラント及び水素製造方法
1か月前
続きを見る
他の特許を見る