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公開番号2025131179
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028749
出願日2024-02-28
発明の名称浸透圧補助型逆浸透膜装置、有機溶媒を含む水溶液の濃縮装置、及び、水溶液濃縮方法
出願人国立大学法人神戸大学
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 1/44 20230101AFI20250902BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】有機溶媒を含む被処理水を、高濃度かつ安定的に濃縮することができる、浸透圧補助型逆浸透膜装置を提供する。
【解決手段】有機溶媒を含む被処理水の濃縮に用いられる、浸透圧補助型逆浸透膜装置であって、
前記浸透圧補助型逆浸透膜装置は、
前記被処理水が供給される側に位置する、前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールと、
濃縮液が排出される側に位置する、後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールと、
を含み、
前記前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールと、前記後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールとの間に、圧力調整手段を備え、
前記圧力調整手段により、前記後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールは、前記前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールよりも、低圧条件で濃縮が行われる、浸透圧補助型逆浸透膜装置。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機溶媒を含む被処理水の濃縮に用いられる、浸透圧補助型逆浸透膜装置であって、
前記浸透圧補助型逆浸透膜装置は、前記被処理水が供給される側に位置する、前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールと、濃縮液が排出される側に位置する、後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールと、を含み、
前記前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールと、前記後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールとの間に、圧力調整手段を備え、
前記圧力調整手段により、前記後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールは、前記前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールよりも、低圧条件で濃縮が行われる、浸透圧補助型逆浸透膜装置。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュール及び前記後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールのうち、少なくとも一方は、複数の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールを含む、請求項1に記載の浸透圧補助型逆浸透膜装置。
【請求項3】
前記前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールは、3MPaよりも高い圧力条件で濃縮が行われる、請求項1又は2に記載の浸透圧補助型逆浸透膜装置。
【請求項4】
前記後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールは、7MPaよりも低い圧力条件で濃縮が行われる、請求項1又は2に記載の浸透圧補助型逆浸透膜装置。
【請求項5】
前記前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールに供給される前記被処理水の有機溶媒濃度が、0.1質量%以上、50質量%未満であり、
前記後段の逆浸透膜モジュールに供給される被処理水の濃度が、40質量%以上、50質量%以下である、請求項1又は2に記載の浸透圧補助型逆浸透膜装置。
【請求項6】
前記有機溶媒の1気圧下における沸点が、105℃以上である、請求項1又は2に記載の浸透圧補助型逆浸透膜装置。
【請求項7】
5日以上に亘る連続運転に供される、請求項1又は2に記載の浸透圧補助型逆浸透膜装置。
【請求項8】
前記浸透圧補助型逆浸透膜装置から排出される前記濃縮液の有機溶媒濃度が、40質量%以上である、請求項1又は2に記載の浸透圧補助型逆浸透膜装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の浸透圧補助型逆浸透膜装置を備える、有機溶媒を含む水溶液の濃縮装置。
【請求項10】
前記浸透圧補助型逆浸透膜装置とは異なる逆浸透膜装置をさらに備える、請求項9に記載の濃縮装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、浸透圧補助型逆浸透膜装置、有機溶媒を含む水溶液の濃縮装置、及び、水溶液濃縮方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、有機溶媒を含む廃水を濃縮し、有価物として回収したり、産廃費用を削減する試みがされている。
【0003】
有機溶媒を含む水溶液の濃縮には、例えば、蒸留法、浸透気化法などが用いられている。しかしながら、これらの濃縮方法は、相変化を伴うためエネルギー消費が大きいという問題を有する。特に、高沸点有機溶媒を含む水溶液の濃縮において、蒸発法では、水の蒸発が先行する。このため、濃縮にかかるエネルギー消費が特に大きい。
【0004】
一方、水溶液の濃縮方法として、逆浸透膜(RO膜)などを利用した、膜ろ過法も知られている。膜ろ過法は、水溶液の相変化がないため、省エネルギーでの濃縮が可能となる。ところが、例えば、RO膜を利用した逆浸透膜法(RO法)では、印加圧力以下の浸透圧までしか水溶液を濃縮できないことから、高濃縮には限界がある。
【0005】
通常のRO法と比較し、低圧で水溶液を濃縮することが可能な逆浸透膜法として、浸透圧補助型逆浸透法(Osmotically Assisted Reverse Osmosis Method(OARO法))が知られている(特許文献1等)。OARO法は、高浸透圧の水溶液をRO膜で濃縮する際に、透過水側にも浸透圧を持った水溶液を流すことで、濃縮側(高圧側)との浸透圧差を小さくして、印加圧力よりも高浸透圧の濃度まで濃縮を可能とする方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2019-504763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の通り、OARO法は、通常のRO法と比較すれば、水溶液をより高濃度まで濃縮することが可能である。そこで、本発明者らは、有機溶媒を含む水溶液を、OARO法で高濃縮することを検討した。
【0008】
検討の結果、OARO法を用いることにより、通常のRO法と比較すれば、より高濃度まで、すなわち印加圧力よりも高浸透圧の濃度まで有機溶媒を濃縮することが可能であったものの、数日以上に亘って連続して高濃縮を行うと、得られる濃縮液の濃度が低下し、安定的な濃縮が困難であるという新たな課題が生じた。
【0009】
本開示は、有機溶媒を含む被処理水を、高濃度かつ安定的に濃縮することができる、浸透圧補助型逆浸透膜装置を提供することを主な目的とする。さらに、本開示は、当該浸透圧補助型逆浸透膜装置を利用した、有機溶媒を含む水溶液の濃縮装置、及び、水溶液濃縮方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、有機溶媒を含む被処理水の濃縮に用いられる、浸透圧補助型逆浸透膜装置において、被処理水が供給される側に位置する前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールと、濃縮液が排出される側に位置する後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールとを設け、さらに、前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールと後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールとの間に圧力調整手段を設け、当該圧力調整手段により、後段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールを前段の浸透圧補助型逆浸透膜モジュールよりも、低圧条件で濃縮を行うように設計することで、有機溶媒を含む被処理水を、高濃度かつ安定的に濃縮できることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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