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公開番号2025130204
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-08
出願番号2024027213
出願日2024-02-27
発明の名称溶湯保持システム、溶湯保持方法、および、コンピュータプログラム
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人
主分類F27B 14/14 20060101AFI20250901BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】 溶湯保持システムにおいて、ドロスの発生を抑制しつつ、エネルギの消費量を低減する技術を提供する。
【解決手段】 溶湯保持システムは、金属粒子の酸化と還元とを繰り返す化学ループ燃焼装置であって、酸素を含む酸化用ガスと金属粒子との反応によって生じる酸化熱を用いて、高温ガスを生成する酸化塔と、酸化塔において酸化した金属粒子を、燃料を用いて還元する還元塔と、を備える化学ループ燃焼装置と、溶湯を保持する保持炉であって、酸化塔が生成する高温ガスを用いて、溶湯の温度が融点よりも高くなるように溶湯を加熱する保持炉と、を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶湯保持システムであって、
金属粒子の酸化と還元とを繰り返す化学ループ燃焼装置であって、酸素を含む酸化用ガスと前記金属粒子との反応によって生じる酸化熱を用いて、高温ガスを生成する酸化塔と、前記酸化塔において酸化した前記金属粒子を、燃料を用いて還元する還元塔と、を備える化学ループ燃焼装置と、
溶湯を保持する保持炉であって、前記酸化塔が生成する高温ガスを用いて、溶湯の温度が融点よりも高くなるように溶湯を加熱する保持炉と、を備える、
溶湯保持システム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載の溶湯保持システムは、さらに、
前記保持炉から排出される排ガスの熱を回収する熱回収部を備え、
前記熱回収部は、前記排ガスから回収した熱を用いて、前記酸化塔に供給される前の前記酸化用ガスを予熱する、
溶湯保持システム。
【請求項3】
請求項2に記載の溶湯保持システムであって、
前記熱回収部は、前記排ガスの熱を回収可能な第1の蓄熱器と、前記第1の蓄熱器とは別に前記排ガスの熱を回収可能な第2の蓄熱器と、を備えており、
前記溶湯保持システムは、さらに、
前記排ガスの供給先を、前記第1の蓄熱器と前記第2の蓄熱器のうちの一方から他方に切り替える排ガス切替弁と、
前記酸化用ガスの供給先を、前記第1の蓄熱器と前記第2の蓄熱器のうちの一方から他方に切り替える酸化用ガス切替弁と、
前記排ガス切替弁と前記酸化用ガス切替弁とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記排ガスを前記第1の蓄熱器と前記第2の蓄熱器のうちの一方に供給しているとき、前記酸化用ガスを前記第1の蓄熱器と前記第2の蓄熱器のうちの他方に供給する、
溶湯保持システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の溶湯保持システムは、さらに、
前記還元塔において発生する二酸化炭素と水分とを含む混合ガスの水分を吸着する吸着材を有する脱水器と、前記熱回収部から排出されるガスと、前記熱回収部から排出されるガスよりも低温の熱媒体との熱交換を行う熱交換器と、を有する脱水部を備え、
前記脱水部は、前記熱交換器において前記熱回収部から排出されるガスと熱交換した熱媒体を用いて、水分を吸着している吸着材を再生する、
溶湯保持システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の溶湯保持システムは、さらに、
前記還元塔において発生する二酸化炭素と水分とを含む混合ガスから、水分を除去する脱水部を備える、
溶湯保持システム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の溶湯保持システムであって、
前記保持炉は、
前記保持炉の内部に収容され、溶湯を貯留するるつぼと、
前記高温ガスが前記るつぼの外面に衝突するように、前記高温ガスを前記保持炉の内部に流入させる高温ガス入口と、を有する、
溶湯保持システム。
【請求項7】
溶湯保持システムを用いて溶湯を保持する溶湯保持方法であって、
酸化塔において、酸素を含む酸化用ガスと金属粒子との反応によって生じる酸化熱を用いて、高温ガスを生成する第1の工程と、
保持炉において溶湯を保持する第2の工程であって、前記酸化塔が生成する高温ガスを用いて、溶湯の温度が融点よりも高くなるように溶湯を加熱する第2の工程と、
前記酸化塔において酸化した金属粒子を、還元塔において燃料を用いて還元する第3の工程と、
前記還元塔において還元された金属粒子を前記酸化塔において酸化し、金属粒子に生じる酸化熱を用いて、高温ガスを生成する第4の工程と、を備える、
溶湯保持方法。
【請求項8】
溶湯保持システムによる溶湯の保持をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
酸化塔において、酸素を含む酸化用ガスと金属粒子との反応によって生じる酸化熱を用いて、高温ガスを生成する第1の機能と、
保持炉において溶湯を保持する第2の機能であって、前記酸化塔が生成する高温ガスを用いて、溶湯の温度が融点よりも高くなるように溶湯を加熱する第2の機能と、
前記酸化塔において酸化した金属粒子を、還元塔において燃料を用いて還元する第3の機能と、
前記還元塔において還元された金属粒子を前記酸化塔において酸化し、金属粒子に生じる酸化熱を用いて、高温ガスを生成する第4の機能と、を前記コンピュータに実行させる、
コンピュータプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、溶湯保持システム、溶湯保持方法、および、コンピュータプログラムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、溶融した金属である溶湯を溶融した状態で保持する溶湯保持システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-216358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような先行技術によっても、溶湯保持システムにおいて、ドロスの発生を抑制しつつ、エネルギの消費量を低減する技術については、なお、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、溶湯保持システムにおいて、ドロスの発生を抑制しつつ、エネルギの消費量を低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、溶湯保持システムが提供される。この溶湯保持システムは、金属粒子の酸化と還元とを繰り返す化学ループ燃焼装置であって、酸素を含む酸化用ガスと前記金属粒子との反応によって生じる酸化熱を用いて、高温ガスを生成する酸化塔と、前記酸化塔において酸化した前記金属粒子を、燃料を用いて還元する還元塔と、を備える化学ループ燃焼装置と、溶湯を保持する保持炉であって、前記酸化塔が生成する高温ガスを用いて、溶湯の温度が融点よりも高くなるように溶湯を加熱する保持炉と、を備える。
【0008】
この構成によれば、保持炉は、金属粒子の酸化と還元とを繰り返す化学ループ燃焼装置によって生成される高温ガスを用いて、溶湯を加熱する。これにより、例えば、バーナーによって生成される、溶湯を保持するための温度よりも極端に高い温度の火炎で加熱する場合に比べ、溶湯を適度に加熱することができる。したがって、溶湯の温度が過度に上昇することを抑制することができるため、ドロスの発生を抑制することができる。また、化学ループ燃焼装置が生成する高温ガスの温度は、溶湯を保持するための熱源として適度な温度であり、溶湯を保持するための温度よりも極端に高い温度になるバーナーの火炎に比べ、放熱損失を低減することができるため、溶湯を保持するために消費されるエネルギの量を低減することができる。これにより、ドロスの発生を抑制しつつ、エネルギの消費量を低減することができる。
【0009】
(2)上記形態の溶湯保持システムは、さらに、前記保持炉から排出される排ガスの熱を回収する熱回収部を備え、前記熱回収部は、前記排ガスから回収した熱を用いて、前記酸化塔に供給される前の前記酸化用ガスを予熱してもよい。この構成によれば、熱回収部は、保持炉から排出される、溶湯を加熱した後のガスである排ガスの熱を回収し、酸化塔に供給される前の酸化用ガスを予熱する。これにより、酸化塔での高温ガスの生成において、すでに生成されている高温ガスの熱を有効に利用することができるため、エネルギの消費量をさらに低減することができる。
【0010】
(3)上記形態の溶湯保持システムにおいて、前記熱回収部は、前記排ガスの熱を回収可能な第1の蓄熱器と、前記第1の蓄熱器とは別に前記排ガスの熱を回収可能な第2の蓄熱器と、を備えており、前記溶湯保持システムは、さらに、前記排ガスの供給先を、前記第1の蓄熱器と前記第2の蓄熱器のうちの一方から他方に切り替える排ガス切替弁と、前記酸化用ガスの供給先を、前記第1の蓄熱器と前記第2の蓄熱器のうちの一方から他方に切り替える酸化用ガス切替弁と、前記排ガス切替弁と前記酸化用ガス切替弁とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記排ガスを前記第1の蓄熱器と前記第2の蓄熱器のうちの一方に供給しているとき、前記酸化用ガスを前記第1の蓄熱器と前記第2の蓄熱器のうちの他方に供給してもよい。この構成によれば、熱回収部では、排ガスの熱を別々に回収可能な第1の蓄熱器と第2の蓄熱器とが排ガスの流れに対して並列に配置されている。制御部は、排ガスの供給先を切り替える排ガス切替弁と、酸化塔に供給される前の酸化用ガスの供給先を切り替える酸化用ガス切替弁とを制御する。これにより、第1の蓄熱器と第2の蓄熱器のうちの一方に排ガスが供給されて排ガスの熱を回収するとき、第1の蓄熱器と第2の蓄熱器のうちの他方において、排ガスから回収された熱を用いて、酸化塔に供給される前の酸化用ガスを加熱することができる。したがって、すでに生成されている高温ガスの熱を有効に利用する状態を継続することができるため、エネルギの消費量をさらに低減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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